アネットのレビュー・感想・評価
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スペシャルサンクス:クリス・ロック
こういうステージ物として、シングにはまっているせいもあって、スタンダップコメディのシーンのつまらなさに戸惑った。ネタのつまらなさと映画的なつまらなさ、どちらでもきつかった。ジョーカーもだけれど、つまらないスタンダップコメディとして描いているが、つまらないことの言い訳になってしまうため不愉快。R100とかも。ラストは子供はお人形じゃないぞという意味なんでしょうが、人形なのは勝手に制作側が作った演出なので、マッチポンプにみえる。作家主義の名の元に甘やかすのは、感心しない。指揮者のちょっと待ってとかは面白いのになぁ。ストーリーとしては氷点みたいなことかな。あと、アダム・ドライバーの歌がそこまで能力もなければ、魅力や味も感じられない。ここ最近で音楽映画は流行りまくっているので、このレベルは低すぎる。演奏がかっこよかろうが、センス良かろうが、あんな歌声では文脈を共有していない人には届かない。プロデューサーだし、そこをコントロールできる人はいないか。逸脱として評価するのは、甘やかし過ぎだ。
どう受けとめたらいいのか。
レオス・カラックスのファンの女性に薦められて鑑賞。
ミュージカルファンです。登場人物が突然歌い出したり踊りだしたりするとワクワクするミュージカルファンです。
カラックス作品は初めて観ました。
オープニングにワクワク。途中からあれ、ちょっとちがうぞ。もっとぶっ飛んだミュージカルかと思ってました。もちろんぶっ飛んではいましたが。
でも楽しめました。
友達や見知らぬ人には薦められるかな?
チャッキーが、ちがう、アネットが産まれてくるまでが長い、もう少しテンポよく短くすれば万人受けするのに。でもそれじゃダメなんですよね。
アダム・ドライバーすごいな、好きにはなれないけど。
マリオン・コティアールのピアフ観たくなりました。
水原希子もっと出てるのかと思った。
古舘さん、短い出番なのにシーンさらっていきましたね。
以下余談(今までも余談でした)
30年以上前に米国に住んでた時、お笑いブームというか、TVでスタンダップ・コメディの番組をよくやってた。映画に出る前のエレン・デジェネレスやジョン・レグイザモ、トレーシー・ウルマンらが出てて、英語があまり解らないなりにも面白かったなあ。今でも覚えてるから。
30年経つと笑いも変わってくるのか、ヘンリーのステージ全然笑えなかったや。
30年ぶりに「リトルショップ・オブ・ホラーズ」観た。ぶっ飛ん出るけど良くできたミュージカルだったな。今見ても面白いや。スティーブ・マーティンとビル・マーレーのイカれっぷり最高だし、なんと音楽がアラン・メンケンだった。リトル・マーメイドや美女と野獣より前の作品。楽曲が全部耳に残ってるはずだ。
大好きなぶっ飛んだミュージカルです。
ぶっ飛んだ作品と、ぶっ飛んだ人が作った作品とはちがうってのがわかりました。
スタンダップコメディて何
死の欲動
エキセントリックな作風で合わなかった
いまいち納得感がない?
ダークなおとぎ話
観る人を選ぶ映画だなと。
アダム・ドライバーの存在感はすごいけども。
内容はあまりないというか、(話はわかるが)意図がよく分からない「ダークなおとぎ話」。
アネットが両親からの呪縛が解けるまでは、人形で表現しているところは、「心が操られているのかな?」などと理解しようとつとめたものの……
置いてけぼりくらったような、微妙な表現とも感じたり。
歌の破壊力があって、曲を担当した「スパークス」には興味がわきました。
ただ、ミュージカルになってないというか、パンクロックの調子でセリフを叩きつけてるだけにも思えて、そのあたりがより置いてけぼり感を増したような。
生まれてくるアネットを取り上げる医師を古舘寛治に似た人が、アダム・ドライバー演じるヘンリーを告発する女性達の一人が水谷希子に似た人が演じているな……
ってぼうーっと観ていたら、エンドロールのクレジットで、本人だったから驚きました。
各国でロケもやっていて、日本も出てきましたよ。
アンとヘンリー
子どもを持つ親なら死にたくなるようなラスト
なお私はあまりに辛すぎて鼻水垂らしながら泣いてしもうた。
愛情がよくわからないまま夫&父親になってしまった男の栄光と転落を描いた映画。コメディアンというちょっと癖のある自分の仕事に対し、オペラ歌手である妻の拡張高い世界との落差。
なお、この主人公が落ち目になった理由が、果たして過去の悪行故なのか、大物の妻と結婚したことにより保守的なネタが求められるようになったためか、パッと見ただけではどちらかわからない。
さすがはレオス・カラックス。…いや、スパークスが凄いのか。
てか古舘寛治、お前そんなとこにおったんかい。
キャッチコピーは大体冒頭あたりの話のことでしょうか(困惑)
いろいろと考えさせられる話でした。
サントラ買ってきます。
奇を衒いたい
待ってました
待ちに待ったカラックスの新作。
ミュージカルをよく知らない私だけど、カラックスの仕掛けがほんっと面白かった。
アダムドライバー、マリオンコティアールは間違いなく当代きっての名優だ。演技が本職の彼らが、本職ではない歌を歌う。
すると、役との不思議な距離感が生まれ、わずかな指の動き、眼差しに生身の人間としての慎み深さのようなものが立ち上り、素晴らしいと思った。
女神との愛を手に入れながら、破滅を欲望する人間の深い溝。ヘンリーは神から逃走するように大きなバイクを走らせ、次第に自身の愚かさを露呈する。
闇或いは魔の領域に突入したヘンリーの嵐の航海のシーン。世界は自らを起点として絶えず自分自身を生み出しながら変化していく。
その世界(舞台)全体こそが神なのだから、我々は息を止めて映画を観なければいけない。
母は、彼岸の境界からアネットの歌声に蘇るが、アネットは自分にとっては別世界である父が作った世界を体験させられる。ついにスーパーボールのハーフタイムショーで大団円を迎え、前へ進む物語は終焉する。
これまで仮の姿であった化身が輝きをもって出現し、ついに父に別離を告知する。
こうした「物語」は、小説、演劇、オペラ、映画、漫画などに数多く作られる。マリオンコティアールはオペラの物語の中で何度も死んでいた。
一方スタンドアップコメディは「物語」をぶち壊す芸だ。シニカルに痛烈に。
多勢の観客を前に、いかなる危機と裂け目が生じるかを体現するように、ヘンリーもショーの中で何度も死んでいた。
髪を切った囚人姿のヘンリーの中心が、スッと静寂感に包まれていたのが印象的。
カラックスは生ぬるいところがない。
オープニングが最高だった
面白いけどどこか他人事。
今回はコメディアンとオペラ歌手の恋、結婚、家庭、崩壊までをロックミュージカルで語ると言う趣向。曲と原案はスパークス(アルバムほとんど持ってます)彼らがどこでどう繋がったのか分からないけど、面白い組み合わせだなと思った(映画スパークスブラザーズで解明)
自分は初期の3作は大好きだけど「ポーラX」あたりからピンと来なくなった。彼の映画は話の真ん中を貫くドラマチックな強い衝動があって初めて特有の外連味が生きるのだと思う。いつもイメージは素敵だなぁと思うんだけど近作は仕方なく話を進めている感じ、冷めた感じがしてのめり込めなくなってしまった。ドニの時の様にアダム ドライバーにもっと自身を投影してどんどん追い込んで行けば良かったんじゃないかと思った。
深呼吸して
ダークなおとぎばなし、評価が分かれるでしょうね。だいぶ癖が強いので万人受けする作品ではないけれど、新しい世界観を見せてくれる作品でもあるので見て損はない作品です。
本作はロック界で50年のキャリアを持つ兄弟バンド・スパークス(ロン&ラッセル・メイル、二人のライブ映像とともに振り返る「スパークス・ブラザーズ」も現在公開中)が、ストーリー仕立てのスタジオアルバムとして構築していた物語を原案に、映画全編を歌で語り、全ての歌をライブで収録している。
本作、最初っから最後までずーっと歌っています。
そしてスパークスの音楽スタジオで収録するオープニングから、エンディングの始まりの挨拶と締めくくりがあってメリハリが効いていて思いのほか良かった。
特に物語が始まる前の音楽スタジオからの映像が今から何が始まるんだろう、何を見せてくれるんだろうと、ワクワクさせてくれる。
芸術的で創造的、凡庸でいて新しい。そして切なくって悲しいロックなオペラ…。
赤ん坊のアネットが木彫りの操り人形ってところがなかなか斬新。赤ん坊を取り上げる産婦人科医が日本の俳優•古舘寛治を持ってくるのも面白い。
ラストでようやく、その意味が分かるのだが、アネット役の子役が超絶可愛くて演技も上手い!
それにしても、ヘンリーとアンが住んでた庭付きの家が素晴らしく素敵だった。
悲劇を悲劇として徹底できなかった
ヒロインのアンを演じたマリオン・コティヤールの歌が素晴らしい。この人がエディット・ピアフを演じた映画は残念ながら劇場での鑑賞を逃してしまった。ヘッドフォンを介しての配信の歌は聞く気になれなかったので、結局この人の歌を聞いたのは本作品が初めてだ。これほど上手だとは思いもよらなかった。
ヘンリー役のアダム・ドライバーの歌はコティヤールに比べればかなりの差があるが、ミュージカル映画の歌としてはそれほど悪くなかった。悪態をつくのを売りにしたスタンダップコメディアンの演技もそれなりの迫力があってよかったと思う。
本作品は We love each other so much の歌が繰り返される恋のはじまりから、娘のアネットの誕生、アンとヘンリーのそれぞれの仕事の明暗、格差と嫉妬、不安と怒り、そして恐怖に行き着く。ふたりの情緒の変化が、悲劇へと突き進む位置エネルギーとなるのだ。物語はアンが心配した最悪の展開で進んでしまう。
ヘンリーの性格が齎した性格悲劇であり、アンがヘンリーの本質を見抜くことが出来なかったことが悲劇の原因である。ヘンリーは破滅に突き進んでいく性格で、その根底には不寛容と被害者意識がある。相手がアンでなくても、悲劇に進んだに違いない。
悲劇には劇的に悲しいラストシーンが必要だが、本作品はそれがやや弱い。中途半端なままで映画が終わるから、観客はカタルシスを覚えることができない。ヘンリーが娘を絞め殺したところを看守に射殺されるくらいがちょうどよかった。
悲劇を悲劇として徹底できなかったところが、本作品の完成度を落としていると思う。制作陣が、凄惨なラストシーンにするのを恐れたのかもしれない。ネット社会にありがちな、思い切りの悪さである。あとひと息だったから、凄く残念だ。
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