「岩井俊二監督のお墨付き」ソウルメイト 七月(チーユエ)と安生(アンシェン) カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
岩井俊二監督のお墨付き
人気ネット小説の作者(七月)が見つからないので、小説に出てくるもうひとりの主人公の安生を映画会社が探しだしてきて、七月さんを知りませんか?っていうところから始まる。13歳から15歳の中学生ぐらいの思春期に親友として濃厚な日々を過ごした七月と安生の二人。安生は片親で母親は不在がち。七月の両親揃って笑顔の絶えない食卓。七月の家に泊まることもしばしば。一緒にお風呂に入って、膨らみかけた胸を見せ合う仲。七月のやぼったいブラ。安生はノーブラを自由の象徴のように言う。その後、二人は別々の進路(七月は高校から大学進学、銀行勤務。安生は美容師の専門学校)を進む。七月は高校の同級生のイケメン男子(蘇家明)と付き合い始めるが、安生はひそかに高校に赴き、通学途中の蘇家明に単独アプローチ。積極的。
安生に家明を紹介する七月。初めて会った振りをする安生。小悪魔。その後、3人の付き合いがしばらく続くが、安生はアルバイトをしながら世界を旅して廻る放浪生活に出る。旅立つ安生を涙ながらに見送る七月。異国での生活で、すっかり海千山千になってゆく安生。しかし、実家にいる七月に海外から定期的に手紙をだしていた。そして、放浪生活に疲れ、25歳頃には安定した生活を求め、北京に帰って来ていた。再会した二人は上海に旅行に出かける。七月は27歳で結婚する約束をしている家明には内緒で来たらしい。久しぶりにあった二人だが、金銭感覚などの些細なことで反発して、ギクシャクしてしまう。
そうして、月日が経ち、通勤電車で再会する家明と安生。安生は家明を避けるように途中下車。家明が締まりかかるドアから自分の名刺入れをホームに投げ、電話してくれと手振りで訴える。このシーンが後でうんと辛くなってきます。
安生の子?いつ産んだの?誰の子?
七月が出産した子だったのか~
七月のあの優しい両親はその時どうしてたの?
家明に結婚式で消えてと頼んだ七月の気持ち。
親に頼れないから、ひとりで出産して死んでしまったのかな~???
家明がものすごく可哀想(男目線)。
安生は小悪魔なんだけど、七月と家明の子を育てている。二人とも好きだから?
複雑で、複雑で、整理が付きません。
七月が亡くなったのは映画会社の人も調べれはわかるんじゃないの?
とか思うのは反則ですね。
岩井俊二への謝辞(エンドロール)。なんとなく納得。岩井監督は多くの若手監督からリスペクトされていて、いろいろアドバイスしてあげているんですね。
七月役の馬思純が可愛かったです。
周冬雨はすごい!
映画としては少年の君の方がインパクトが強かった。ですが、この作品のピュアでいて生臭い感じはとてもエロいと思います。男にはわかりにくいんですけど。