ソウルメイト 七月(チーユエ)と安生(アンシェン)のレビュー・感想・評価
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「魂でつながる二人」
110分の上映時間が濃密で映画に引き込まれる自分がいた。13歳から親友となった七月と安生の27歳までの物語が描写される。二人の間にちょっとした溝ができる、それは七月が好きになった家明の存在だ。いつのまにか安生の三角関係になる手前で安生は、一人旅にでる。
自由に奔放に生きる安生、地元に残り優等生タイプの七月。二人は文通で連絡をかかさない。しかし、やはり家明が原因で二人は別れる。そしてあることをきっかけに二人はまた一緒になる。この二人の心の揺らぎが繊細に描写され二人の運命を感じる。
この映画の最大のポイントは、安生が小説を書いていることだ。それも七月名で。映像に映っているものは。現実世界のことなのか安生が書いている小説世界のことなのか、判別がつかなくなる。まさに現実世界と小説世界が交差されながら描写され、観ていて心地よい想像力の喚起をうながしてくれる。まるで息が詰まるほどに。
親友二人の14年におよぶ物語は、安生役のチョウ・ドンユイ、七月役のマー・スーチュン、家明役のトビー・リーの役柄にぴったりとフィットしている演技、それを引き出したデレク・ツァン監督の演出の見事さ、そしてスタッフ・キャストの総合力がいかんなく発揮された魅力的な映画であった。
複雑な女心と友情
女性ならではの複雑な心境が描かれていた。本音と建前、駆け引き、本性隠して去る。気持ちは分かる部分もあるが、難しい。彼はそんな2人に振り回されたように思えるが、彼にも本音と建前があったように思える。とても複雑な人間模様だった。
最後ビックリだったのは、彼女の死。あのストーリーは親友が描いたものだったんだね。とても悲しい結末でした。
余談、この手の面白い脚本は中国映画の上手さです。
作品はよかったけど、後味はよくない。
エンドロールで岩井俊二監督への感謝があったけど、なるほど、世界観が似てたなと見終わってから感じる。90〜00年頃のあのアンニュイな青春。
同じ男性を好きになった親友同士の七月と安生の青春を描いたドラマで、描き方が美しい。恋人ができることで変わる友情関係性は万国共通なのか、なんか共感できるし、若さゆえの寂しさや強がりもわかる。
女性を描いた作品だが、それにしても、蘇家明のダメさ加減に心が落ち着かない。
真面目に生きてきた七月の結末が切なく、でも現実もきっとこうなんだよなと思うと、なかなか後味はあまりよくなく、ズシンと重い。
主演女優の2名の演技が素晴らしく、またキャスティングもよい。
改めて素敵な作品
採点4.2
ユーチエとアンション、二人の数奇な友情の物語。
リメイク版を最近観たので、今一度鑑賞してみました。
これが実に素晴らしい青春映画です。
デレク・ツァンの単独監督デビュー作でもあるんですね。
全篇を通し絵がものすごくきれいで、色々なシーンに目が奪われるようでした。
何といっても三人で祈祷に行った時の帰り。
自転車の故障から別々に帰るシーンがやはり素晴らしい。
二人を置いていく安生、それを追い抜いて置いていく七月達。
ここで小さくて深い溝ができるのが視覚で分かる、すごいシーンでした。
また後半では逆転していく二人の生き方にもリンクしており、本当見事な仕込みです。
脚本も見事でラストまで駆け抜けるような面白さ。
チョウ・ドンユィとマー・スーチュンの二人も本当に素晴らしいですね。
改めて素敵な作品でした。
すごく面白かった
2時間弱の映画だけど内容が濃くて、良い意味でもっと長い作品に思えた。
色々と想像してないことが多くて、意表を突かれたけど、わかりやすかったのも良かった。
2人のヒロインが本当に何年もかけて撮影したのかと思えるくらい、時とともに見た目が大人になっていくのも驚いた。
また少し経ってから見返したい。
評価:4.2
いいものです
嫌いじゃないけど難しかった
二人はソウルメイト
二人は親友
二人は友達
心の奥底の本音よりももっと底
生まれる前からと言っていい
ソウルメイトってそうなのかと思ってた
ソウルメイトかと知れない、と言われたことがあります
それまでその言葉を知りませんでした
ただ、特別な思いはあったのです
懐かしいような当たり前のような会話は自然に進み黙っていても気にならない
何処にでも行けるし何処までも行ける
会わなくても連絡がなくても安心できる
そんな感覚
その人1人しか経験がないです
家族でも幼馴染みでもない
でも赤の他人とはどうしても思えない
そんな気持ち
来世があるなら多分会うんだろうな
そう思えるのです
だからこの映画をどうしても観てみたかった
暖かい春の日差しのような日々を思い出すために観たかったのです
リメイクを観てオリジナル版があると知って鑑賞。 比較して見る面白み...
リメイクを観てオリジナル版があると知って鑑賞。
比較して見る面白みがあった。こちらの方が言葉で明確に示されていて分かりやすい。「太陽と月」ではなく「影を踏む」とあることで正反対であること以上に離れられない関係ということがより強く感じられたし、「隠れ家」ではなく「家」に招くことで安生が過去の家庭環境への憎悪を払拭しようとしていることが伝わった。
大切だから嫉妬するし、想いすぎて話せない。
感情は複雑なものだなと。
題材、冒頭の文字、図書館のカメラワーク、雪の中空を仰ぐショット、岩井監督みあると思ったらクレジットに岩井監督の名前あって納得。リメイクの試写のトークショーでもアジア圏への岩井さんの影響は強いとのお話があったがまさに。
影踏み
仲良い二人は
…太陽と月…光と影…S極とN極
相反するものこれらが引かれあう
そんな感じがした
お互いが持ち得ないものに
…惹かれあう
離れられない強さ
恋人をめぐり
陽の彼女は結婚相手にピッタリだけど
陰の友は闇のような危うさがあって
出会った時から惹き込まれて
三角関係の様。
ふたりの関係も壊れ掛けたが…
姉妹のような家族のようなふたり
お互いが影のような存在で
…心の拠りどころ
彼女は
…自由を求めて
彼と別れて選択した人生
短い彼女の人生だったけど
楽しめたと思いたい
ふたりで一つの人生の様にも感じた
ふたりはひとり/ふたりでひとり
《ソウルメイト 七月と安生》
リメイク公開前に再見。女性はこうあるべきという社会に対して対照的な2人は近づき離れて行く。誰もがこの二人を持っているのだろうと思う。現実と小説との間に浮かび上がる"事実"は苦しく愛おしい。全て語らないし語るべきではないことを皆心に秘め生きていく。大傑作!チョウ・ドンユィさんは文句なし圧巻だったが、七月役のマー・スーチュンさんってシャドウプレイのヌオちゃんだったと気づいてびっくり!
必見の傑作!
心が揺さぶられる映画。
「少年の君」に圧倒され、同じ監督、同じ女優のこの作品を見たが、凄かった。
ツボにはまった。
チョウ・ドンユイ(周冬雨)の演技が凄い。監督のデレク・ツァン(曾國祥) の演出も凄い。
語彙力不足で「凄い」としか言えないけど、繰り返し見たくなる映画。
傑作。
多くの人に見てほしい!
【“貴女を愛したのは、私だけ。そして自分の影を踏んでくれる人。”女性2人の愛と憎しみをはらんだ半生を一人の男性を絡めて描いた青春映画。チョウ・ドンユィさんの魅力が弾ける作品でもある。】
■ある日、安生(チョウ・ドンユィ)のもとに映画会社から連絡が届く。
人気ネット小説『七月と安生』を映像化したいという彼らは、作者である七月(マー・スーチェン)を捜しており、主人公のモデルの1人である安生に七月の行方を尋ねてくる。
しかし、安生は七月のことは知らないと嘘を付く。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・13歳から親友になった七月と安生の姿をバックボーンに、大人になる二人の生き方の違いを鮮やかに描いている。
ー 自由な安生と、保守的な七月が成長していく姿。ー
・そこに絡んで来る七月と安生が、夫々想いを寄せる蘇家明の、三角関係の描き方。
■男としては、蘇家明のハッキリしない態度(二人の全く性格の違う魅力的な女性の想いを知って・・。そりゃ、そーだろう、とは思うが・・。)少し苛苛する。
■七月が、蘇家明の子を産んだ後に、息を引き取るシーン及びそこに現れる安生が”自分の子として”引き取るシーンは可なり沁みる。
<今作を鑑賞したのは、チョウ・ドンユィというそれまで全く知らなかった中国女優さんの『少年の君』での姿に吃驚した事が理由である。
今作のチョウ・ドンユィさんは『少年の君』とデビュー作である『サンザシの樹の下で』と外見上は違うが、その魅力は変わり無かった作品である。
何となく、岩井俊二監督の風合を感じさせる素敵な作品でもある。>
女同士の友情?
七月と安生、かけがえのない友達ではあるが、お互い自分に無いものを羨み、妬み、嫉妬する。それに気付き距離を置くが、離れると寂しく、近づいたり、また離れたり。ひとりの男性を取り合う。
罵倒しあい、本音をぶつけ合っても、結局はお互いなくてはならない大切な存在であった。
男性の監督なのに、ここまで女性の微妙な心情がよくわかるなあ、と感心。「少年の君」といい、今後、どんな映画を撮るのか楽しみである。
安生役のチョウ・ドンユイ、中学生から30代まで演じ分けられる、凄い女優さん。
七月と安生=2人の女性の友情に涙する。
2016年(中国・香港合作)監督:テレク・ツァン。
原作は中国の携帯小説。
女性向けの映画です。
私は引き込まれてとても感動しました。
2人の女性の14年間に渡る友情物語か?と思ったら、
圧巻の七転八倒の人生のジェットコースターでした。
ひとりの男・家明を愛する2人。
紆余曲折。底に流れるのは七月(チーユエ)と安生(アンシュン)の絆、憎しみ、信頼そして愛。
この映画ネタバレは厳禁です。
あらすじも複雑すぎて書けません。
でも難解なわけではありません。
兎も角先が読めない。
あまりに複雑すぎるストーリー。
それも小説の出来事(フィクション)なのか?
現実の出来事なのか?
あちこちにミスリードあり、フェイクニュースありで、
息つく間もありません。
もつれにもつれて、衝撃の展開を!!
最後の1行まで読めないラスト。
最後のシーンまで分からない映画です。
(岩井俊二監督作品を思い浮かべました。)
(少女が主人公で、友情と激情の長い航海。手紙も登場します)
13歳からの14年間の少女の成長。
真面目に人生設計をする七月。
自由奔放に男から男へと蝶のように渡り歩き、
世界を放浪する安生。
マリアナ海溝よりも深く。
友情より、愛情より、
深いモノって何だろう?
男と女・・・よりも、深い、女と女のソウルメイト(魂の友)
(ラストにやや無理くり感はあります。)
衝撃のどんでん返し。
(まったく予期しておらず、見事にパンチに見舞われました)
確かに感動し、涙が溢れました。
切なくてよかった。面白かった。 ただ、昔の話はもっとリアル中国でい...
切なくてよかった。面白かった。
ただ、昔の話はもっとリアル中国でいってほしかったかな。
男は皆、おしゃれなんて程遠くて、ぼさぼさ頭にスラックス、みたいなね。
それだともっとしびれたかも。
青春映画だね。
少年の君の監督デレックツァンと同じくヒロインは、チョウドンユイ。2人は、幼く出会い、全く正反対だが
気が会う。ネット小説の七月と安生を映画化したい事で
作者は七月だけど行方不明に。穏やかに暮らす安生に話がくるが...いい話だ。チョウドンユイの細くヤンチャで
冷たい顔がいいね。ラストには、ビックリだけと納得だね。
岩井俊二監督のお墨付き
人気ネット小説の作者(七月)が見つからないので、小説に出てくるもうひとりの主人公の安生を映画会社が探しだしてきて、七月さんを知りませんか?っていうところから始まる。13歳から15歳の中学生ぐらいの思春期に親友として濃厚な日々を過ごした七月と安生の二人。安生は片親で母親は不在がち。七月の両親揃って笑顔の絶えない食卓。七月の家に泊まることもしばしば。一緒にお風呂に入って、膨らみかけた胸を見せ合う仲。七月のやぼったいブラ。安生はノーブラを自由の象徴のように言う。その後、二人は別々の進路(七月は高校から大学進学、銀行勤務。安生は美容師の専門学校)を進む。七月は高校の同級生のイケメン男子(蘇家明)と付き合い始めるが、安生はひそかに高校に赴き、通学途中の蘇家明に単独アプローチ。積極的。
安生に家明を紹介する七月。初めて会った振りをする安生。小悪魔。その後、3人の付き合いがしばらく続くが、安生はアルバイトをしながら世界を旅して廻る放浪生活に出る。旅立つ安生を涙ながらに見送る七月。異国での生活で、すっかり海千山千になってゆく安生。しかし、実家にいる七月に海外から定期的に手紙をだしていた。そして、放浪生活に疲れ、25歳頃には安定した生活を求め、北京に帰って来ていた。再会した二人は上海に旅行に出かける。七月は27歳で結婚する約束をしている家明には内緒で来たらしい。久しぶりにあった二人だが、金銭感覚などの些細なことで反発して、ギクシャクしてしまう。
そうして、月日が経ち、通勤電車で再会する家明と安生。安生は家明を避けるように途中下車。家明が締まりかかるドアから自分の名刺入れをホームに投げ、電話してくれと手振りで訴える。このシーンが後でうんと辛くなってきます。
安生の子?いつ産んだの?誰の子?
七月が出産した子だったのか~
七月のあの優しい両親はその時どうしてたの?
家明に結婚式で消えてと頼んだ七月の気持ち。
親に頼れないから、ひとりで出産して死んでしまったのかな~???
家明がものすごく可哀想(男目線)。
安生は小悪魔なんだけど、七月と家明の子を育てている。二人とも好きだから?
複雑で、複雑で、整理が付きません。
七月が亡くなったのは映画会社の人も調べれはわかるんじゃないの?
とか思うのは反則ですね。
岩井俊二への謝辞(エンドロール)。なんとなく納得。岩井監督は多くの若手監督からリスペクトされていて、いろいろアドバイスしてあげているんですね。
七月役の馬思純が可愛かったです。
周冬雨はすごい!
映画としては少年の君の方がインパクトが強かった。ですが、この作品のピュアでいて生臭い感じはとてもエロいと思います。男にはわかりにくいんですけど。
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