「体感的には『ファーザー』に近い」アミューズメント・パーク せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
体感的には『ファーザー』に近い
老人が遊園地で誰にも優しくされず散々な目に遭う話。
当然ながら遊園地の中は現代社会の縮図。重い荷物を持てないのに誰も助けてくれないし、自動車事故を起こすと老人のせいにされ(ここら辺最近高齢者のアクセル踏み間違いとかの事故多いから何とも言えんが)、「ここ楽しいよ!」って誘導されたとこに入ってみるとリハビリ施設だったり。
現実の方がもっと優しい人いるだろうけど、自分もたまに、道を歩いてて歩くのが遅いじいやとばあやが前にいるとちょっと邪魔だなって思ったり、コンビニで会計の遅いじいやとばあやに早くしてくれないかなって思っちゃうし。
この映画見てるうちに、数十年後には自分もそう思われるのだと思うとゾッとしてくる。そして今見ると、この映画の中に出てくる若者達も、今はもう高齢者なのだと思うとより皮肉が効いてて良い。
冒頭、年老いてはいるものの若々しくて意気揚々としているじいやが徐々にボロボロになって本当に"老人"になっていく。となると、老人を老人たらしめているのは、老いではなくて周りの環境なんだろうなぁ。
当時老人への啓蒙のために教会に依頼されて作ったロメロ、確かにこれは教会は認可しないだろうけど一応ちゃんと啓蒙にはなってるんじゃない?って印象。
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