梅切らぬバカのレビュー・感想・評価
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一味違う障害者映画を作りたかった??
加賀まりこと塚地さんは100点かな
ただ、ストーリーはうっすら気持ち悪い点が多くて、何ら結論のない終わりも、モヤモヤした
いつ崩壊してもおかしくないくらいクズな夫の、突然変わる態度
とても良い子なお隣の小学生が、なぜか夜日ポニーを連れ出してしまって大騒ぎ
なんで???
でもまぁ、お互い様が崩れるとギスギスで生きにくいよね
とは言え、、、、知的障害のある方に子どもが殴られたら、寛容ではないいられないかもなぁ。。。と思う自分もいる
難しい問題だよね
監督の感性に疑問
自閉症の息子と労わる母の絆を描き、知的障害者に対する冷たい世間の風潮への問題提起を込めたような社会派ドラマ風のホームドラマ。
先ずはタイトルに疑問、「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」というのは植木屋さんの戒めで桜は選定に弱く切り口から菌が入り痛みやすいのでむやみに切ってはいけませんよ、一方、梅や柿は丈夫で上に伸びやすい徒長枝を剪定した方が横枝への日当たりも良くなり花や実のつきが良くなるということ、映画の梅の木は道路にはみ出して危険なので切る切らないの意味がそもそも違うでしょう、それに梅の木の家のバカと知的障害者を揶揄するような不穏当表現にも思えます。
次にキャスティング、塚地さん自身がインタビューで言っていましたが、自分はお笑い芸人なので知的障害者の役を演じるのは不謹慎に思える不安があったが監督の熱意に負けたとのこと、実に的確な感性ですね、加えて林家正蔵さんまで出して笑いをとりたいのか、この監督どういう感性の持ち主なのか甚だ疑問に思えます。
『壊れていても生きていて構いません』なのだ。
どこかの公園が閉鎖になる。のかなぁ?
どこかの老人ホームとか要支援者施設が建設反対される。のかなぁ。
子供達の声がうるさい。
暴力的な奴がいる。
臭い。
汚い。
そう言った理由があるのだと思う。さて、一方でアメリカ軍機がうるさいとかごみ焼却施設は汚い。とかの声はいつの間にかトーンダウンする。
子供の声が春風に乗ってそよぐ。そのくらいの余裕持ちたいものだ。勿論、夜勤の人達もいるからね。一概には判断出来ない。
しかし、ごみ焼却施設の煙を我慢する事と、アメリカ軍機の音に怯える事とは桁が違うと思う。
『壊れていても生きていて構いません』なのだ。
タイトルがいまひとつ
梅切らぬバカ
U-NEXTの配信で
見ました。
塚地さんがうまくて、加賀まりこさんとの親子が素晴らしかった。一度別れてみるというのはアリなんだと。
住民が、施設の前で抗議行動を起こすなど、フィクションぽいところもあったけどいい感じの着地点。
自閉症児の将来についての話で、難しいテーマを程よい加減で映画にしたところがいい。塚地さんのおかげで若干、コミカルでもあり、珠子のような強気の母親もいるかもしれないとおもわせもする。
調布市が協力してるらしいので、その近辺でのロケか。
馬の飼育場と運動場があるすぐそばに、住宅街があるという設定。細かいところはあまり説明されない。
加賀さんもお年だし、塚地さんもいい年齢なので、お二人はベストキャスティングだが、続編は無理のような気がします。
梅についても、馬についても、もう少し掘り下げてもらえるとなお良かった気がします。
目にインパクトのあるタイトルかつ、記憶にも残るタイトルですが、梅の枝は、切るべきではないのか非常に気になります。
まずまず
親子の共依存的な関係が解消されなかったことは少々残念。
渡辺いっけいの家族と交流することで、嫌悪感が和らいでいき、徐々にちゅうさんを理解にするようになる部分は良かった。
障がいの有無にかかわらず交流することで、なんだかんだで一緒に暮らしていけるようになるということがわかる。
裏を返せば交流しなければ一生相互理解が進まないのだとも感じた。
何を狙ったのかなぁ?
ほのぼのっぽいけど、結局塚地さんの厩舎侵入は彼一人ではない事を、厩舎や周りの人々には知らせようともせず、もう一人の張本人家族と仲良くするが為うやむやになった形?
グループホームって冷たい飲み物も満足に飲めないのかな。あれは酷だった。
ストーリーや設定がわざとらしくて共感しにくかった。たとえば、大人が背中伸ばして歩けない高さに道に張り出した枝を放置していたり、
外部の人間が厩舎に入りポニーを連れ出したり、次の話のきっかけになる事象を無理につくり出している感がある。また、あんな街中に馬を飼っている所なんてあるのかな?塚地さんより匂いとかで近隣からの苦情が絶えないと思う。
塚地さんの演技が良かったけど、何が言いたかったんだろう?
大局的には何も解決してない
隣人の理解を得られ、忠さんが少し成長したのは分かるが、それでは視聴者のもやもやした感情を払拭するには至らない。
結局忠さんがグループホームを追いやられる形となったが、その原因となった騒動のきっかけが忠さん自身とは言い難いし、地域住民には勘違いされたままで物語が終わってしまい、え?終わりなの?って言うのがまず出てきた感想。
せめて、グループホームでなんとか生活できる基盤が整って、溝の埋まらない諸問題を抱えつつも騒動に対する地域住民の勘違いを払拭するところまではやってほしかった。
この結末ではグループホームに預けるに至った"母親離れ"がただ失敗しただけでしかない。
梅切らぬ馬鹿を、外の世界に無理矢理にでも押し出して、独り立ちさせる決断に至れない親子をなぞらえてるのだとするとまぁ…という感じではあるが、煮え切らないエンディングだというのが正直な感想。
一方で、塚地や加賀まりこの演技には惹きつけられた。
また登場人物の個々のキャラクターも個性がありつつも嫌いになれないいい味を出していたと思う。
誰にも迷惑をかけずに生きられますか?
丁寧に手をかけて育てられた自閉症の忠さん50歳。
塚地武雅が演じているので愛嬌たっぷり。
現実世界では、爪を噛んだ手のまま電車内の手すりを触っていたりなどをよく見るが、忠さんもストレスがあると爪を噛むものの、作中では触っても自身の折り畳み傘程度。時間通りに自律した行動を丁寧に行うし、決まりを守れる性格。
馬が好きで、馬を驚かせてしまったりするが、危害を与えようとしたり身体の大きさを考えずに手が出てしまったりの、怖い印象は受けない。
ただし、今周りがどんな状況どんな気持ちかを推測することは難しい。
母親は70代。忠さんの先行きの人生をすごく案じつつ、女手ひとつで何十年も一生懸命忠さんを育ててきたので、いざ忠さんがいなくなると気力がなくなってしまう。
グループホームに忠さんを入れる事を決意した時、特性の異なる入居者どうしの空気の読み合いが難しいから、忠さんは煽りをくってお風呂上がりのカルピスを飲み損い、予定通り飲めなかったのでホームの外にパジャマのまま外出して自動販売機でカルピスを購入し立ち飲み。そこで出会ったお隣の息子少年、草太の誘いで一緒に厩舎の馬を見に行き、馬を連れ出すトラブルを起こしてしまう。
軽い気持ちでグループホーム脱走中の忠さんに声を掛けた草太だったが、騒動はグループホーム運営反対の動きとなり、忠さんはグループホームを退去する流れとなり、再び自宅に戻ってくる。
社会的な部分に影響がある特性の方々への理解や、近隣住民や社会との調和について、考えさせられる。
個人的には、人によるなぁと。
状況を説明する力や、空気を読む力が不足して誤解やトラブルを招きやすくても、その行動の動機によって受け入れやすい、受け入れにくいは異なる。
特に、性的な動機が絡んでいる方だと、正直怖い。
登下校中に待ち伏せされていた期間が過去にあり、知的な原因の場合警察も動けないとのことで、その方には怖い思いをさせられた。本人に悪気がないのはわかっているが、理性がきかず身体が大きいと、許容頂くのが難しい場面もあると思う。
ただ、そういった処理などのお世話も行う親御さんの日々の努力や心配は、作中には出てこないが、胸中思うと頭が下がる。
一方、可愛いなぁ優しいなぁ、お互い難しいことも工夫して、人並み程度に克服しながら頑張ろうね、と特に違和感を抱かず関われる方々もいる。
特性があっても、聖人君子ではないので、人間として得意不得意もあれば性格も色々。
それにより、家族以外の人々に、社会に、受け入れて貰えるかや居場所があるかも異なる。
だからこそ、育て方が大切なので、タイトルが響いてくる。桜と梅では必要な対処が異なる。性格や特性や習性をよく理解して、手をかけて育てないといけないのは、どんな人間にも、馬にも、動物にも、共通する。そこが欠如したらバカ。安心な町を育てないのと同じ。
そしてできれば、他人やその大切な人や動物や物にも、同じ気持ちを向けたいね、と思う作品。
作中で、自分の馬は大切にするのに他所にはキツくあたる人、相手を許容はできないが自分のお行儀はめちゃくちゃな人、とにかく優しさが際立つが落ち着いた行動が苦手な人、自分の息子は棚にあげ他人の息子に冷たい目を向ける人、など客観的に見ると「お互いさま」精神に欠くが、現実にはよくいる人々が出てくる。
そういった人々=社会の目に、フェアじゃないなーと心を傷める機会が多いであろう親御さんがただからこそ、作中のように占いはできずとも人を見る目が真を突いていることって大いにしてあるだろうなぁと加賀まりこ演じる母親像を見て思った。
役所が他人事感覚なのもリアル。
当事者同士の「お互いさま」が、持たれつがなく持ちつばかりになる時、排除が起こるのかもしれないが。
塚地武雅は風貌がまるでドラえもんが人間になったみたい。
現実をつきつけられた
自閉症の子供さん達もいつか大きくなり本作のチュウさんみたいに40代、50代と歳を重ねていく。
献身的な母親が一緒に居てくれ、マイルールを理解してくれるという環境がチュウさんには居心地がよいが一生それが出来るわけではない。
本人の意思では変えようのない自閉症の方の特性を理解しながら寄り添っていて、カラッと明るくサバサバ意見を言える母親役を加賀まりこさんが好演。塚地さんも自閉症をもつチュウさんを熱演されていたと思う。
本当の親子みたいな温かい空気感が漂っていた。
施設のスタッフの雰囲気とかもリアリティーを感じた。
地域住民の反対運動はやり過ぎでは?と思える場面もあるが、理解出来ないものを排除するというよりは、
実際に子供を叩かれたとか馬を逃がされた、とか致し方ない理由があり抗議する気持ちも分かってしまう。
お隣さんとは少年とチュウさんとの繋がりきっかけで仲良くなりホッとした。馬を逃してしまった事に巻き込んだのは自分だ、と正直に告白できた少年も素直だし、
謝罪にいきチュウさんと親しく接して仲良くなろうとする家族が温かい。
梅を結局切らなかった理由を自分なりに考えてみた。
邪魔だからと切り捨てるのではなく距離をとりながら気を遣って共存する事で梅は実をつけ、手を加えたら梅エキスのように人を癒す薬にもなるのだ。
邪魔だから排除という世の中に一石を投じたのではないだろうか。
何が主題なのか…
鑑賞の角度は其々ですが、我が子を思う加賀まりこの演技は光っていたように思えます。
塚池は研究しただろうな…という印象です。
隣に住む家族も良かったですね。
転校生って友達出来づらいからね。
地域の人の反対する気持ちもわかります。
こういう日常を送っている人たちもいると思えれば、これはこれで良い映画かと思います。
最上級のバッドエンド
序盤は「障害者の高齢化」という社会問題を風刺した作品かと期待したが、ただ市民の障害者に対するスティグマを誇張したものにすぎなかった。これではむしろ映画の観客に対して、差別的な感情を煽ってしまう恐れもある。
タイトルも「子離れ出来ない親」の隠喩であれば面白いのだが、どうもそうではなく「個性を尊重しよう」みたいな単純なものであったようだ。
結局社会参加に失敗し、高齢の親元へ帰ってゆく主人公。障害者との触れ合いを通じて、精神的な成長を遂げる隣人の事など何の救いにもならない。主人公が歩む、この先の人生を想像すると、感動を誘うような演出とは裏腹に暗い気持ちにしかなれなかった。
支え合い(寛容)
実際には深刻な題材を暗くなり過ぎず、前向きに描いて
とても考えさせられるし良かったです。
加賀まりこ(母親・山田珠子=占い師=80歳)
塚地武雅(ドランクドラゴン=自閉症の息子=山田忠男=49歳)
おふたりが本当に素敵でした。
珠子は自閉症で知的障がいのある忠男との生活を
明るく前向きにとらえて暮らしています。
加賀まりこはまるで地のようです。
サバサバしてて毒舌でいて愛らしい。
彼女は障がい者に限らず、
「人は家族や友人に頼らず、迷惑をかけずに生きてる人はいない」
そう言います。
“誰にも迷惑なんかかけてるもんか“
そう思っている人は少なからず驕り高ぶっているのでしょう。
今食事している1組の箸、茶碗、お皿1つにしても、
他人の手で作られてるのですから、
人の世話にならないことは、なにひとつとしてないのです。
塚地さんの演技がすごく自然です。
朝の分刻みの日課は微笑ましいけれど、それを乱すと、
心のバランスが崩す自閉症の特性を演じて見事でした。
道路にはみ出した梅の枝。
お隣の里村さんと山田家だけの私道なのかしら?
沢山の人が通るなら危険ですね。
引っ越し屋さんも、みんな通ってましたものね。
通報されないのは珠子さんの日々の努力の賜物でしょうか?
忠男がパニックを起こすから、切れないのです。
(忠雄の父親が植えて、珠子は、お父さんが見守ってる・・・
そう教えて来たのです)
梅切る馬鹿、切らぬ馬鹿
よくみると珠子は必要以上に、ペコペコと頭を下げます。
(近隣に迷惑をかける忠男、
(謝り続けて来た人生が見えて来ます)
梅切る馬鹿、切らぬ馬鹿
はみ出した梅の枝は早く言えば迷惑です。
それは社会的にルールを乱しがちな人や物事への
メタファー(比喩)
でも忠男は珠子にとっては宝物だし、
はみ出した梅の枝にも実はなるし花も咲く
絞れば薬にもなる。
(立ち退き騒動が解決したかは不明ですが・・・)
みんななんとか折り合いをつけて豊かな心で暮らして行こう
監督のメッセージをそう受け取りました。
もう一歩進めて欲しかった
成長した自閉症の息子と母親が2人で暮らしていた。息子は自立を目指してグループホームに入ることになった。
2人が寄り添って生きている姿は優しい気持ちにしてくれる。母親が自立を望みながらも寂しさに挫けそうになったり、グループホームで慣れない集団生活にストレスで爪噛みを始めてしまう息子。事件があってどう成長するのか、どんな一歩があるのかと思ったが、残念ながらそれはなく、元に戻って終わってしまった。
たしかに隣の家との関係はいい感じになり、幸せな雰囲気で終わるのだけれど、この親子のもう少し進んだ一歩が見たかったなと思う。
軽い語り口で社会的包摂について考えさせられる
自閉症を持つ50歳を迎える息子とその母との暮らしを軸に、引っ越してきた隣人一家、支援者たち、地域の人々の関わりが描かれる。
フィクションだと思うが、障害を持つ人々への眼差しや地域社会で起こる問題は現実をなぞっており、それについてはフラットな目線で語られていると感じる。劇中でも解決しない問題が多いが、隣人との相互理解や、乗馬クラブの人が次第に自分の考え方に疑問を持つようにもとれる描写には希望も見える。一方、(主題ゆえのPC的思考かもしれないが)母親が売れっ子占い師で年老いても経済的に自立しているという設定には若干の都合のよさを感じた。
軽い語り口だが、社会的包摂についての重い問題を考えさせられた。個人の努力で周りの一人ひとりの理解を得ていくしかないのだろうか?
母と息子の日々の喜び
自閉症の息子を抱える母の日々と喜び、そして将来を考える物語。起伏に富んだ展開ではないけど、何処か身近に感じられる家族。
その家族の周りの人物も間違ってない言動や行動なんだけど、誰もがもつ思いやりと人付き合いの大切さを感じさせてくれます。
近隣住民と疎遠になり壁を作りがちな今の社会だからこそ、人に寄り添い進む道を一つの家族から学ばされました。
佳い映画です
老境の母と50歳になる息子は二人暮らし。母は占いで生計を立てていて、息子には知的障がいがあり、福祉作業所で仕事をしている。母は作業所からの勧めもあり、息子をグループホームの生活へ移す。
映画はこの親子と、隣家へ越して来た三人家族、ホームと作業所の人たち、地域の人たちとの関わり(良いこと、良くないこと)を綴っていく。
加賀まりこは好演、塚地武雅が名演していて、他の役者(特に三人家族の森口瑤子、渡辺いっけい、斎藤汰鷹)も揃って上手い。
登場人物を「嫌な人だけど、本当は善い人」という、観客を安心させるような設定で済ませない話なのも好感した。
ともすると陰湿な出来事にしかならない挿話を、明るくカラッとした笑いで強弱をつけていて、リズム良く進めた演出、脚本には感心するしかない。
特にラストシーンは正に爽やかで、オープニングにも登場する(タイトルにもある)梅の木が、丸で異なった意味を持つように見えた。
今年封切りの映画で、最良の作品の一本と思う。
桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿
2021年映画館鑑賞100作品目
11月28日(日)イオンシネマ石巻
1000円で鑑賞
和島香太郎監督作品初鑑賞
加賀まりこ主演映画という珍しさにも釣られて映画館で鑑賞
往年の大女優でありながら意外にも主演は1967年『濡れた逢引き』以来54年ぶり
同じ歳くらいで今でも主演作が殆どの吉永小百合とは対照的
実質的には塚地武雅とのW主演だが加賀まりこに花を持たせたのか彼女の単独主演という形になっている
彼の主演作なら2013年公開の『げんげ』以来だった
ほのぼのとしたヒューマンコメディー
山田親子の物語
母珠子は高齢の占い師
中年で自閉症の息子チューさんこと忠男と古い一軒家に2人暮らし
散髪どころか髭剃りも爪切りも母親にやってもらうチューさん
庭から梅の木がこれでもかとばかり枝を伸ばし通りの妨げになっている
チューさんが幼少の頃に家を出て行って戻ってこない父親が植えた木で彼からすれば父親代わりのようなもの
枝を切ろうとすれば奇声を上げて抗議するのではみ出た枝はそのまま伸ばし放題
起床から時間通り分刻みのスケジュールを押し通す頑固で几帳面な性格のチューさん
住宅地で何故か乗馬クラブを営む今井家で飼っている黒いポニーがお気に入り
自閉症などそういった人たちが働く職場でケーキを入れるような小さな箱を組み立てる作業をしている勤勉な労働者
チューさんが誕生日にケーキの火を消す直後にぎっくり腰になったことがきっかけで高齢ということあり珠子はギブアップ宣言
チューさんのような大人の男性たちが共同生活をしている近所のグループホーム『さくらの家』に預けることに
花嫁をもらうには母と二人暮らしは良くないと説得されたせいか意外にも引っ越すことに同意したチューさん
転居してしばらくたった日の夜に湯上がりの一杯を飲み損ねたチューさんは外出し自販機で牛乳を購入
そこに実家の隣に引っ越したばかりでチューさんと仲良くなった里村家の小学生長男に誘われて夜間の乗馬クラブに侵入
ポニーを馬屋から出して敷地の中を連れて歩いていたが乗馬クラブに見つかりポニーは脱走
長男は逃走しチューさんは捕まってしまう
夜に散歩でもしていたのか町内会の会長(広岡由里子)はポニーに驚き転倒し怪我をしてしまう騒ぎに
これを機に不満が溜まっていた近隣住民はグループホームへ大々的に抗議活動を始める
そんなわけでチューさんは早くも実家に戻ることになる
山田家は謝罪に来た里村親子3人を迎えお帰りパーティーを開催する
そんな話
渡辺いっけい演じる里村家のパパ茂が枝に当たるシーンが地味だけどおかしい
わりと人にあまり好かれないタイプを演じることが多い渡辺いっけいは私事ながら10歳近く離れた2番目の妹にもたいへん嫌われているのでそのせいか感慨深い
そのほか笑えるところ多し
年配な方々がちょくちょく笑っていたのでネットに蔓延る気難しい評論家でなければわりと楽しめるんじゃないか
かまいませんの件でチューさんにおかえりと声をかける珠子のシーンでホロッとさせる名演技の加賀まりこ
作品が77分と短いし足りない部分は各々が想像すれば宜しい
グループホームの経営者役に林家正蔵
グループホームでお世話をしている中性的な介護士役に北山雅康
グループホームに住んでいる障害者の1人に徳井優
グループホームの隣に住んでいる住人役に鶴田忍
占い師珠子に相談にやってきた客の1人に真魚
山田家からはみ出した梅の枝から落ちた梅を台所ですり潰す最中に梅を拾ってきた里村家長男とのやりとりするときの珠子の喋り方が好き
台本通りにやらないと激怒する倉本聰先生に台詞変更を注文するような大女優加賀まりこ主演作を堪能できて良かった
チューさんがビールを飲むシーンは『しあわせの黄色いハンカチ』の高倉健以来の細かい芝居の技巧派塚地武雅
邦画好きとしてはわりと楽しめた佳作
短すぎて物足りない感じもあることはあるがそれでも腹八分
映画に社会性とか高尚なものを求める理屈っぽい左翼にとっては不満タラタラだろうけどなんと言われようが自分は合格点をあげたい
あと塚地武雅の武雅をむがと読むことを初めて知った
ほっこりとした話だが・・・
山田珠子は家で占い業をし、自閉症の息子・忠男と暮らしていた。庭に生えている梅の木は枝が敷地を越え道にまで乗り出して通行の邪魔をしていた。隣家に越してきた里村茂は、邪魔な梅の木と予測不能な行動をする忠男を疎ましく思っていたが、里村の妻と息子は珠子と交流し仲良くしてた。珠子は自分がいなくなった後のことを考え、知的障害者が共同生活を送るグループホームに息子を入れることにしたが、環境の変化に戸惑った忠男はホームを抜け出し・・・という話。
ほっこりとした話だが、そんなに大きな問題が起きる訳でもなく、何も解決しないままの結末で、あれっ、ってなった。
もう少し進展が有っても良いように思った。
加賀まりこと塚地武雄は上手かったし、隣人の森口瑤子も良かった。
人生はまだまだ続きます!
あの家はどうなるんでしょうね?
グループホームにするには敵が多すぎるような…
隣人家族とは打ち解けて安心しましたが…
結婚願望のある彼は、果たして成就出来るのか?
出会いすら無かったですもんね💦
桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿。
彼の父親のためにも、敢えて梅を切らない選択をしている母親と、実はその気持ちを本能で理解していそうな息子。
その優しい心根が、地域住民全員に伝わることを祈ります♪
【"桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿" 人の異なる個性を尊重しようよ! 加賀さんと塚地さんの親子愛の姿も印象的な作品。】
- 珠子(加賀まりこ:こんなに、優しい表情の加賀さんは久しぶりである。)と自閉症スペクトラムで、時間にキッチリした(6時45分キッカリ起床、7時キッカリに朝食、19時キッカリに夕食。)忠さん(塚地無我:演技上手いなあ・・。特にこの役は適役である。裸の大将みたい・・。)は
"このまま共倒れになってしまうのかね"と母、珠子が呟く中、仲良く暮らしている。
そして、隣に三人家族が引っ越して来て、小さな小波が起こり始める・・。-
◆感想
・加賀まりこさんと塚地無我さんの親子の描き方が良い。
- 廃品回収の"どんなものでも構いません・・。"と言うセリフを”おうむ返し”に言う忠さんの言葉に、ハッとする母の表情。息子の髪や髭、爪を切る母の愛おしげな表情。-
・一度は、忠さんをグループホームに入れた母の一人で寂しく夕食を取る姿。
そして、忠さんの責任ではないのに、地域住民と揉めてしまって、戻って来た息子を嬉しそうに迎える母の姿。-
・グループホームを運営する人たちの優しき姿と、彼らを毛嫌いする地域住民の姿。
ー けれど、悪人は一人もいないんだよねえ・・。夫々の立場でモノを言っているだけなのだけれども・・・。
乗馬クラブの責任者の女性(高島礼子)に対して、珠子が笑って言う言葉
”お互い様でしょう・・”-
<隣に引っ越して来た夫婦(渡辺いっけいと森口瑶子)と息子とも、忠さんと母は良好な関係性になり・・。
夫婦の関係性も又、好転していく・・。
此れから忠さんたちは、イロイロ大変になって行くのであろうが、何だか希望が感じられるラストも良い。
加賀まりこさんの"普通の演技"が、ジンワリと染みた作品である。>
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