「加賀まりこの晩年の代表作になるのではないか。知的障害の息子と彼を50歳近くまで女でひとつで育て上げた母親との波風は起きても愛しい日々。」梅切らぬバカ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
加賀まりこの晩年の代表作になるのではないか。知的障害の息子と彼を50歳近くまで女でひとつで育て上げた母親との波風は起きても愛しい日々。
①答えを出しにくい問題に綺麗事な安易な終わらせ方をするのではない描き方に好感が持てる。②題名は何の事?と思っていたら、開幕早々に加賀まりこの口から説明があって成る程と。良い花や大きい実を成らせる為に余計な枝を剪定するのは当たり前であっても、人間に置き換えた場合マイノリティーであるからと言ってマジョリティーの為に切り捨てていいの、という作品の底にあるテーマと繋がっている。③50年近く障害のある息子を育ててきた苦労(それは大変だっただろう)を見せない明るさ・強さ、それでも決して片意地張っている訳ではない自然さ、は加賀まりこのからっとした存在感あってこそだと思う。④塚地は芝居していると感じる部分は所々あるものの、障害があっても周りで起こっている事、周りの人の言動に無関心な訳ではなく、その時々の状況で涌き上がる(障害のため言葉という形には出来ないけれども)感情を顔の表情だけで理解させる演技力には感心した。
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