「良くも悪くも。」機動戦士ガンダムSEED FREEDOM zpediaさんの映画レビュー(感想・評価)
良くも悪くも。
束の間の休息に鑑賞した劇場版SEED。
公開1週間でおもちゃの筋からガンガンネタバレがあり、内容は分かりつつも当時の世代として見届けたいとスケジュール。すでに封切りからひと月以上経ち、家族で観に行ったパウパトに劣後したSPY×FAMILYはさらに鑑賞順位を下げた。アマプラで妻と深夜に観たいが、そんな暇はいつやってくるのだろう。
MOVIX。今日は1人なのだからと余裕を持って入館し、奮発してフライドポテトとカフェラテを購入。特典のためにシアター前に人が並び始めるので、そそくさと最後尾へ。後ろの男子学生?がナラティブ公開初日との盛り上がりの違いを早口で語り合っていた。わかりみ。
開幕。西川さんのfreedom。地球を背景にtkサウンドで、ガンダムらしさを感じた。パースに無理のないフリーダムが新鮮で、ファフナーhaeの衝撃を思い出した。アレは劇場版制作からエグゾ、ビヨンドときれいに締め括った作品で、本作にも淡い期待をした。
陸戦に移るとうって変わって画面が暗くなる。MSは重厚に動いていて、UIの目新しさもあり、アレ?ハサウェイ?と思ったけども、消し飛ぶ市民を見て、SEEDだなと感じた。
そこから、佐橋俊彦先生のかっこいいBGM、ケレン味溢れるMS。バンクのないSEEDアクションは贅沢で、これらの点はSEEDの良さが引き出されてると思った。
一方で特に前半、キャラの心の動きや解釈に頭が追いつかず感情移入しにくいロマンスはなんとかならなかったか。また、後半にかけて小物くさい小物キャラ、なにかと目につくオマージュにオマージュ、インスパイア、ギャグ。サービス精神旺盛で楽しめたが、メタ的なライブ感で走っていたようにも見えた。これらの点はdestinyの悪いところが出ているとも言える。ただ、徹底してdestinyで非難されていたところはフォローされていて、あの頃の溜飲は下がったと思う。
何年越しの完結編?劇場版に、ついついユニコーンやシンエヴァと比較してしまうのだが、個人的にはあそこまでのカタルシスは得られなかった。
あの頃の中高生の時分なら観られたけれども、もう次の世代に託しつつあるおじさんは世界観に入り込めない。
おじさんは揚げ物をあんなに食べられない。それどころか必死に子供のお迎えをして妻の帰りを待ちつつミールキットを捌いている。愛されるからこそ愛するからこそ最低限の働きはしなければならないのだ。
……SPY×FAMILY観ないと。