「僕たちの日々騙し、愛」ニワトリ☆フェニックス ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
僕たちの日々騙し、愛
前作は3年くらい前にTSUTAYAで気になってぼや〜っとレンタルしてぼや〜っと見た記憶があります。
続編というよりかはパラレルワールドな感じで作られた今作、正直映画としては厳しい作品でした。成田凌さんと井浦新さんのファンに向け、その上かなた監督のやりたい事を詰めまくった暴れ散らかし映画です。
旅の道中に様々な物事に巻き込まれるのですが、その一つ一つのイベントがラリってんのかってくらい禍々しく、そして奇天烈で、それでいて面白くないという根幹から致命的です。序盤の農家ラップも変に映像に色をつけたりしたせいで集中できず頭がとっ散らかりますし、ボッキ虫とか伝統だとかをバーで聞くシーンなんか恐ろしくテンポが悪く、胃がモゾモゾしますし、チャンピオンを語るヒステリックなやり取りを見せられて頭ポカーンですし、もう映画としての体裁がなってないなと思ってしまいました。自己満で作っているのが透け透けです。ただ、小さな劇場を運営しているお爺さんの話はありがちながらなるほどなぁと感じましたし、火の鳥を燃やすシーンは叙情的で綺麗でしたし、基本的に主演2人がドライブしているシーン×美しい自然の組み合わせは最高でした。
今作の一番良いところは沙羅マリーさんが歌う主題歌の「ありがとう」です。予告が流れている時にちらほら聞こえたサビがもう心地よかったのですが、これがエンドロールになると今までのハチャメチャだった部分は吹き飛んで、2人のドライブの様子だけが頭の中に浮かび、夕焼けをバックにこの曲が流れてしみじみしてしまいました。サブスクでこの曲を聴きまくっています。この映画最大の収穫です。
演者の演技は全くを持って光っていませんし、急に綺麗話に転換しても、前半の暴れっぷりのせいかやや白けた目で見てしまいました。映倫指定が特にないので前作よりも色々抑えているのかなと思いましたが、寧ろ変に尖った作品になってしまいました。次回作作ろうとしているんですかね…。パラレルワールドのパラレルワールドとかもうパラドックスですよ。南無阿弥陀仏。
鑑賞日 4/27
鑑賞時間 20:25〜22:15
座席 C-11