グレート・インディアン・キッチンのレビュー・感想・評価
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すごかった
冒頭の結婚式を終えた直後からすぐにストレスがマックスになったのだけど、義母がいなくなってからさらにストレス倍増で、特にじいさんに「自分でやれよ」とスクリーンに向かって叫びたい。旦那が全然配管の修理に連絡をしてくれないし、そういうのは自分でやってはいけないのだろうか。親戚がみんなでSNSを監視してるのもたまらない。テーブルに食べかすをおくな。インドの主婦は奴隷で、それが当たり前にまかり通っているようだ。
こうしてこの映画の問題に真正面からムカつくことができるのはオレが妻レベルで家事をしているからだ。もしインドの男のようにふんぞり返っていたらいたたまれない気持ちになる。 近年増えている、「女性に対してエロい男はNG」映画ではいたたまれない気持ちになるのだけど、このテーマなら奥さん目線でムカついて、だからこそ汚水を飲ませたりぶっかける場面では本当にすっきりできる。まだ2月だけど今年最高のすかっとする場面かもしれない。
日本人には真の意味で理解出来ないんだろうけど・・・
逆に言えば、現在のインドのリアルな姿を描いた作品だということだと思う。(もちろん、フィクションではあるのだが)
始まって一時間超はひたすらキッチンをはじめ、家事のシーンが続く。正直、冗長でつまらない。
ただ、インドの既婚女性の実相を知らしめるために必要な部分だと制作側は思ったのだと思う。
その姿はさながら性的サービス付きの住込み家政婦のよう。
ラスト20分の家を飛び出してからの流れは『こうなってほしいなぁ』という期待どおりの展開でスッキリする。いつの間にか物語に没入していた証左でもあり、そういう意味では、なかなか上手い構成だと感心した。
冒頭、本作公開のために尽力してくれた沢山の人達の名を綴って謝意を表しているが、それだけ、本作を世の人たちに知らしめたいという製作陣の熱意が乗り移ったかのような、ラストのダンスシーンは圧巻。一糸乱れぬ集団ダンスはそれまでの流れとのギャップも相まって、爽快感を覚えた。
日本のおじいさん達ウザイと思ってたけど、インドはもっとヤバい
男たちヤバい、周りの女達もあれを容認してるとかヤバすぎる
女の人は自分がお嫁に来て疑問に思った時だってあったと思うんだけど、昔から皆んながやってきたことなのだから、と気持ちを抑えることが何故できたんだろう??
しきたりをまもってどんなひとでも
旦那さん 悪いのは自分じゃなくお前だって思わせる話法
きもすぎる
実家の父親思い出しゲーっとなる
飯、お茶、自分でやらない
夏は上半身裸で、テレビが1番よく見える席にずっと座ってる。お母さんに納豆かき混ぜさせたり
【インドに蔓延る(我が国はどうか!)、男尊女卑思想をリアルに描いた映画。まるで、ドキュメンタリー作品のようである。インドの男性諸君(及び日本人男性諸君)、もっと女性を敬えよ!女性は菩薩なんだぞ!!】
ー 近年、インド映画は、リアルなインドの実情を描いた作品が多くなってきた事は、周知の事実である。私が、今作と似たテイストを感じた作品は、
・「あなたの名前を呼べたなら」
・「めぐり合わせのお弁当」
・「パッドマン 5億人の女性を救った男」
・「マダム・イン・ニューヨーク」である。
いづれも、女性の自立、自律や、置かれた立場の低さを女性自身が覆す姿を描いた見事な作品である。-
◆感想
・今作では、主役の女性を含め、個人名がほぼ出て来ない。
”これが、インドの実情です”と言う、制作陣の想いが伝わって来るようである。
・カースト制度の上位にいる先進的な女性が、格式高き家の男性に見合いで嫁ぐところから、物語は始まる。
- インドには、何度か仕事で足を運んだが、カースト制度の凄さには驚いたモノである。特に不可触選民とカースト制度の最下層に所属する人々の姿には、絶句した。
今作の新婚の男女はカースト上位の人々である。それなのに、あの新婦に対する扱い。-
・最初、男は新妻に優しいが、徐々に旧弊に侵された思想が顔を出してくる。それは、男性の父親も同じだ。
・男性は、食事の支度をしない。後片付けもしない。掃除もしない。洗濯もしない。
- 男の父親に至っては、”当たり前のように”優しい言葉で、”私の衣類は洗濯機を使わないで。傷みが早くなるから・・””米は炊飯器ではなく、蒸し器で炊いて”と新妻に頼む。ー
・男性達の食事をした後のテーブルの汚さ。新妻は、黙々と片付ける。
- だが、男は外で食事をする際には、食卓を汚さない。それを指摘した新妻に怒りを向ける男。こんな輩が、女子生徒の先生をしている・・。-
・男は、新妻の依頼”台所の配管の穴が開いているから、業者を呼んで・・”と言う言葉にも生返事。
・新妻が生理になった時の、男の接し方の変化。身体に触らせない。部屋に閉じ込め、叔母さんが代わりに新妻の仕事を引き受ける。この叔母も、旧弊的な考え方に支配されている。
<インドの男尊女卑思想を、リアリズム溢れる映像で見る側に伝える映画。
ラスト、新妻が、台所の配管から漏れた水で、お茶を淹れるシーン及び、その水を夫と舅にぶちまけるシーンは爽快であった。
あんな家に居て、人生を無駄に過ごす必要はないよ。
念願だった、ダンスのコーチになった女性の別人のように輝く表情が印象的であった作品である。>
かつて日本にもあった家庭の風景を見ているよう
タイトルとポスターから幸せな夫婦の生活を描いていると思って鑑賞すると面食います。
女性に対しての差別が凄まじいインドの姿を目にする作品でしょう。
高位カーストの男女がお見合い結婚をし、一息つくまもなく翌日から“家事労働”が始まるところなど「この世界の片隅に」とよく似ています。夫婦の関係性の行く末は全く異なりますが。
※↓以下ネタバレです。未見の人ご注意を!
包丁がリズム良くまな板を叩く音
フライパンにジュワーっと勢いよく跳ねる油
クツクツと鍋が煮る音
彩り良い野菜に、手際良く作られていく美味しそうな料理
見ているだけでスクリーン越しにスパイスの良い香りが漂ってきそうな料理のシーンが沢山映し出されます。
こんなに手の込んだ料理を毎日妻や義母が作り、キッチンを使い終わった後も隅々まで綺麗に片付けて掃除を。広い家の床を拭き掃除して、生ゴミや汚水の処理をして何度も何度も手を洗います。
その間義父や夫はスマホやテレビを見たり、ヨガをしたりと優雅な時間を過ごしています。一番驚いたのは義父です。「ご飯は釜で炊け」「洗濯機を使うと衣類が痛むので手洗いしろ」と。さらに驚くことに、歯ブラシさえも嫁や妻に持って来させます(私なら歯ブラシ投げつけるわ)。ふざけるな!と。極め付けには、食べかすをテーブルに散らかすなど(家のルールらしい。しかも外食時はしっかりマナー守っとるやないかい!)これには呆れ果てて空いた口が塞がりません。
重労働と呼ばれるような家事が終わり、疲れ果ててすぐにでも寝たいのに、寝室に行けば、愛もない前戯もない夫の下手くそなセックスが待っています。もう、人権なんてあったもんじゃないです。こんなの奴隷じゃないか!
結婚=奴隷契約、台所に女性を閉じ込めて自由を奪う。鎖に縛り付けて家から出さない。
でも、これってちょっと昔の日本の風景とも似てとれる。私が子供の頃に見た祖父母もこんな感じで、親戚が集まったら祖母は主人公の女性と同じようだったような。
決定的に違う点は生理中など関係なく生活できていたところだけど。
インドの宗教的背景や家長制度、ミソジミーを思い知った作品だった。
インドってこんな感じなの?と思っていたら、主人公の女性の友達夫婦は夫が週4料理してくれお茶も淹れて持ってきてくれていた。結局のところ家庭によるのかしら?
お茶ぐらい自分で入れなさい。飲んだコップは洗いなさい。たまーに料理を作ったくらいで料理した気にならないで。
もう突っ込みどころが多すぎる本作に登場する男たちに終始イライラしっぱなしでした。
一つ言えることは、日本に生まれただけでも幸せだと。そして、私は息子には料理も掃除も洗濯も一通りできるように家事の教育を頑張らねばと痛感しました。
最後のダンスシーンからは女性の解放と自由を表している。ダンスの先生になれてよかったね!
。
インドの勉強になる
インドのことをよく知らないので見てみようと思った。インドについて知っていることと言えば、2012年ごろにひどい女性暴行殺害事件があったことだ。それからしばらくインドでは女性のためにマシな社会にしようという人たちが頑張って活動していたような話を聞いてはいたが、結局何が問題なのか、どんな人たちが何をどうやって改善しようとしているのか、などは全然知らない。それで今回、この映画がインドの女性の境遇を描いたものだと知り、見てみようと思った。
映画自体は、インドの新妻=専業主婦の話なので単調なペースで進む。キッチンと題名に入っているくらいだから、キッチンでの作業が中心に描かれる。家の男たちのために毎食、毎日、女たちが繰り返すキッチンでの労働。他の家事や夜の勤めも単調に描かれる。あまりにも静かな繰り返しなので、美味しそうな食事が映っているのに不穏な気分になってくる。こういった繰り返しの中で、日常のふとした出来事から新妻の主人公の気持ちが徐々に変わっていき、女として、自分として正しいことを決断、実行する瞬間が訪れる。
この映画はフィクションだけども、主人公の経験する抑圧や感情は実際に存在するものだろうと思う。というか昭和初期生まれの自分の祖母がこんな感じだったかもしれない、と思ってしまう。「結婚こそが女の幸せ」と言って旦那や長男の尻ぬぐいをし、夜の勤めを誰にも楽しく語ることもなく粛々と遂行し、体を壊しても自分が悪いと思い込み、旦那や息子に先立たれ、今や神か仏かに祈ってばかりの祖母。映画で描かれるほどの抑圧は無かったかもしれないが、女には男ほどの価値が無いという差別の犠牲者なのは同じだと思う。
インドは広いからこの映画を見ただけですべてを学んだとは全く思わないが、勉強になったことは確かだ。個人的なことは政治的なこと。インドであれ日本であれ、一人一人の女の話を丁寧に聞いて、考えていくのが大事だと思う。
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