「インドの当たり前を他がとやかく言うのは……」グレート・インディアン・キッチン らま+たんさんの映画レビュー(感想・評価)
インドの当たり前を他がとやかく言うのは……
決してこの映画の中のことがあるべき姿と思っている訳ではない事を大前提として……
どこの国でも古めかしい慣習に囚われてる家ってあるし、夫婦のあり方や家族のあり方、家でのルールって何が正しいと言えるものではないと思う。
この家で出てくる家に自分が嫁ぐかって言ったら絶対に無理だけど、人によってはとことん家事をこなすことに喜びを感じる人もいるかもしれない訳だし。
一昔前の日本だって似たようなものだったはずなのに、この映画の家に違和感を感じるのはきっと国としてマクロの部分で女性の教育水準の向上や社会進出を容認する一方で、「家」とか「夫婦」といったミクロ的な部分もそれに併せて変化していくように推進しなかった結果、大きなギャップが生じてしまったんだと思う。でもこれって、当事者はみんな自分が正しいと思ってとってる行動であって、別の誰かに押し付けられて「はい、そうですか」と納得して是正されるものでは無いから時間はまだまだかかると思う。
この作品を観て、インド人の男性はおかしい!といってるレビューをちらほら目にするけど、生活様式の違いはあるけど本質的には同じことが日本の家庭内でも普通に起きてる事にも同じように声を上げて欲しい。
日本の主婦/お母さんは、世界一の働き者だと思っていたけど、上には上がいて、インドの主婦/お母さんがさらに働き者だったというお話。
結局は人間と人間の関わり合いなんだから自分と同じように自分以外の人間の事も大切に扱ってあげなければ何事もうまく行かない。
最後に、この映画への疑問。
あんなに大きな家に住む「格式のある」家がお手伝いさんの一人も雇わず奥さんや嫁にすべての家仕事をさせるなんてことあるのかな。