欲しがり奈々ちゃん ひとくち、ちょうだいのレビュー・感想・評価
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追いかけてイイヅカ
2021年公開作品
U-NEXTで鑑賞
監督は『アルプススタンドのはしの方』『愛なのに』『女子高生に殺されたい』『ビリーバーズ』『夜、鳥たちが啼く』『銀平町シネマブルース』『嗤う蟲』『悪い夏』の城定秀夫
脚本は『ひらいて』の首藤凜
コンビニの松山店長と従業員の松山ユキは同姓だけど夫婦ではないというのがミソ
田舎だと同姓なんてよくあること
店長は密かにユキのことが好きだが言い出せず
奈々は店長とユキは夫婦だと勘違い
他人のものを欲しがる奈々の悪い癖が発動し店長と男女の関係に
しかしユキは奈々の父と再婚することとなり奈々は知ってしまう
ユキが結婚することを知りショックで店を無断欠勤し続けてクビになる店長
リーゼントの従業員が店長に昇格
なぜか奈々と元店長のカップル成立?
逃げる奈々に奈々を追いかける飯塚のシーン好き
意外なことにあまり存じ上げないが架乃ゆらはS1からAVデビューした元AV女優
架乃ゆらと並木塔子のヌードあり
脚本を担当した首藤凜自ら奈々の高校時代の同級生として出演
なんでもナインティナインのオールナイトニッポンで矢部が岡村に結婚を勧めたことに「違和感」を覚えたことがきっかけでこの脚本を書いたという
矢部と岡村は高校時代からの古い仲で矢部は岡村を心配しての発言だろうし岡村はそれを理解できているはずだし首藤凜ごときが違和感なんて烏滸がましいにも程がある
「違和感」とは体の不調のことを言う
社会的心理的な違和感だろう
ヤフーニュースには「違和感」絡みのタイトルの記事が多く見かける
僕が子供の頃には耳にしたことも目にしたこともない言葉だ
社会人になっても周りで使うものはいない
東京のインテリとNPBの投手くらいだ
「違和感」なんてなんのことだがさっぱりわからないと生前の関根潤三氏は嘆いていた
「違和感」というワードは嫌いだがその「違和感」からゼニが取れる脚本を書き上げるのだから首藤凜大したものだ
彼女は有能だ
配役
企業勤めをしていたが現在は実家に戻りフリーターをしている若い独身女性で幼い頃から他人の持っているものを欲しがる東村奈々に架乃ゆら
奈々がアルバイトをしているコンビニエンスストアの雇われ店長の松山良行に守屋文雄
妻に先立たれた奈々の逞しい父に稲森誠
コンビニエンスストアの昼勤務担当で良行とは同姓だが妻ではない松山ユキに並木塔子
リーゼント頭に口髭を蓄えたコンビニエンスストアのアルバイトで奈々の先輩の藤村寛に宮川翼
不倫が原因で妻と離婚&鳥取左遷になってしまうも不倫相手だった奈々を諦めきれずしつこくん追いかける飯塚に山本宗介
奈々の高校時代の友人でギャルのエミカに橘寿梨愛
奈々の高校時代の友人の女子高生に首藤凜
面白かったです
自宅で動画配信サービスを利用して視聴しました。
めちゃくちゃ正直に言えば、見る前は主演が架乃ゆらさんということで、セクシーなシーンが見れれば・・・、ぐらいの気持ちでした。ですが、鑑賞中は「こんなに長いベッドシーンいらないな」と思える位にはストーリーが面白かったです。
奈々のような考えの女性が近くにいたら、周りの女性はたまったもんじゃないでしょう。でも現実にもいそうですよね。奈々と関係を持つ店長も嘘をついていたわけですが、なぜかなんとなく憎めないです。また、時折現れる飯塚はいい形で一服させてくれるなと思いました。
昔の家族写真など低予算で合成もいいとこという感じですが、その低予算感もあるのか日常感が醸し出されていたように思います。
この監督の別の作品も見てみたくなりました。
もひとつ足りない。
ポレポレさん「梅雨の城定祭り」の2本目です。初お披露目ってことで期待して鑑賞です。
ラブストーリーなんですよねー。ピンク映画ですけど。ちゃんとラブストーリー。屈折してるけど(笑)人のものだから欲しくなっちゃうなんてやっぱ変則だよなぁラブストーリーかな。十分エロくてナイスなピンク映画なんですが、本気のスイッチが入る理由がよくわからんかったなぁ。まぁ性癖なので理由を求めるのはおかしいのですがね(笑)
ただ、理屈屋の僕としてはそこにドラマを求めちゃうんですよねぇ。そんな性癖(嗜好の方が良いのかな?)の奈々ちゃんの結末についても「なぜ?」があって。やっぱり納得感が少なかったかなぁ。
面白いコメディであることは確かなんですがね。
人の物が欲しくなる奈々ちゃん
演技しないのに物語りを引っ張ってると言う衝撃
それが監督の策略と言うか、狙いだと言えば、それまでですがw
架乃ゆらちゃんはセクシー女優。川上奈々美ちゃんと同じです。
でですよ。この2人の共通点が「カメラの前での自然なふるまい」。演技が上手いとか下手とか、そういう次元の話じゃ無く。いや、多分、下手に「演じようとしない事」が出来るって言うのか、ものすごく自然にしゃべるんですよ。
例えば、若手演技派の旗手と言えば、芳根京子ちゃんだったりしますが。彼女は、ちゃんと演技しますもん。もちろん成り切って演技するんだと思うんです。映画的には、そっちの方が物語として自然に見えるでしょうから。
架乃ゆらちゃん、最初は酷いですよ。ただの芋女優です。なんじゃこりゃ?って、正直思いました。ところがところが。最後の方なんか、気づけば、どえらく自然な表情と物語りにドンピシャな語感で、ものすごく自然に話してるんです。カメラの前で自分をさらけ出すと言う点では、セクシー女優さんには敵いまへんもんねぇ。ものすごく味があって良かったです。
物語りは、脱力ピンク・コメディからのホンワカ系ハッピー・エンドと言う、ある意味「未体験ゾーン」。店長と奈々ちゃんの関係の変化は、セックスシーンの赤裸々があってこその説得力。
なんか、これ好きやなぁ、マジでw
なんか、みんなだらしなくて。と言うか、人間臭くて。
脚本の首藤凛さんは、この後、山田杏奈さん主演で「ひらいて」を撮ってます。でね、思ったんですが。この映画、主演・山田杏奈で、ピンク極薄めにして、短編40分で撮り切ったら無茶苦茶オモロイのになぁ。とかね。
面白かった。かなり。
まさに入門編、マイルドでエロい滑稽な人間模様
初ピンクVシネ。面白かった!エロスの中にある人間の滑稽な姿が顔を覗かせる。その感じが堪らない。
『アルプススタンドのはしの方』が大好きな私にとって、すっかり見逃せなくなった城定秀夫監督。そりゃ過去作も…と言いたいところだが…多い!それもそのはずで、100本以上取っているいぶし銀のピンク映画職人だからだ。ということで、脚本に『なっちゃんはまだ新宿』の首藤凛を迎えた今作を手ほどき代わりに観てみた。ちなみに、今月公開の『ひらいて』の予習も兼ねている。笑
それが何とも面白い。確かに濡れ場も多く、ピンク映画らしさを存分に醸し出しているのだが、そこに滲む人間味が何とも絶妙。首藤凛によるギミックの複合的な組み方が何より引き立っている。そのレシピをもらった城定秀夫はきっと、怒涛の3日撮りで終わらせたのだろう。低予算っぽい端々のポイントも可愛く思えてくる。また、カメラワークも熟練のもので、濡れ場でも映らないようにシャツを積んでみたり、テーブルを使ってみたり…創意工夫も随所にあった。そこも普通に感心してしまった。マイルドな作風と謳われているだけあり、癖なく観やすかった。
そして、群を抜いて他とは違うと感じさせるのは、漂う人間味である。それがピンク映画の良さなんだろうと思った。バイト先の店長は優しいけど不倫を拒まない(理由はあるが笑)し、店員の藤村の品出し裁きは半端じゃない。さらに、元カレも走る走る!みんな強烈で伏線回収も上手い。だからか、70分しか観てないのにどのキャラにだって愛着が湧く。その中でも本作の主演である架乃ゆらは、本業がAV女優なだけあり、濡れ場の空気感がまるで違う。上手く作品の幹を太くしつつ、キャッチーでズレたキャラクターを演じている。しかも、それでいながら意外と普段は声が低いというギャップも何か良い。
一見さんお断りでハレンチなモノばかりなイメージから煙たがられるピンク映画。しかし、男性だけという感じではなく、女性も楽しめるようなユーモアとアイデンティティが詰まっていると感じた。それは首藤凛による女性的な視点も入っているのかもしれないが、かなり優しい仕上がりだ。まさに入門編。良い体験をした。
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