「公務員批判の中で、懸命に動く児童福祉司」189 chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)
公務員批判の中で、懸命に動く児童福祉司
児童虐待に社会の関心が強くなる一方で、虐待対応に動く児童相談所の職員は疲弊している
児相ができる計画に反対する住民運動が渋谷で起こってから久しいが、こどもを巡る政策が選挙公約とされる一方、現場の職員配置は増やされず、また法的な権限も与えられないまま、保護者と接触するための長時間の「張り込み」や、「親」からの罵倒、 児相は丸腰で現場の職員の「善意」「理想」「熱意」でなんとか持ちこたえているところもあるだろう 先に公開された「護られなかった者たちへ」で描かれた生保ワーカーもケースワーカー1人あたり100近いケースを持たされながら、「不正受給」が明らかになると、こぞって福祉事務所批判が繰り返される
あの「批判」はどこに向いているのか、人の増員もしてもらえない現場の職員をたたけば、「善意」「理想」「熱意」で頑張っている彼らをますます追い込んでいき、職員同士の連携で維持されているこどもを守る取り組みが、「連携」を崩し、自分の業務だけを遂行するサラリーマン化していく懸念がある そして疲弊した熱意のある彼らがやめて行けば、サラリーマン化した職員ばかりとなり、子どもを守るノウハウが蓄積されず、場当たり的な対応となっていくだろう 役人批判、公務員批判は、学校の先生方も浴びているが、本当はどこに批判を向けるべきなのか、考えました 一時保護所、乳児院、児童養護施設で傷ついた子どもたちを支えている職員さんもです
虐待する父親を演じた吉沢悠さん、数年前和歌山を舞台として全盲の虐待を受けた子どもを支えた理容師役を演じた「ちょき」、今回真逆の役でしたが、大変よかったです
(12月5日 イオンシネマりんくう泉南にて鑑賞)
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