劇場公開日 2021年9月3日

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「ミスキャストだとかんじた」モンタナの目撃者 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ミスキャストだとかんじた

2022年6月13日
PCから投稿

山火事消火作業中、判断ミスで人命を失ったことの罪悪感、そのフラッシュバックにさいなまれている主人公ハンナ(アンジェリーナジョリー)。

あらっぽいWildland Firefighter(原野火災消防士)という設定だがエレガントなジョリーはそれがことごとく似合わなかった。

やせすぎ、ケアした肌つや、長髪、それらに目をつぶっても、庶民の気配が皆無なのは致命的だった。

ストーリーはいままでのテイラーシェリダンにも増して、非情で息詰まるものがあった。ゆえに、なおさらミスキャスト感が突出した。

おそらくジョリーがシェリダンの作品に惚れ込んで──といった出演経緯なのだろうが、演技すればするほど畑ちがいの感がつのった。

ジョリーは難民支援に取り組む活動家であり、さいきんではリビウへの訪問がニュースになっていた。

市井に下野する人だが、しかし、俳優としては万能型じゃない。どこでもオーラがでてしまうタイプ。もちろんそれが有効にはたらくときもある。が、本作はむしろ珍しいほどの違和感だった。と思う。

ならばこれを誰がやればよかったのか、考えた。
条件は・・・庶民の気配がだせること。
華奢(きゃしゃ)ではないこと。
あらっぽい気配が出せて似合うこと。
哀しみを背負っていること。
性根に優しさがかいま見えること。
ひとまわり年下に。

フローレンスピュー
ブリーラーソン
カレンギラン
ヘイリーベネット
前作ウインドリバーのエリザベスオルセンでもよかったと思う。

──とはいえ映画はいい。やはりテイラーシェリダンだった。

この映画の見どころは、山火事と、Wildland(原野)での知恵だろう。
山火事では生き延びるための専門知識が生死をきめる。その、サバイバルの知恵が、悪者に対しても有効にはたらくという筋立てになっていた。と思う。

ただミスキャストにくわえて、いままでシェリダンのなかでも作りすぎなところはあった。気がする。

ラストは少年に一緒に暮らそうと言って欲しかった。養子の示唆があってハグしたら均しても0.3ポイントは上がったと思う。

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津次郎