配信開始日 2021年9月3日

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「高クオリティの現代版シンデレラ」シンデレラ s kさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0高クオリティの現代版シンデレラ

2021年9月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

興奮

幸せ

さすがAmazon。
この時代ならではのシンデレラを見事に作り上げた。
今回は吹替で鑑賞したが、ラップ以外の歌唱シーンは字幕の仕様なので、年齢的に小学生以下の子には少し敷居が高いかもしれない。まぁ、まずはディズニー版を見て、本筋を知った上でのポリコレアンサー映画とも言えるので、これから見せるのは如何な物かとって感じですが…。

物語は、シンデレラの流れを汲みつつ、
現代的な価値観、女性の自立、真実の愛を語っていく。

もともとのシンデレラの価値観に対して、女性を選ばれるだけの存在として描くのはどうなのよー、と度々言われる論がある。いや、昔の価値観だし、それはそれじゃないかなぁと思っているのだが、そんな価値観に真っ向からぶつかった作品と言える。

またオリジナル曲もさる事ながら、人気の近代ポップスを取り入れたミュージカルとなっている。
エド・シーラン、マドンナ、クイーン、アースなどなどの、日本でも一度は聴いたことのある曲のオンパレードなので、曲を聴いているだけでも楽しいし、その曲をしっかりと物語に組み込み、ミュージカルとして確立している所が素晴らしい。
流石ケイ・キャノン、ピッチパーフェクトの頃から、曲と物語を編み込むのがとても上手い。

主演のカミラ・カベロも魅力的だ。
コロコロと変わる表情やキレッキレのダンスは、彼女のスター性を存分に引き出している。
何より継母役のイディナ・メンゼルは流石の歌唱力。エルサの頃からの歌唱力を実写シーンで見れる事がなかなかに嬉しい。

各所で話題になっているファビュラス・ゴッドマザーのビリー・ポーターだが、個人的にはクレヨンしんちゃんの映画「ヘンダーランドの大冒険」に出てきたオカマ魔女を彷彿とさせ、めちゃくちゃ面白かった。
まぁ、どう転んでも批判になりそうな立ち位置のキャラクターだが、何故か説得力のある演技に「これはこれでアリかも」と思わせてくれたので、凄いなぁとしか言えなかった。

ラスト付近の展開で若干の描写不足が否めない所もあるが、
近年の映画でここまで後腐れなくハッピーになれる映画はなかったかも知れない(その点だけで言えば、モルカーと良い勝負かも知れない)

シンデレラを知っている方には、こんなシンデレラだって良いじゃないか。と、強く勧められる。そんな作品でした。
是非アマプラで見て欲しい。出来れば良い音響で!

※ジェームズ・コーデンがネズミの内の一匹を演じていて、個人的にはツボでした。米コメディアンの表情はパワーあるなぁ。

kou-suke