「末永く続いて文化を継承してほしい」〈主婦〉の学校 頼金鳥雄さんの映画レビュー(感想・評価)
末永く続いて文化を継承してほしい
「いまどき主婦の学校?花嫁学校?」
予告編の冒頭を見たときにぎょっとしましたが、男性(卒業生)が登場して興味がわきました。ドキュメンタリーを映画館で見るのは初めてでしたが、最後まで興味深く鑑賞しました。
映画は現在の学校への取材と、過去の記録映像、卒業生のインタビューを織り交ぜながら進みます。ここを出ても何か学位や資格が取れるわけではなく、生きるための基本的な家事・テーブルマナー・人にふるまう料理を学ぶという感じです。志望動機は人それぞれのようですが、「専業主婦になる」という目的の人は映画の中には登場しませんでした。
字幕以外のテロップは無かった気がするし、料理の説明などもありません。その中でソーセージのようなそうでないような料理が気になりました。検索したところ、内臓のソーセージ 「スラウトゥル」というもののようでした。それを見て、この学校は「文化の継承地」としても機能しているように思えました。
ロハスなカフェやインテリアに憧れている人はこの学校ですべてを学べそうです。(アイスランドの言葉が理解できれば)
ここを卒業した男性は、パートナーに家事を丸投げして喧嘩や離婚になることもなさそうです。恩師と楽し気に会話しながらアイロンをかける卒業生を見るとそう思います。できあがった洗濯物をカメラに見せるときの誇らしげな顔が素敵です。
先生も生徒も生き生きしているように感じます。特に校長先生がとても良いお顔です。豊かな人生経験が現れていて、自分もこんな風になりたいと思いました。
映画を一度見ただけの記憶なので不確かかもしれませんが、この学校は開校日の一か月前に継続するかどうか決まるそうです。おそらく国や自治体の援助で運営されているからでしょう。(全部自費だとするとものすごい学費になると思います)
とても素敵な学校なので末永く続いてほしいと思います。