ー 兵庫県尼崎市の小さな商店街にある”小林書店”が舞台。売り場面積は10坪だそうである。店の中には、漫画は新刊本が少しだけ。その代わりに傘が沢山売られている。ー
■感想
・小林さんご夫妻の会話が、心地よい。特に旦那さんが奥さんである由美子さんに話す丁寧語が。
“ステキな女性だからね。昔から丁寧語です。”
ー 優しい旦那さんの性格が良く分かる。妻を大切にしている気持ちを素直に口に出来る男性はどれくらいいるだろうか。ー
・旦那さんは、脳梗塞の影響で左半身が不自由だ。それでも、毎日届けられる雑誌を束ねてあるテープを取り、苦労されながらも仕事をしている。
・由美子さんも、一冊の雑誌、漫画を近くの喫茶店や、美容室にわざわざ歩いて、届けている。
ー 配達する、店との関係性も大切なんだろうな・・。ー
・小さな本屋でも、毎月段ボール箱4箱もの返品がある。著作物再販制度の実態が伺える。知識としては知ってはいたが、実際に見るのは初めてである。
ー この制度が、町の小さな本屋の数を激減させている一因である事は、間違いない。勿論、amazonの存在や、大手書店にしかベストセラー本が入荷しないという実態もある事は、承知している。ー
・旦那さんが、脳梗塞になった後、本を届けられなくなり、それを惜しむ町の人達の話を笑顔でする由美子さんの後ろで、申し訳なさそうに俯きながらその会話を聞く旦那さんの姿。
ー 肩が震えているように見えたのは、私だけであろうか。
皆、キチンと仕事をしている人には優しいのである。ー
□ビブリオ・バトルのシーン
・全く知らなかったが、5分間で自分のお勧めの本を紹介し、一番読みたい気にさせた方の勝ちという、京都大学で始まったという、素敵な本のプレゼンゲームである。
これ、ヤリタイデス。やらせて下さい。自信あります・・。
・小さな本屋では、色々なイベントがこじんまりと行われている。そして、そこで、知らない人達の交流が始まっている事が描かれている。
<シャッター商店街になりつつある商店街のなかで、小さな本屋”小林書店”には、人と人を繋ぐ温もりがあった。
そして、真面目に仕事をするという事は、どういうことかを今更ながら、学ばせていただいたドキュメンタリー映画でありました。>
<2021年9月18日 刈谷日劇にて鑑賞>