劇場公開日 2023年3月18日

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「個人的にビンゴ!」郊外の鳥たち masayasamaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0個人的にビンゴ!

2023年3月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

タルコフスキーがスタンドバイミー作ったらこんな感じかな?この監督チゥションの長編一作目だそうです。
個人的にズームの多用は少し鼻についたけど世界観は好きだ。次回作楽しみ!

地方の新興都市(監督の故郷、杭州)地盤沈下を調査する測量チームの1人が主人公で、廃校で自分と同じ名前の子の日記を見つける、、、。
以降マルチバース、並行世界的に話は進む。
子供の仲間達と測量チームもわざと被る様にキャスティングされているが、同一人物なのか、過去なのか、未来なのかもあやふやで、時々望遠鏡の向こうや、噛んだガムなんかが世界が交差する接点となるさりげないSF感。
測量される旧市街、瓦礫の山と鳥が居る森の中のコントラスト、、絵のトーンは違うけどタルコっぽいと思う。

まあ、失って行く純粋さとか郷愁って、ちゃんと自分のどっかに、または別な次元に並行してあり続けるんじゃないか?ってテーマだと私は勝手に受け取ったけど、、「一体何がいいたいんじゃ!」と怒る人も居るのはわかる。
はっきりとしたストーリーが好きな人には向かない映画です。監督も「真実は映画の外にある」って言ってるし。
中国映画若手代表のビーガンは2本とも観て新鮮だったけどちょっと自分には長過ぎたのよ。だけど楽しみな監督が1人増えて良かった。

関係無いけど20年くらい前、仕事で杭州に一週間くらい居た事がある。地方都市とはいえ結構大きい街で、空いた時間で市場を見学させてもらい地べたに並べてある動くズタ袋(中はヘビ)や、おばちゃんが店先で猫を捌いて売ってる所をさらっと観て捌き方を覚えた、、もちろん撮影禁止。
自宅に帰ってウチの猫達に「オレは君達の捌き方知ってるから言うこと聞くように」と自慢した良い思い出。

masayasama