「完璧を目指したんじゃない。ありのままを認めなかっただけだ」ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3 pipiさんの映画レビュー(感想・評価)
完璧を目指したんじゃない。ありのままを認めなかっただけだ
ロケットはこんなに重いものを背負っていたんだねー。
本作は「泣けた」
MCUの過去作で泣いた事はないし、「銀河鉄道の父」も「ワイスピシリーズ」も一切泣けなかったが、まさかGotGに泣かされるとは思わなかった(笑)
物心ついた頃(1970年代)からスペースオペラやヒロイックファンタシーが大好きだった為、多種多様な外見の宇宙人や亜人間達が酒場や繁華街にたむろしているような世界観は子供の頃から憧れていた。
学生は男子は短髪、女子は髪が肩につかない長さ、または黒ゴムで結ぶのが世の中の常識であり、パーマやカラーリングは「カタギではない」と見做される。マニキュアや口紅は赤やピンクなど暖色が当たり前で寒色系や黒は異様な目で見られたものだ。
そんな時代に、髪の色も様々、外見も肌の色も地球人とは似ても似つかない「様々な人間達」が共存する世界こそが「普通」であって欲しいと強く願っていた。
令和の今、「フィクションの世界」では随分とそれが当たり前になってきた。
GotGまでくると、もうLGBTQだのコンプライアンスだの「一切関係ない」と思えてこないか?
「同質の者」が多い空間なればこそ異質への配慮が叫ばれるが「すべてが異質」となればもはや気にする方が馬鹿らしい。
今回はそこに
「知能の高さも低さも関係ない」
「戦闘能力の高さも低さも関係ない」
「高等生物かそうでないかも関係ない」
という強烈なメッセージを織り込んでくれた!
そうなんだよな。「ありのままの自分」であるというだけで「みんな誰かの宝物」なんだよな!
ドラッグスの知能が低いのは本人の責任ではないし、今回はフィラ達の言葉が話せる事や良き父親としての一面を垣間見せてくれた。
マンティスの戦闘力が低いのは(いや、充分高いのだが。ガモーラやネビュラが異常に高いだけだが)悪い事ではないし、他者の感情に人一倍敏感なのは素晴らしい事だ。
アダムが色々と未熟なのは生まれたばかりの赤子同然だからだ。(実はサノスクラスの超最強キャラです。今後の成長にご期待下さい)
言ってみればハイ・エボリューショナリーの目指す世界はナチスに代表される優勢思想の最たるものだ。
その先にあるのは社会への有益性が低い人間は殺して良いという極論だ。
オープニング曲、RadioheadのCreep(蛆虫)にてロケットがI don’t belong here〜♪と口ずさむ。
この思いは誰でも経験したことがあるだろうし、今現在まさしくそう感じている人の方が圧倒的に多いだろう。
人は誰もが「自分の居場所」を探す放浪者だと思うのだ。
「本物の仲間や家族」にとって、愛する者の生産性なんてどうでもいい。
長所も短所もすべて丸ごと受け入れてくれるのが仲間だ。その場所こそが「家」だ。
Heartのcrazy on youはロケットを狙ってノーウェアで暴れまくるアダムにピッタリだ。
Rainbow のSince You Been Goneでは「君がいなくなって耐えられない」とロケットを救いに命懸けで敵陣に乗り込み、SpacehogのIn the Meantimeで「みんな君と同じ。君のすべてを愛してる」と語りかけ、EW&Fのreasonsでは「あれこれつけてた理由なんてみんな本物じゃなかった」と気付く。
Alice CooperのI’m Always Chasing Rainbowsで虹を追いかけ続けている自分だけど、The TheのThis Is the Dayで今日こそが人生を変える日だと決意する。(飛んでいったのは飛行機じゃなくてピラミッドだったけどw)
そしてロケットはついに自らラクーンと名乗る!
「自分の嫌いな自分」を受け入れた珠玉の名場面だ!
ガーディアンズが結集した時に流れるはBeastie BoysのNo Sleep Till Brooklyn。
「Brooklyn=家=ノーウェア」に辿り着くまで全力で、絶対に倒れないぞ」という意思表明にも聴こえる。
戦いのあと、ロケットが選んだZuneの曲は知らなかったがDog Days Are Overというのだなぁ。
「辛い日々は終わった」と皆が踊るシーン。彼ら一人一人が抱えてきた背景を思えば胸に迫る。
そして GotGと言えば外せないBruce Springsteen。監督が選んだ曲はBadlands。
「日々荒れ地で生きていかなきゃいけない。理解されるまで進み続ける。愛を信じてる。誠実さを信じてる。いつか荒れ地に報われるさ。」
・・・と、知らない曲はスルーでまとめてしまったが他のどの曲も場面にピッタリ合っていて素晴らしかった。新しい時代の曲もサントラ流して覚えようと思う。
ちなみに「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル」を未鑑賞の諸兄あらば是非観て欲しい。
ラストシーン、新聞での「ケヴィン・ベーコン」のネタもわかるし、「バッキーの腕」ネタも楽しめる。
兎にも角にも、3部作の締め括り。
予想を遥かに超えた素晴らしい出来栄えであった。ジェームズ・ガン監督にスタンディングオベーションを贈りたい。
(さて、footlooseでも観るとするかなぁw
スタローンに関しては言及するほどのネタは見つからないなぁ。役どころは良かったです。大御所用ポジション)
pipiさん、コメントありがとうございます。
実は納車が今日14日になりました・・・
タクシー仕様にするため忙しいやらややこしいやらで、映画を観る気が全く失せてしまってました・・・という言い訳。
学生時代ラクーンという原付に乗っていたので、懐かしすぎました。俺も泣けました~
未だに懐メタルよく聴いとります😙YouTubeサイコ~ヤ~
先日の来日ブームにつられてTornado of Soulsをよく聴きがち🎸
IWが好き過ぎてインフィニティ・ガントレットのコミック📘は買いましたが、アダムは映画とは全然違いましたね〜😗
あの俳優さんだとずっと3枚目路線かな〜
補足情報ありがとうございました。
『ホリデー・スペシャル』も見てみたいんですが、私のスマホ(au)からはディズニープラスには入会出来ないようで…。困った事に…。
金ピカ男、そんなに強いんですか…!
今後の登場に期待ですね。