「もはや世界観の大バーゲン」アントマン&ワスプ クアントマニア うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
もはや世界観の大バーゲン
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小さくて、考えも及ばないようなわくわくする冒険が見られることを期待していた。
マーベルの映画は、特殊能力を持つ主人公が危機的状況を見事に乗り越えてくれるのが基本線だったはずだ。
その部分をまるっきりすっ飛ばして、とても幸せそうな日常からスタートする。
映画としてはいびつな構造だろう。キャラクターが多すぎるうえ、特徴どころか起源にも触れられない。そのことは、ヴィランであるカーンにも当てはまる。それどころか、ワスプの母である、初代ワスプのミシェル・ファイファーにも。
それぞれが、まるでスマホを使うかのように特殊能力を使っている。
あまつさえ、スコット・ラングの娘であるキャシーにもだ。唐突に成長しており、ある発明をして、世界を危機に陥れるきっかけを作ってしまうのだが、むしろ新アントウーマンとしてシリーズを立ち上げてもよかったはずだ。実際に『ホークアイ』では連続ドラマ形式で少女の2代目継承を魅力的に描いてある。
マルチバース構想も、『ロキ』において詳しく語られている。興味と時間のある人は、ディズニーチャンネルで見られるはずだ。
とにかく、主人公であるアントマンの影が薄すぎる。
アクションも、露骨にブルースクリーンとワイヤーを多用しているように見える。
『エブエブ』などともてはやされ、社会現象化しつつある、アクション映画においても、マルチバースが語られ、どっかで見たような戦闘シーンが大量に露出されている。
普通のおばあちゃんが、ヒーローよろしく切れ切れのアクションを披露する時代になったのだ。アベンジャーズのスーパーヒーローはフェイズ5どころか、曲がり角にさしかかっているのではないだろうか。
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