劇場公開日 2023年2月17日

「量子世界と家族ヒーロー」アントマン&ワスプ クアントマニア Ken@さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0量子世界と家族ヒーロー

2023年2月26日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

興奮

【はじめに】
新宿のドルビーシネマで鑑賞。
アントマンシリーズ3作目で、MCUフェーズ5の幕開けとなる作品にもなっています。

【よかった点】
カラフルに描かれる量子世界は壮大で、ミクロを超えた世界に驚きの連続でした。そこの住民はスターウォーズっぽかったですが、個人的にはそれとは違った味があって新鮮でした。マルチバースオブマッドネスでもそうですが、こういった未知のSF世界を独特に表現している点は流石マーベルだなと思いました。

登場人物ではアントマンだけでなく、ワスプとピム博士、ジャネットだけでなく、スコットの娘であるキャシーも大活躍しており、それぞれに焦点が当てられていた印象を受けました。特に、キャシーが父親から自立し、様々な量子世界の人たちと対等に接する姿に尊敬できました。ヒーローは能力の高い美男美女をイメージしがちですが、アントマンのような身近に住む一般人を選ぶことで、私たちのような庶民でも共感を得やすいキャラになっている点がマーベルの魅力なのではないかと考えました。
また、今作の悪役であるカーンは地球人なのにも関わらず、時を操る力を持っていた点でサノスとは違ったインパクトがありました。

【注意点】
予習については、アントマン、アントマン&ワスプ、エンドゲーム、ロキシーズン1の視聴は必要ですが、どうしても時間がないときはエンドゲームの知識だけでも身につけることをおすすめします。また、前2作のコメディタッチから大幅にテイストが変わっているため、過去作が好きな人が見たら戸惑うかもしれません。そのため、MCUの続編として認識しておいた方がまだ楽しめるのではないかと思います。

【気になった点】
気になった点は、物語の説明が不足していた点が一つです。量子世界がどんな場所なのか、住民たちがどのような人たちなのかがあまり理解できず、消化不良のように感じました。また、量子世界やカーンに焦点を当てすぎた影響で、アントマンの描写がこれまでと比べると足りておらず、物語の筋が通っていない印象を受けました。

もう一つは、初心者を置き去りにしているような作りになっていた点です。これは最近のMCU作品にも言えることですが、他の映画やドラマの要素を盛り込みすぎた影響で、膨大な知識を身につけておかないと物語についていけなくなる事が増えているように感じました。私としては、マーベルに詳しくない人へもう少し配慮してもよいのではないかと思いました。

【さいごに】
それでも、マルチバースサーガの転換点としては、楽しめた映画になっていました。2025年頃に公開予定の「アベンジャーズ カーン・ダイナスティ」にどう繋がっていくのか、非常に楽しみになってきました。

【ドルビーシネマについて】
冒頭でも述べた通り、今回は初めてドルビーシネマで体験しました。映像はとても色鮮やかで、音楽とセリフがバランスよく調整されていました。全体的に映画の質を高めているように感じ、明るさと臨場感を強調したIMAXとは違った迫力がありました。また、暗くなるシーンでは、スクリーンの縁がわからなくなるぐらい真っ暗になって驚きました。

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Ken@