「欲しかった「ゆるさ」」マーベルズ Yutes79さんの映画レビュー(感想・評価)
欲しかった「ゆるさ」
今年のMCU作品見納めの一本。なんだか鑑賞前から本作の悪評が聞こえてきており、さらに興行収入も過去最低とのことで、「大コケ」なんて言葉も聞こえてきます。ですが、そんなに悪い作品ではなかったと思いますし、むしろ一定の人には十分にお勧めできるかと。
MCUの世界でも、圧倒的な強さを誇るキャプテン・マーベルが主人公ですので、あまりストーリーでハラハラすることはありません。その分、Marvelらしいユーモアにあふれ、「やっぱりMaervelって楽しいな」と思わせてくれます。ヒーロー疲れが叫ばれる今のタイミングにとっても良いカンフル映画です。
キャプテン・マーベルは初登場の第1作、そして大活躍した『アベンジャーズ/エンドゲーム』、ともに背負うものが大き過ぎて、マーベルらしい笑いが少なかったと思うのですが、本作は違います。ドラマシリーズで語られてきたふたりが主人公に加わったことで(特にカマラ・カーン)、一気に雰囲気がスパイダーマンっぽくなりました。ついついMarvelに求めてしまう「ゆるさ」があるといえば良いでしょうか。
しかしこの新しい主人公たちがともにドラマシリーズ出身と言うことで、Disney+で追っていないと、本作の理解が追いつかないかもしれません。そうした理由で、前述の通り、お勧めできるのはドラマも鑑賞している「一定」の人に限られるかなとも思います。
ただ、ほんと、「Marvel史上最低」なんてレッテルを貼られてしまうのが信じられないくらいに楽しませてもらいました。それもこれもキャプテン・マーベルに「ゆるさ」が加わったからです。
来年、公開が明らかにされているMCU作品は『デッドプール3』の一本のみ。こちらには遂にX-MENが絡むようで、MCUの中で群を抜いてゆるい(R15+ですが)デッドプールが、最もシリアス路線のX-MENとどのように競演するのかとても、ワクワクしております。