ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバーのレビュー・感想・評価
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気高く生きるか?仕事を果たすか?
改めて書くまでもないが、
今作の特異な点は、制作側が彼の代役を立てない英断し、登場神物たちの状況と観客の状況を完全にリンクさせてしまった点だ。
最愛の人の死にどう向き合うのか、制作側が真摯に向き合ったことが伝わり、自分は胸を打たれた。
観客が完全にライドできる脚本と、圧倒的なビジュアルの美しさと相まって、彼がいないとだめだ、とは絶対に言わせないぞという制作の気概を感じた。
160分の長編だが一瞬も中弛みせず、最後まで観ることが出来た。
今作の展開のウルトラCは、
後半シュリがハーブを飲んだ後に会ったのが彼ではなく、まさかのキルモンガーだった点!
シュリの置かれた状況と完全に重なる、且つ復讐との葛藤を視覚化する上でこれ以上の選択はないく、彼の言葉が終盤まで重くのし掛かることに。(しかもネイモアとも重なるのだ)
安易に彼を復活させたり、祖先の平原で啓示を授けたりはしない。
決断はシュリ自身が下さなければいけないのだ!
▽その他思ったこと
・いつものOPがまさかのサプライズで号泣
・今作ではアイアンハートのリリ以外に他作品のヒーロー(+ヴィラン)をほぼ登場せず、作品のテーマを深堀りしている。最後のカメオでも出さなかった。
・リリとシュリのコンビがスタークとバナーのコンビの代替わりに見えて胸熱
名作をぶち壊す続編の駄作
43歳で逝ったチャドウィック・ボーズマンを送る作品としてはもっと名作に仕上げることできなかったのかなと思った間延びも甚だしい2時間15分。アフリカなど黒人文化・歴史にリスペクトを与えてアメコミ映画で異例の旧態依然のアカデミー賞に多数ノミネートされた名作をぶち壊す続編の駄作。
新生
追悼をあんなに前面に押し出していたとは。
うがった見方はせず、チャドはホントに愛されていたんだなと思う事にする。
前国王の死から物語は始まる。
追悼から後継へと話は流れていくのだけれど、リアルな事情を加味すると、現場はどのような空気感だったのだろうかと思う。
作品的にはアクションは少なめだった。
それでも、しっかりと作品に躍動感をもたらすタイミングの良さは流石というべきか。
脇役の見せ場もふんだんにあってドラマに厚みもあった。親衛隊隊長のエピソードなんかは、胸が熱くなる。
CGのクオリティは言わずもがなだし、楽しかった。
だが、どおしてもチャドの影が過ぎる。
作風からして、そこに焦点が当たってるので仕方がない事なのだけど、やはり彼が演じたブラックパンサーが強烈すぎたのだろう。
ラストに前作の彼が映る。
その佇まい、彼へ向けられる目線、信頼感。絶対的な芯を消失した状態であったのだと改めて気づく。
なんかそんなグラつきを作品も内包してたように感じた。
作品自体、彼の死を乗り越えていく話ではあるのだけれど、気構えが足りなかったように思う。どこか、哀しみを拭いきれずにいるような…。
布陣としては総力戦だ。もてる全てを投入して、新たなブラックパンサーを誕生させなければいけない。だけど、この作品におけるチャドはハマり役で当たり役だったと思う。果たして超えられるのか、前国王の死という歴史が必然であったと言い切れるような作品に成長させていけるのか?
それでも、どうにかこうにか落とし前をつけたってとこなのだろうか。
今後は彼女な成長の物語も同時に描かれていくのだろう。というか、母まで殺す事なかったんじななかろうか?彼女の孤独は誰に寄り添えば軽減されるのだろう?アベンジャーズの強烈な個性の集団の中で、彼女が埋もれていかない事を願う。
ワカンダのリズムというか、アフリカの音楽なのだけど、太鼓の音が力強く、心臓の鼓動のように聞こえ、命の強さを感じてた。
偉大なるワカンダの前国王にして、知性と野生と品格まで備えていたブラックパンサーの冥福を祈る。
困難を乗り越えた作品
御涙頂戴モノだけにとどまらずヒーローアクションとしてバランスのとれた作品!音響や挿入歌がストーリーと抜群にマッチしていて心に響いた!
ただ最後の決闘シーンが少し物足りなく感じた。
ブラックパンサーが主題でなくても良いと感じた。
ワカンダに本当に平和くるのか?
どんな感じに継承されるのか?興味あって見に来ました。CGで蘇らせるとかせずに、、、病気で亡くなったとか現実とのギャップ少なめで話を繋ぐ事に成功してると思う。
継承は順当に妹さん、華奢だがこれもセクシーでよい。
話はエモ満載、ドラマチックです。
いーんじゃないの、今回は。
まあいつも通り無理無理な展開もあるけどそもそもマンガなんだからめくじら立ててはいけない。
実は差別的と言われるかもしれないが、登場人物が誰が誰だか見失ってしまう事がしばしばあった(韓国映画でもたまにある) 母、妹、弟?、妻いたっけ?衣装が変わるとかなりの確率でロスト。
ごめんなさい。
続くようなので次回の宿題に、
ワカンダの平和はもう少し先のようです。
青の一族
『アバター』や『アクアマン』をどうしても思い起こしてしまう映像ではあったけど、個人的には『スマーフ』までも思い出してしまった。どうして欧米では青や緑のキャラが多いんだろうと思い悩んでいたら、そういや日本だってドラえもんがいるじゃないか!と気づいた。調べてみると、Eテレ「みいつけた」のコッシーだって青い・・・
dedicated to Chadwick Boseman。オープニングから悲しい映像が流れ、思わず涙してしまった今作。161分涙に暮れる映像に耐えられるか心配でしたが、王女シュリ、王座に就いたラモンダを観ながら新展開に夢中になれました。
ワカンダ産の金属ヴィブラニウムを巡り、国連での提供を迫られていたラモンダ。アメリカやフランスに渡してしまったら何をするかわからないと提供を断ったが、ヴィブラニウム探査船が何者かに攻撃されたことを知る。そしてワカンダに海中帝国タロカンの王ネイモアが突如現われ、探査機を作った研究者を連れて来いと脅されるのだった。足首に羽の生えた不思議なネイモア。シュリは親衛隊隊長オコエを連れ、開発者を捜索・・・見つかったものの、ワカンダで保護しようとするものの、タロカンの襲撃により、シュリと開発者リリ・ウィリアムズと共に海底帝国に連れ去られる。
最強兵器になり得るヴィブラニウムの存在は多くのMCU作品に登場し、闇取引などで災いをもたらす鉱石。戦争を望まないワカンダの思想と、16世紀のスペインによる征服から復讐心がくすぶり続けているネイモア。民族の理解から始まり、戦争をいかに避けるか・・・。そんなワカンダに共に地上を征服しようと持ちかけるタロカン。そして、復讐心を利用しようとラモンダを暗殺したネイモア。
痛みを知る者が・・・という言葉が上手く使われ、ダークサイドに落ちたかのように攻撃的になったシュリの心理描写が上手い。ワカンダとタロカンの局地戦でもあったが、本来は最強兵器を得ようとする列強との平和的戦いでもあった。どうなることかと心配したけれど、ラストはホッとしました。
女性陣が中心でもあり、シュリ、オコエ、ナキアというそれぞれ違った性格が存分に堪能できたし、トニー・スタークの後を継ぐかのような新キャラのリリ=アイアンハートの今後も楽しみだ。『ブラックウィドウ』のエンドクレジットやTVシリーズ『ファルコン&ウィンターソルジャー』にも出演していたデ・フォンテーヌも今後どのように絡んでくるのか楽しみ。
レティーシャ・ライトの頑張りに賛辞
まずは、夭折したチャドウィック・ボーズマンに改めて追悼の意を捧げたい。主役だった彼亡き後、続編として成り立つのかが焦点だったが、現実の哀しみを劇中ドラマに上手く取り入れていたと思う。
肝心のストーリーは、多くのレビューでも指摘があるようにタロカン帝国との対決に至るまでの経緯がちょっと淡泊というか、ツッコまざるを得ない。なんか無理やり対立構造に持っていった感が…外交ってホント大事。タロカン人が『アバター』のナヴィ族やアクアマンとどうしてもダブってしまうのは、まぁやむ無しといったところ。
それでもアクションシーンは前作よりも観やすくなっていたし、とにかく作品完成に漕ぎつけたキャスト、スタッフ双方を労いたい。特に半端ない期待とプレッシャーをかけられたであろうレティーシャ・ライトに最大級の賛辞を。
余談だが、序盤に出てくるドクター・グレアム役の女優さんにどこか見覚えあるなと思ったらレイク・ベルだったのに驚き。いいコメディエンヌぶりを発揮するご贔屓女優で、おそらく『WHAT IF...?』でブラックウィドウの声を担当した縁からのキャスティングだと思うが、ちょっと残念な扱いだったのが悲しい…
悲しみで強くなるが...
オープニングからエンドロールまでマーベルでした。ここまでのブラックパンサーが伝えたかったことを伝えられた第二作でした。
ぜひブラックパンサーを復習してから劇場に足を運んでください!復習してないことちょっと後悔してます。
外の世界は誘惑だらけで、正しい選択に頭を抱え込みます。
悲しみを経験すると人は強くなります。
戦争がない平和な世界より難しいことはないと改めて映画を通して感じました!
チャドウィック・ボーズマン、ブラックパンサーお疲れ様でした。創り上げたチームで続編もよい作品でした!ゆっくりお休みください。
今度の敵はアバター?
前作の主役だった、チャドウィックボーズマンが亡くなって寂しかったり二代目ブラックパンサーも細身で少し違和感ありましたが、これはこれでいいかなと思いました。
敵もアクションの時はスピード感があってよかったけど、全体的に魅力が無い。
劇中歌とかはめちゃくちゃカッコ良かった❗
今回は始めのマーベルのロゴのシーンがチャドウィックボーズマンだったので制作側のチャドウィックに対する思いが胸アツでした(*T^T)
大切な人の死を乗り越えた先には、なにがあるのか
あー面白かった。
いっぱい泣いたし。
映像がとんでもなく綺麗で、かつ2時間40分を思わせない展開続きで全然飽きなかった。
最近のMARVEL(特にドラマは)ポリコレゴリ押しが過ぎていて脚本をおざなりにしているなと感じていたが、やっぱりMARVEL好きだなぁとなった。
前作を上回るアクションも然ることながら、音楽がめちゃくちゃかっこいい。
キルモンガーの再登場から彼の意志、行動に対する是非なんかも再起されていて、今回もヴィランがいい意味でヴィランしてなくてどちらにも感情移入出来て面白かった。
ていうかネイモアが強過ぎるんよ、、、
さすがにあれで弱点がないと本当にハルク越えしちゃうから、あれくらいが丁度いい。
雰囲気は「エターナルズ」にも似た感覚を覚えたけど、ラストバトルはエターナルズより大迫力で満足出来た。
でもシュリがエムバクやナキアの意見ガン無視で復讐心むき出しで戦争を始めたもんだから、ずっと複雑だった。最後はいい感じに収まったから良かったけど。
でもどこかで聞いていた、「what if...?」で撮影して、未使用の故チャドウィック・ボーズマンの音声を使うような話は、無くなっちゃったのかな?またはカットされたか。
やっぱりハーブを飲んだ時に先祖との会話ができるシーンで、少しでも声やCGで彼の姿を期待しちゃっていた。
エンドロール後のシーンも、いつもは2つあるけど、今回は1つだったのもちょっと寂しかった。
アイアンハートのスーツはワカンダに置くことにしたみたいだけど、ドラマシリーズでまた見れるとは思う。
個人的にリリの父(或いは祖父)はインセンなのでは?とか勝手に考察してしまいます。
ちなみに個人的な推しはエムバクとロスです。
余談だが、映像美もシナリオも、正直アバター越えだと思う。笑
Wakanda Forever!!!
and R.I.P Chadwick Boseman....
正義は戦争を招く!
アベンジャーものらしい力作に唸りました。この作品では、三つの対立軸が出てきます。海の帝国タロカン、ワカンダ、そしてアメリカを中心とした国々です。これらの国が、奇跡の鉱石「ヴィブラニウム」を守る、あるいは奪取したいがために戦います。俯瞰して見ていると、それぞれの国は、自らの国が正義であると信じて戦っています。つまり、地球上のおいては、正義はいわば戦争を引き起こす究極の原因なのかもしれません。「自国は間違っていない」を「自国は間違っているかもしれない」と思うことによって、戦争はきっと回避できるものかもしれません。復讐心に燃えた女王が戦いながらも、最後には母を殺した相手を許します。その時に戦争は終わりました。これが現代に必要な平和になるための哲学なのかもしれません。あと、ブラックパンサーの俳優が亡くなったということで、作品の中でも亡くなってしまいますが、その俳優がいかに偉大だったかの証左なのかもしれません。そしてエンディングでは、なんとブランクパンサーの本当の継承者である息子が出てきました。新しい未来の活躍が期待できそうで、気持ちが躍りました。いずれにしても、マーベル作品はまさに安定のエンタメ作品を、これでもかこれでもかと出してきますが、観るものをいつも幸せにしてくれることに、感謝しかありません。
しっかりチャドウィック・ボーズマン!
まさかのお兄ちゃんの急逝、しかも母親である女王までも失うという展開でしたが、悲しみを乗り越えて妹のシュリちゃんがしっかりワカンダ帝国をワカンダ帝国は妹のシュリちゃんが守ってくれました♪
チャドウィック・ボーズマンとの思い出もしっかり刻まれております。
まだまだ続くとの事で楽しみです♪
日本語吹き替え版で観ましたが、我らがリーダー・百田夏菜子さんの凛とした声の力に感動しました。
グッとはくるけど正直長い
アイアンマンやキャップ、ブラック・ウィドウやワンダなどなど、MCUファンは登場ヒーローと演じる役者をある程度重ねて見ている部分があって、その分、ヒーローたちの人生を他人事として割り切れない部分がある。
それがMCU作品の強みでもあり、制作陣もそのことをよく分かっていると思うんだけど、ゆえに、前作の主役ティ・チャラ=ブラック・パンサーの葬儀シーンには、急逝したチャドウィック・ボーズマンが重なって思わず泣かされてしまったし、そこは監督脚本を務めたライアン・クーグラーも意識しているんだと思う。
そして、ティ・チャラ=ボーズマンの抜けた大きな穴を誰どうが埋めるのかという物語と、フェーズ4に入ってからのMCUの方向性ともがっちり噛み合っていて良かった。
あと、物語内でヴィヴラニウムを巡って不穏な雲行きをみせる世界情勢を通し、今、世界で現実に起こっている世界の動きを描いているのもMCUらしいよね。
ただまぁ、それらを加味してもちょっと長いなーとは思ったかな。
エモーショナルや彼女の葛藤を描くのは大事だけど、正直もっと削れる部分はあったと思うし、「エンドロールのあとにもおまけがあります」的な事を書いておきながら、「ブラックパンサーは戻ってくる」の文字だけってのは流石にどうかなとは思った。
シュリの葛藤
チャドウィックボーズマンの死去を知った時、それを受けて修正された脚本を読んだ時の、シュリ役レティーシャ・ライトはどう思っただろうか?
「大変なことになった」
「私に演じられるのか?」
といったところだろうか。
前作での彼女の役割は、007の「Q(ハイテク担当)」に、ボケ役を合体させたもの。まあ、批判を恐れず言えば「軽い」役柄だった。
でも本作では、言わば
Qに対し「007が死んだから、お前が007をやってくれ」と言っているに等しい。
前作まででティ・チャラが抱えた主な葛藤は「復讐」(シビル・ウォー)と、「鎖国か開国か」(前作)だろう。
本作ではその両方をシュリが担うことになった。
いや、それを担うことに躊躇があったので、喪服を焼くことをためらい、研究に逃げた。
そりゃそうだ。重責だもん。
で、「メンター」となるべき母親は国とヴィブラニウムを守ろうと熱くなっている。
そして「復讐」の常として、彼女自身「ダークサイド」という深淵に墜ちるところまで行く。
(これは、ティ・チャラも無かった)
本作は、温暖化や人種問題も描いているが、主題はシュリの葛藤であり、成長である。
そんな難しい役柄を見事に演じたレティーシアライトの飛躍を期待したい。
ブラックパンサーは死なない
2020年、チャドウィック・ボウズマンの訃報はあまりにも突然で衝撃だった。
『42 世界を変えた男』などで実力を示し、『ブラックパンサー』で堂々たるスターの風格を魅せ、死後に配信された『マ・レイニーのブラックボトム』では残念ながらオスカーは逃したものの名演を披露。
人気、実力、魅力、スター性、そして勿論人柄もいいのだろう。全てを兼ね備え、ハリウッドを担う存在になるだろうと思っていた。何事も無く、そうなっていくだろうと当たり前のように思っていた。
順風満帆の矢先…。
ステージ4の癌。前作や『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『~エンドゲーム』を闘病しながら撮影していたらしく、本当に本当に頭が下がる。
本当にこの世は、時に残酷で不条理だ。
ハリウッドが、世界が、彼の死を惜しみ、悼んだが、最もショックを受けたのは彼の家族と、言うまでもない。
『ブラックパンサー』の全スタッフ/キャスト。
2018年に世界中でメガヒット。MCU初の黒人ヒーローで、民族性やオリジナリティー、テーマやメッセージも織り込み、コミック・ヒーロー映画として初のアカデミー作品賞ノミネート。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『~エンドゲーム』を経て、続編にも期待が掛かる。
だが、突然の不幸で主役を失った…。
映画の歴史の中で、突然の不幸で大切な仲間を失った例は少なくないが…。
大抵そうなった場合、製作中止か、代役か、劇中で生存している設定だが登場はしないとか、いずれかの手段が取られる。
が、MCUからは伝えられたのは、代役を立てずに続編製作続行。
一体、どうやって…?
一切の秘密のベール。徐々に予告編などで解禁され、遂に公開された。
劇中でもブラックパンサーことティ・チャラ王が突然の病で死去。
これを描くのは、関係者皆、辛かっただろう。
しかし、向き合った。
現実世界ではチャドウィックは亡くなったけど、劇中では登場はしないけど生きている…なんてやったら、嘘を付き、現実から目を背け、受け入れていないと同じ。
悲しい。辛い。
だけど、チャドウィックはもう居ない。
それを受け止め、最大限の敬意と哀悼で、彼を称え、送り出す。
それは映画だからこそ出来る事。
“チャドウィック・フォーエバー”と共に。
彼へ捧ぐマーベル・ロゴやリアーナによるエンディングの主題歌からも。
しかし、いつまでも彼へ思いを馳せていてはいけない。
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は、世界中の人たちが待望している“映画”。
それを届け、ワクワクさせ感動させてこそ、チャドウィックへの本当の手向けになる。
その点はさすがMCU、心配は無用だった。
エンタメ性や哀悼引っ括め、MCU2番目の長尺161分を、ライアン・クーグラーが一気に見せきる。
ティ・チャラが亡くなって1年。
世界中が弱体化したであろうワカンダからヴィブラニウムを狙う動きを見せていたが、女王ラモンダは強い意思を示していた。
そんな時、海底でワカンダにしか無い筈のヴィブラニウムが発見され、アメリカは採掘を行うも、何者かの襲撃に遭う。
ワカンダ人とされ、ワカンダは窮地に立たされる…。
ヴィブラニウムを所持していたのはワカンダだけではなかった。
海底の帝国、タロカン。その王、ネイモア。
タロカンの存在とヴィブラニウムの奪取を防ぐ為、強硬手段に出る。
ネイモア王自らラモンダと王女シュリの前に赴き、警告と接触を図る。
タロカンのヴィブラニウムを探知した機器を発明した人物を消す。
ワカンダから、シュリとオコエ隊長が保護に出向く。
発明したのは何と! まだ学生の少女、リリ。
ワカンダからすれば村レベルらしいが、外の世界の者としてはなかなかの人材。
タロカン兵の襲撃。一戦交えた後、シュリとリリはタロカンへ連れ去られる。
護れなかったオコエはラモンダから職と任を解かれ…。
足に翼が生え、海も陸も空も蹂躙し、強大な力を誇る。今回の敵、ネイモア。
タロカン人は青い体色。
一瞬、『ブラックパンサー』じゃなく『アクアマン』か『アバター』を見てるのか?…と錯覚するが、ワカンダと世界の新たな強敵。
しかし、“強敵”とはどの立場に立っての意味か…?
タロカンからすれば、ワカンダや世界こそ脅威。
ワカンダにすれば、平和を脅かす存在こそ脅威。
世界にとっては、攻撃してきた国こそ敵。
一方の見方、一つの誤解や行動などで世界はいとも簡単に対立し、戦争を起こす。
某国のように、戦争は一方の傲慢にによって引き起こされる。本作製作時、渦中の侵略戦争は始まっていなかったが、戦争が起こる危うさを訴える。
シュリはタロカンで、タロカンの歴史と美しさ、ネイモアの生い立ちを知る。
決して他国を侵略し、支配下に置こうとする野蛮な独裁国でも君主でもない。
平和を望んでいる。
しかし、その平和が脅かされるなら…。
ネイモアは過去、地上人の野蛮な行為を目の当たりにしている。
ティ・チャラの国連のスピーチで、ヴィブラニウムが世界に知られる事になったと非難する。
同盟と和平の道は無いのか…?
無かった場合、ネイモアとタロカンは危険な存在を孕む…。
その危険が、いよいよ起こってしまう…。
ラモンダの命を受け、隠遁していたナキアが救出に。
その際、タロカン人が犠牲に。
怒りと悲しみのネイモアはワカンダを急襲。
防戦と混乱の中、まさかの人物が…。
報復と争いは更なる悲劇を招く。
ワカンダとタロカン。憎しみと悲しみと争いの中に陥るしかないのか…?
チャドウィックの喪失からスタートしただけに、MCU作品としては極めて重く悲しい雰囲気漂う。
が、決して、『エターナルズ』のような辛気臭い雰囲気だけじゃない。
所々、ユーモアを挟むセンスもさすが。シュリとオコエのやり取りが愉快。
そこに、来年の配信ドラマに先立って、新キャラ、“アイアンハート”ことリリ登場。トニー・スタークのアイアンマンスーツに匹敵するアーマースーツを開発した天才発明家少女。
性格は陽気。シュリとオコエとリリの掛け合いはまるでガールズ・ムービー?
勿論アクションも見もの&見せ場。
オコエら女性のみの親衛隊による槍のバトルは前作に引き続き。
リリ開発のアーマースーツはアイアンマン同様空も飛ぶ。
ネイモアのハルク並みの超人パワー。
今回海が舞台の一つでもあり、海から襲撃するタロカン人との海上バトル。
海、陸、空…前作以上のスケールのアクション。
遠隔操作でバックアップしていたシュリも実戦に立つ。
チャドウィックがもし生存していた時とは、まるで違う話になっていただろう事は明白。
敵は同じだったかもしれないが、何でも、サノスの指パッチンで消えていた5年間で変化した世界とワカンダに苦悩するティ・チャラに、新たな脅威と試練が立ち塞がる…という風になっていたとか。
ティ・チャラに代わり、その脅威と試練に立ち向かう事になったのは、シュリ。
演じたレティーシャ・ライト本人が何より驚き、プレッシャーを感じたであろう、ズバリ主演!
兄の闘いをバックアップしていたのに、実戦に立ち、アクションも披露する。
でも、最も複雑なのは、内面。
兄の死の直前、兄の病を治そうと研究に没頭していた。が、間に合わず、救えず…。
後悔と悲しみを背負い込み、ラボにずっと引きこもったまま。
ラモンダ女王とて同じ。前々王である夫に続き、息子をも早くに亡くす。
一人の妻として、一人の母として、その悲しみの心中は深い。
が、新たな君主として、悲しみに暮れるワカンダを導かなければならない。
脅威と対しなければならない。
アンジェラ・バセットが気丈さと悲しみと威厳と慈愛を演じ切る。
ティ・チャラの元恋人、ナキア。彼女はティ・チャラの葬儀に現れなかった。その理由…。
国や民にとっては国王でブラックパンサーだったが、私にとっては全てだった。
この言葉に、想いが集約されている。
本当にチャドウィックの喪失無くしてドラマもキャラ心情も語れない。
ちょっとセンチメンタル過ぎではないか?…という意見も無きにしも有らず。
前作は独自の黒人ヒーロー映画として革新的であったが、今回はやはり感情が大きく揺さぶられる。
MCU作品を見てる/見てないで評価は分かれるかもしれないが、前作以上にエモーショナルなドラマなのは事実。
予告編でも姿を見せていた、本作の肝である、あの新たなブラックパンサーは誰か…?
まあ察しは付くが、やはりしっくり来る。そうでなくちゃいけない。
でも、ヒーロー映画なんだからただ新たなスーツさえ着ればいい…なんて、そんな単純な事じゃない。
ブラックパンサーになるという事は、凄まじい使命と責任を担う。
儀式もさることながら、国、民、王位、覚悟、全てを背負う。
自分は何者か…?
自分は相応しいのか…?
兄とは違うのは明白。兄は気高かった。それに対し、自分は…。
ある復讐と闘いの為に、ブラックパンサーとなった。
ネイモアとの決着。死闘の果てに、遂に追い詰める。
トドメを刺し、復讐を果たせる。
兄の死はどうする事も出来ない病と救えなかった自分へのせいもあるが、ある人物の死は今まさに手に掛けているこの男の罪。
が…
ネイモアが自分の国や民を思っていた事に偽りはない。
ネイモアを失ったら、タロカンの国や民は…?
それは大切な人を失ったワカンダと同じ。
ネイモアの罪は憎い。
このまま復讐に駆られ、ただ憎き相手をこの手で死に至らしめるのは、同じ立場に立たされたワカンダとタロカン、自身にとって、復讐を果たし、それで何かを埋められる事が出来るのか…?
同じであっても、違う。
ブラックパンサーは復讐者ではない。
ブラックパンサーは、守護者なのだ。
それに気付いた時、真の意味で、何をすべきか。
喪失と悲しみ。脅威。
それらから立ち直り、乗り越えて。
ラストシーンに登場した思わぬ人物。
出来過ぎでいつの間に?…とも思うが、
命も思いも、引き継がれていく。受け継がれていく。
新たな、全ての思いを込めての、“ワカンダ・フォーエバー”。
ブラックパンサーは死なない。
長かったけど楽しめました。
土曜日の最終で見に行ってきました。
ざらっと観客はいっぱいです。
"ザリガニ〜"と悩みましたがこちらにしました。
前作は見てなかったのですが、すんなりとストーリーは分かります。
王を演じていられた方が若くして亡くなられていたとは知りませんでしたが、少し驚きました。
シュリとネイモアが並んで仲良く?なった場面は少し感動しました🥹
ライアンクーグラー監督いい仕事する
賛否ある作品ですが、自分は賛です。ツッコミどころは確かにある、しかしそれを感じさせない映像美と俳優陣の演技、主役俳優の死を乗り越えた脚本。池袋グランドシネマの3D imax グランドクラス席で観ることをおすすめします。6000円の価値ありです。
意欲的だけど
それだけですかね。
現実の俳優の病死を映画に持ち込んだのは良かったのですが、それが成功したかはまた別。
なぜなら、マーベルではすでにアイアンマンとスパイダーマンでやってしまったから。
あちらはプロットの段階で決まっていたからストーリーも良かったのですが、今回は急遽書き換えたもの。そのせいか全体的にちぐはぐな印象が多く、新しく生えてきた設定に違和感が大きい。
まぁアメコミは元からそういうものですが、それが最近のファンからも支持されていないことを考えれば、そういう力業は無くしたほうがいいと思います。
ハッキリ言って蛇足ですね。
マルチヴァースでなくて良かったよ
オープニングのCボーズマンに涙。ヴィランは人類ぽいのにワカンダと海底人で争わなくても。新BPは予想通り、ポストクレジットで新々の期待が芽生え映画全体が満ち足りたものに。フェーズ5に期待。
ヒーローの世代交代、役者の世代交代
ネイモアがスマートなキャラであるが故に、今後妬む奴が出てきそう。
もう一度ちゃんとみたいけど、シュリは道徳心と復讐心を併せ持った、痛みを知るリーダーと言うことでそれを象徴する金と銀のラインが入ったスーツというわけか。
キルモンガー(マイケルBジョーダン)の再演はかなりのファンサービスだったと思う。
今作で誕生した今後のMCUのキャラ
・ネイモア(なんと、ミュータント。ヴィランだけど、スマートでいいやつ。が故に今後何かありそう。例えばワカンダを敵視している部下が反逆するとか)
・シュリ(新しいブラックパンサー; 両親と兄、家族を全員失った後に国を守る使命を与えられた。しかし、リリとの絆や甥がいる事も判明。辛すぎるけど、頑張れシュリ!!)
・リリ(アイアンハート; 女性版アイアンマン。シュリよりも頭がいいかもしれないキャラ。シュリのことをよろしくねって感じ。でもまだヒーローになる心構えはない。今後Disney+で単独ドラマをやるらしいから、そこでの成長に期待。)
・ティチャラJr. (まだ子供だけど、今後ブラックパンサーとして活躍していくこと間違いなし。そして映画の中でチャドウィックボーズマンの遺伝子が受け継がれていくことに!)
・オコエとアネカ(青いアーマーを着た特殊兵士みたいな感じになった。ドーラミラージュの域を超えている。なんか映画「アーマーウォーズ」とかにも出てきそうな、、、伏線?)
時系列について
ラモンダが劇中でナキアに「サノスとの戦いの後から姿を消して6年」と言っていた。サノスが地球に来たのが2018と2023なので、多分今作は2024年?ということは指パッチンで消されていたティチャラは2023年に復活してすぐに病気になったということになる。あと、2018年に子供が産まれてすぐに指パッチンされたということになる。子供にどれだけ会えていたのか。。辛いね。
エンドクレジットに何もなかったのは残念だったけど、チャドウィックボーズマンの追悼映画だったから仕方ない。
No. 1200
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