「悲しみムード全開」ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
悲しみムード全開
えぇ....。こんな喪失ムービーとは思わなかった。
前作の「ブラックパンサー」はどうやら黒人の子ども達に尋常じゃないほどの夢と勇気を与えたらしく、それも納得のみんなのヒーロー・ブラックパンサーが描けた物語であった。そんな、みんなのヒーローであったチャドウィック・ボーズマンは病によりこの世を去ってしまい、私たちも悲しみに暮れた。そんな中での続編が本作なのだが、その悲しみに追い討ちを掛けるような苦しい作品だった。前作の夢と勇気はどこに行ったのか?
こんなに暗くて悲しくて辛い映画だと、ブラックパンサーで希望を持った子どもたちは、ただでさえチャドウィックが亡くなったことで苦しいのに、もう生きるのが辛くなるのではないか?大袈裟のようだが、私が子どもなら間違いなくそうなる。ブラックパンサーを失い、悲しいけれど、彼はみんなの心の中に生き続ける。共に闘っている!みたいな描写がないと救われないよ。
ただ、単純に一切の興味も湧かないストーリーであることが、一番の原因。いやもう、その分野はアバターに任せてください。てか、見た目もアバターでしかないし、ちょっとあまりにも意識しすぎでは?前作とはまるでテイストが違うし、これはもうブラックパンサーでは無いなにか。借り物感が半端ない。
あと、魅力的なキャラクターがいないということ。
皆、怒ってばかり。常識に囚われている、過去に囚われている。性格がとことんつまらない。唯一、面白味と人間味のあるのはエムバク。彼は傲慢で脳筋な性格でありながらも、男前で熱く、すごく頼れるカッコイイ人物。シュリのような生真面目ちゃんとは大違い。MARVEL好きは、ああいうキャラが見たいのにさ。
流石にこの面白くなさは、今後のMCUが不安になってしょうがない。スパイダーマンもソーもストレンジも、単独作品としての面白さだし、もうアベンジャーズが活躍していたあの頃の興奮は味わえないかと思うと、悲しくてしょうがない。フェーズ4は神作数本、凡作多数、醜い作品2本という結果。大丈夫かな...