「Disney+の「What if」劇場版です💦北米の方々は内輪揉めが好きなのかな😅」ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス ジロン99さんの映画レビュー(感想・評価)
Disney+の「What if」劇場版です💦北米の方々は内輪揉めが好きなのかな😅
この映画は、まずDisney+のMCUのドラマ「ワンダヴィジョン」と「What if」を先に観た方が良いでしょう。
観ないと話が通じないと言うことではなく、観ておかないとただでさえ面白くないのがさらに楽しめないためです。
その2作品を観ておけば、少なくともそのネタで楽しむ事は出来ます。
さらに言えば本作は「What if」劇場版だと思えば、ドクター・ストレンジの第二弾として楽しみにしていたのに肩透かしを食らった気分の方には気休めになるでしょう。
さて、本作の物語についてですが…
根本的な企画としてマルチバースを題材に「狂気」と言うタイトルを付けた以上、マルチバースの恐ろしさやめまぐるしさを描くべきだと思うのだけど、確かにロケーションツアーとしてのマルチバースごとの変化はあったけれど、ドクター・ストレンジを襲う厄災がマルチバース由来ではなく、闇落ちしたワンダとのウチワの闘いでしか無かったのは企画的に問題だと思う…。
「スパイダーマン」から大々的にマルチバースものの期待値を煽っておきながら、この映画のマルチバースは単なるツアーの小道具でしかなく、これから起きるだろうマルチバースネタの面白さはまったく感じられ無かった。
「スパイダーマン」では折角拡がりを感じたのに、この映画では期待感が完全に萎んでしまい、本当に残念。
この所のMCUはソニーの「スパイダーマンユニバース」が無かったら観る価値がどんどん擦り減っていく感じです。
後から思ったのは、マルチバースはむしろ後から足した要素なのかも知れないと言う事。
この映画は「ワンダヴィジョン」から繋がっているので、企画当初は単純に「魔法使いvs魔法使い」だったのかも知れません。
それが製作プログレスの最中に、スパイダーマンユニバースの「スパイダーバース」や先行してDCドラマでマルチバースものが受け始めたので、後から取り入れたんじゃないか…
だから、この映画でのマルチバースネタは実は無くても作れてしまうドラマ展開になっていましたよね💦
…それとワンダの扱いについて
ワンダと一時的に戦ってもよいとは思いますが、最後は共闘して、マルチバースからやってくる脅威と戦って欲しかったです。
それがとにかくどうしても納得出来なかった……
折角登場した別バースのプロフェッサーXやずっと楽しみにしていたキャプテン・カーター始め、別世界のマーベルヒーロー全員皆殺しにしてしまうし、いくらワンダの強さを見せたかったのだとしても使いどころが明らかに間違っているだろう…
ドクター・ストレンジ自身のドラマについても、彼のモチベーションや目的意識がかなり薄い構成でした。
MCUとしての前作に当たる「スパイダーマン ノーウェイホーム」で、マルチバースの扉を開いたのはストレンジ自身なのだから、もっと自主的にと言うか、アメリカ・チャベスを助けるとかの目的より、まずは自分自身の責任としてマルチバースとの接続によって起きる問題を解決しようとする意識をもっと明確に描くべきだったのではないかと思います。
「スパイダーマン」では、ストレンジを訪ねて魔法をリクエストしてしまったピーターはラストでとても大きな償いをすることになった事に比べ、ストレンジは自分自身が起こした事に対する気持ちがあまりにも希薄過ぎるような描き方ではないかと感じました。
主人公でありながら、物語の軸を完全にワンダとアメリカ・チャベスに持って行かれた感があります。
「ドクター・ストレンジ第二弾」を楽しみにしていた僕は彼自身の物語を観たかった…
アメリカ・チャベスもまだ誕生編と言う感じで、ヒーローとしての魅力を描くところまでは描かれていない。
彼女の活躍を観ることが出来るのはもっと先なんだろう。
この先にあるだろうヤングアベンジャーズとか、ガールズアベンジャーズとかウワサされるマーベルズまで、フェイズ4になってから続々登場しているガールズヒーローたちの活躍を観るのを待たなければならない事も、あまりにも気の長い話。
キャプテン・マーベルもかなりシナリオが破綻していたし、その続編が馴染みの薄いガールズヒーローばかりのマーベルズなのだとしたら、誰に感情移入すれば良いか分かりにくい映画になりそうだ。
今後のMCUにはあまり期待しない方がよいかも知れない…
もし出来るならば、今回の映画こそ別バースの出来事として封印してくれないものだろうか…