「けっこうよかった」ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
けっこうよかった
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前作のことをかなり忘れているのだが、何のことを話しているのかよくわからない場面がある。しかし、後で調べたらドラマシリーズを見ていないと分からないことであった。映画を全部見ているだけでは足りない状況だ。
登場人物が、アホみたいなコスプレで魔法みたいなスーパーパワーを扱っているのがおじさんおばさんばっかりで、このシリーズは大体そうなのだけど、ガキの高齢化を感じる。若い人は見て楽しいのだろうか。全世界的に高齢化社会でこのような感覚が当たり前なのだろうか。
文句を書いているのだけど、見ていてとても楽しかった。画面が美しくてかっこよくて、手間がかかっていてセンスがいい。アクションもリズミカルで見やすくて迫力がある。
特にマルチバースの違うアベンジャーズが出てきたのが面白い。
先日テレビシリーズの『エヴァンゲリオン』を見終えたのだけど、今回の悪者のスカーレット・ウィッチがやろうとしていることが人類補完計画に重なって見える。『エヴァンゲリオン』では本人がみんなに認められたいとか、先立たれた妻とやり直すために人類を滅亡させる必要があるというあまりに腑に落ちないものだのだけど、スカーレット・ウィッチはマルチバースにいる我が子と暮らしたいという慎ましい母心で世界を我欲でゆがめようとする。
マルチバースというとけっこうなんでもありでやりたい放題だ。制約のある世界で物語を作って欲しい。
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