「狂気の映像体験」ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス カイトさんの映画レビュー(感想・評価)
狂気の映像体験
MCU最強の魔術師ドクターストレンジのマルチバースでの活躍を描いた本作。
2時間とは思えないほどの充実感、情報量があり、ドクターストレンジ特有の時空の歪みや幻想的な色合いのような観たことのない映像体験となった。また、IMAX 3Dによる没入感は普段の映画とは大きく異なり、自分が入り込んだかのようだった。
本作の主人公であるドクターストレンジはマルチバースということもあり、闇堕ちバ、ゾンビバージョンのようなさまざまな特徴を持ったキャラクターとして登場する。ドクターストレンジ対ドクターストレンジというドリームマッチもあり、見応え十分だった。
本作のメインヴィランとなってしまったワンダは以前の性格と一転し、目的に対する執念が剥き出しになった真の魔女となっており、その変わりように驚いた。ワンダの辛すぎる境遇を蔑ろにすることができず、どうしてもワンダに感情移入してしまい、なんとかならないのかと考えてしまった。
別ユニバースの子供たちに拒絶され、目に見えて狼狽するワンダには胸が痛くなった。いつか報われてほしい。
本作は緊張と緩和や気持ちの悪い雰囲気を存分に活かし、観客を怖がらせるというサムライミ色が色濃く出た作品で今後のMCUの可能性を大きく広げたと感じた。
ここまで壮大で複雑なキャラクターやストーリーをまとめ上げる監督のキレっぷりに驚いた。
本作のサプライズであるイルミナティのメンバーには素直にびっくりしたが、ワンダのかませ犬感が強く、もう少しイルミナティの活躍が見たかったと感じた。
自身の予想がいかにちっぽけだったかと思わせるほどの圧巻のスケールで期待やハードルを超えるこのドクターストレンジを是非体感してほしい。
はじめまして。キレキレでしたね。なんだか他作との関係で「難解だ。」と書いている方が多いのに驚きました。結構、単品でもイケるのにと思います。失礼します。😊😊