「狂騒曲」ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
狂騒曲
MCU劇場鑑賞5作目。スパイダーマンNWHは昨年の試写会で観たので割と久しぶりのMCUです。ワンダヴィジョンも鑑賞済み。
前作もドラッグ級に酔わせてくれる映画でしたが劇場で見ると見ないとじゃ迫力も体験も遥かに違いました。最高に目がバッキバキになりました。
ドクター・ストレンジがマルチバースの扉からやってきた少女アメリカを助けるために様々な宇宙を巡る冒険ものとしても面白くなっていました。
まず初っ端のモンスターパニック。ウルトラマンに出てきそうな巨大目玉の怪獣との多種多様なアクションが楽しかったです。こう見るとストレンジは他のヒーローたちに比べて戦い方が豊富ですし、映像面での迫力も狭いところでも広げたところでもサム・ライミの色が出まくってて最高でした。
他の宇宙のストレンジとの戦いの音符バトルも協和音vs不協和音の切れ味鋭い戦いがCGの美しさとカンバーバッチの表情から伝わる真剣勝負っぷりにテンションはMAXでした。ゾンビストレンジも「死霊のはらわた」などのホラー映画を務めたサム・ライミが出ていますし、ゾンビストレンジも無骨な感じがして非常にかっこいいです。
イルミナティの面々を簡単に殺してしまうのもサム・ライミが良い意味でMCUに思い入れを持っていないのが分かり、ファンサービスをしつつもあっという間に自分のペースへと戻してしまう腕っぷしの良さを見せられました。殺し方もホラー映画で見るような奇天烈な殺し方で、能力の限界を超えてしまい破裂するブラックボルト、細胞をワンダ/スカーレット・ウィッチにグチャグチャにされるミスター・ファンタスティック、自身の盾を跳ね返され胴体真っ二つになるキャプテン・カーター、圧死してしまうキャプテン・マーベル、能力の隙間からホラー仕立てな殺され方をされたプロフェッサーXと、今後のMCUの影響なんかつゆ知らず、無邪気にやりたいことやったサム・ライミすごい。
アメリカ・チャベスが見た違う宇宙のストレンジの危うい選択を長く行動を共にしたストレンジがしっかりと彼女の意思を尊重し、力を自分のために使う事を示唆するのは一種の成長が見られて嬉しかったです。
難点という難点は無いのですが、ワンダはあまりにも救いがないなーと思ってしまいました。ワンダヴィジョンからの彼女はとにかく辛そう。どこかで救いのあるストーリーが展開される事を望みます。あとこれは製作陣が悪いというよりかは某ネズミ王国の策略で、ドラマと映画を毎作毎作繋げてくるのはどうかなーと。ディ○ニー+に入会させたいのは分かるけどあまりにも露骨すぎて入ると入らないの境界線にずっと立っています。その商売はキライ。
今作でもウォンは良いキャラしてますし、グロ描写もマーベルのギリギリをゆく気持ち良さですし、次回への伏線のためにまた違う世界にストレンジは飛びますし、オチは監督とお友達のお遊戯というやりたい放題っぷり。フェーズ4の中でも異彩を放つ作品が誕生してしまいました。
鑑賞日 5/4
鑑賞時間 15:35〜17:50
座席 I-4