「自問自答とNEVER AGAIN」復讐者たち グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
自問自答とNEVER AGAIN
家族が殺されたら…
親が、妻が、夫が、子どもが、兄弟が、姉妹が…
あなたならどうする?
自問してほしい。
エンドロールの最後に黒い画面の真ん中にくっきりと示された『NEVER AGAIN』の文字。
戦争やホロコーストに関しての直接的な意味合いでなら、どのような文脈であろうと誰の心にも届く自明なメッセージかもしれません。
でもこの映画の語りかけは、鑑賞者それぞれの個人レベルの日常にまで届いてきます。
喜びや悲しみなどの一次的な感情の中で、一番コントロールが難しいのが、たぶん〝怒り〟。
(一次的な感情を受けて、反省したり、向上心を奮い立たせたり、自他を問わず、何かに働きかけるような心の動きを二次的感情ということします)
私たちの社会生活の中には、怒りに任せた「プランA」がたくさんあります。
ちょっと待った❗️
怒りに任せてるのに計画的ってあり得ないんじゃ?
ところが、そうでもないんです。
例えば、自分の感情のコントロールがうまくできないパワハラ系の管理職をイメージしてください。
「あいつ、いつも報告が遅い。今度は皆んなの前で叱ってやろう」
本当は、その部下に自問自答させ、本人に気付きを与えるように導くほうがいいと思うのですが、懲らしめたい、という持続性のある怒りによる感情に支配されてしまうことって結構あります。
(戦争犯罪における苦しみや葛藤と並べてしまうと、不謹慎のように映るかもしれません。
不快に思われた方、申し訳ありません。)
でも、幸いなことに平和な状況(経済格差やコロナ禍による様々な困難があるにしても)で日々の生活を送ることができているからこそ、冷静に〝怒り〟の感情
をコントロールする訓練を積むことがとても大切なのだと思います。
冷めない怒りが充満した社会は、イライラ感が増し不寛容になり、扇情的な意見が主流派となってしまう可能性が高まります。
ネットで短絡的な攻撃(口撃)をしたくなった時、或いは人間関係で「あいつ、許せない」と思った時などは、自分の持続する怒りの感情を冷ますために、自問自答を繰り返すことがとても大事だと感じました。
今晩は
映画と全然関係ないのですが、この頃、”彼の人”が猛威を振るっていた事が良く分かる共感数のバラツキに驚きました。
嫌な想い出なので、勿論返信不要です。では。