「トランシーバー」こちらあみ子 Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
トランシーバー
笑いもあるが笑えない。画面を境にして安全地帯にいる我が身にあって、偽善者にすらなれないであろう不寛容な自分に鞭を打つ。誰が救えようか。あみ子にとってはその人生だけが与えれたもの。他人から不幸に見えても、本人にとっては比較はできない。拒絶されれば心中にて語りかける。発達障害の話ではない。一方通行のトランシーバーは誰にもあること。辿る道は険しいが、怖くなんてない。海に入って浮かぶ幻想に訣別するシーンは相米映画を思い起こす。「おめでとうございます」と言ってあげたい。
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