「今世紀一番しんどかった映画」こちらあみ子 カメラこぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
今世紀一番しんどかった映画
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純粋無垢とか素直とかいうのは簡単だし、力強く生きてほしいとか言うのも簡単。
継母は心が壊れた。
10円ハゲが出来た兄は家に帰らなくなった。
父はあみ子を持て余して捨てた。
確かに親を含めた身近な大人に知識とサポートが有ればあみ子にとって、そして周囲の人間にとって別の未来があったと思う。
でもこの結末はどうしようも無い。
発達障害的なものと思うけど、今もきっとどこででも起こりうる事だと思う。
お化けに呼ばれて海に入らなかったあみ子。
大丈夫、じゃないんだよ。と思う。
周りは全然大丈夫じゃない。
だからせめて、ひとかけらの客観性を持たずに生き続けてほしい。
ひたすら己の内側の声にだけ耳を澄ませて生きてほしい。
海に入らなかったのなら、お化けについて行かなかったのなら、最後まで何にも耳を貸さず貫いてほしい。
などと作中のあみ子に辛くなるのは、家族やのり君に申し訳なくなるのは、あらゆる場所でズレた発言行動をし続け、周りに人が居ないまま中年になり、先日ADHDだと診断された私だからだと思う。
自分を振り返り自己嫌悪に陥るには十分過ぎるほどの客観性があり、そして決意も決心もいつもあっという間に忘れてしまう毎日を過ごす私には、この映画は辛過ぎる。
ということで見返す事は絶対無いと思うし、冷静になって評価が出来ないけど(星の数は0にも5にも出来ないので2.5とします)、この映画の存在を、私自身を忘れないように残します。
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