「【不可思議なる諧謔と、哀しみが漂う作品。少し変わったコミュニケーション不全もしくは発達障害に見える“あみ子の見ている世界観”が不思議な余韻を残す作品でもある。】」こちらあみ子 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【不可思議なる諧謔と、哀しみが漂う作品。少し変わったコミュニケーション不全もしくは発達障害に見える“あみ子の見ている世界観”が不思議な余韻を残す作品でもある。】
■あみ子(大沢一菜)はちょっと風変わりな女の子。
優しいお父さん(井浦新)とお兄ちゃん、書道教室の先生でお腹に赤ちゃんがいる口元の黒子が印象的なお母さん(尾野真千子)、憧れの同級生・のり君たちと元気に過ごしていた。
だが、彼女のあまりに純粋無垢な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていく…。
◆感想
・あみ子が、流産してしまったお母さんと流産した”弟”の為に立てたお墓。
ー だが、母はそれを見て狂ったように泣き出し、それ以来精神に不調を兆し入院する。-
・あみ子の兄も中学に入ってから、不良になりバイクを乗り回し、家には帰って来ない。
・唯一、あみ子の面倒を見ていた優しき父も、ある日”引っ越しをしよう・・。”とあみ子に言い、お婆ちゃんの家に引っ越しするが、”家に帰らないと・・。”と言い残し、あみ子を残し一人帰ってしまう。
■それでも、あみ子は一人海岸に行って、足元の波を蹴り上げながら遠き水平線を見つめるのである。
そして、海上には、中世の人々が船に乗って彼女を応援するかの様に手を招いてくれているのである。
<あみ子は自由に思った事を実行しているだけなのに、周りの人を混乱させて行く。
もしかしたら、彼女はコミュニケーション不全もしくは発達障害なのかもしれない。
今作は、そんなあみ子を俯瞰した視点で優しく描く。
中世の西洋の人々が突然現れて、行進するシーン・・。
“あみ子の見ている世界”を映像化したかのような不可思議なる諧謔と、哀しみが漂う作品である。>
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