「自分の意思が不変であれば人間は生き続けられる」こちらあみ子 ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の意思が不変であれば人間は生き続けられる
あみ子から見る世界はけっして壊れていない。
弟(妹)の死は、「生まれてきたもん。生まれてきたけど死んどった」
母親は心の病になり、兄は不良になり、両親は離婚へ。あみ子も不登校に。
端から見ると壊れているのに、あみ子の世界はやはり壊れていない。
そこに、壊れていく運命に翻弄される少女の姿はない。
その類のお涙頂戴の物語は数多くあるけれど。
運命は変えられない。世間の目も変わることはない。
でも自分の意思はいつでも変わらない。
自分の意思が不変であれば人間は生き続けられる。
原作の今村夏子のポリシーが、見事なまでに再現される。
映像でしか描けない、あみ子この一瞬見せる悲しげな表情にぐっとくる。
あみ子のイメージにぴったりの大沢一菜に目が潤む。
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