劇場公開日 2022年7月8日

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「自分の意思が不変であれば人間は生き続けられる」こちらあみ子 ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0自分の意思が不変であれば人間は生き続けられる

2022年9月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 あみ子から見る世界はけっして壊れていない。
 弟(妹)の死は、「生まれてきたもん。生まれてきたけど死んどった」
 母親は心の病になり、兄は不良になり、両親は離婚へ。あみ子も不登校に。
 端から見ると壊れているのに、あみ子の世界はやはり壊れていない。
 そこに、壊れていく運命に翻弄される少女の姿はない。
 その類のお涙頂戴の物語は数多くあるけれど。

 運命は変えられない。世間の目も変わることはない。
 でも自分の意思はいつでも変わらない。
 自分の意思が不変であれば人間は生き続けられる。
 原作の今村夏子のポリシーが、見事なまでに再現される。
 映像でしか描けない、あみ子この一瞬見せる悲しげな表情にぐっとくる。
 あみ子のイメージにぴったりの大沢一菜に目が潤む。

ジョー