劇場公開日 2022年7月8日

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「子供時代との決別。」こちらあみ子 レントさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0子供時代との決別。

2022年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

知的

人は皆自分の内なる世界を持っている。同じ世界に住んではいても人々の内なる世界はそれぞれ異なる。社会においては成長する過程において皆が内なる世界を捨て、あるいは外の世界と折り合いをつける術を身に着けてゆく。
あみこはそれが出来ないかあるいは人より遅れている。だからなにかと外の世界では変な子と見られてしまう。

画一化を目指す今の日本の学校教育では天才は育たないと言われる。子供の個性を伸ばすのでなく同じように行動する人間の育成が第一だからだ。かつて軍隊や工場労働者の大量生産のためにはそれでよかったのかもしれないが、現代において新たな発想ができる突出した能力の育成には不向きであろう。

あみこは学校でもつまはじきにされ、家庭も崩壊してゆく。父にも捨てられたあみこは内なる世界の住人と別れを告げる。そうして彼女は子供時代との決別を遂げるのであった。

レント