「突然すごい傑作が湧いて出ることってあるよね」ベイビーわるきゅーれ Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
突然すごい傑作が湧いて出ることってあるよね
これはスゴイ。
アクションのレベルが高いから、脚本がしょぼくても観られると思うの。
脚本がスゴイから、アクションしょぼくても観られると思うの。
なのに両方スゴイから、もうスゴイ。
アクションは伊澤彩織のキレがすごいね。『《RE:BORN》っぽい』と思って観てたんだけど、《RE:BORN》の研修生オーディションに受かってトレーニング始めてるらしいから、その影響かな。
高石あかりはガンアクションが中心だけど動き早くてしっかりしてた。相当、練習してるんだろうな。
話は「女子高生が殺し屋で、殺しに関するところ以外は普通だったら」っていう設定で描かれてて、「こんなこと言いそう」「こんなことやりそう」っていうシーンが溢れてる。
すごくぶっ飛んだエピソードが多くて、遊んでるシーンも多いんだけど、まとまってる。キャラ設定がしっかりしてるのかな。
一応、殺し屋女子高生二人の対立と、成長に伴う和解っていうストーリーの基本線もあるのね。
敵役のヤクザもぶっ飛んだ設定になってるんだけど、そこきっちり描いてるね。団子屋の「200万円」のシーンで『こいつ……ヤバい』ってやってるから、メイドカフェでキレても納得感がある。
死体の始末屋とのやり取りも面白いの。違う分野だったら普通にありそうな会話なんだけど、殺し屋と始末屋の会話だからシュール。
コンビニの面接してたら突然殺し合いが始まるオープニングも良かった。
「さすがにこれ『妄想でした』ってやんなにと収まんないだろ」と思ってたら妄想で、普通の話になるのかと思ったら殺し屋設定は本当だったっていうのも良かった。
これだけレベルの高い内容を、そこまで有名でない俳優でやってきて、傑作にしてるのすごい。
監督・脚本の阪本裕吾さんの作品は今後も観ようと思います。