ももいろそらを カラー版

劇場公開日:

ももいろそらを カラー版

解説

「ぼんとリンちゃん」「逆光の頃」など思春期の少年少女たちの心の機微を描き続けている小林啓一監督が2011年に手がけた青春映画「ももいろそろを」。移ろいやすい高校生の日常を全編モノクロームの映像で描き、東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」作品賞を受賞するなど高い評価を得た同作を、製作から10年を経てカラー版で公開。新聞記事の採点を日課にしている高校生の川島いずみは、ある日、30万円の大金と学生証の入った財布を拾う。記載されていた住所を頼りに持ち主の家と思われる大邸宅を探り合てたいずみだったが、その表札の名前を、過去に新聞記事で目にした記憶がよぎる。気になって図書館で新聞を調べてみると、財布の持ち主が天下り官僚の息子であることがわかり……。

2020年製作/113分/G/日本
配給:フルモテルモ
劇場公開日:2021年6月18日

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映画レビュー

4.5この天才監督を正当に評価する言葉を知らない‼️

2023年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

所謂見たことのあるタイプの映画の評価を直線上で傑作、駄作と評する事はたやすい。しかしこの作品の様に映画を知り尽くしていながらかつて見た事の無いようなタイプの作品を作り上げる事は至難の業である。カラー版もモノクロ版もラストに黒澤の影響が強く感じられて本当に映画をよく分かっている監督だな~と思う反面、このシナリオをいったいどうやって書き上げる事が出来るのだろうといつも感心する。また書き上げる事が出来たとしてもこれを高校生に近いような俳優陣に演じさせる演出法は見た事がない。敢えて言えば小津か森田芳光か相米慎二くらいか・・・。それにしても頭抜けてる。 常に露出過多のPOV方式のカメラワークも秀逸である。女子高生と言う得体のしれない生物を撮影するにはこれ以上ない方法論。何処をとってもこの監督の作る映画は誰もマネできない唯一無二の世界。まだ未見の作品が何点かあるのでこれからも潰して歩くのが楽しみで仕方がない。

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mark108hello

4.0世の中すべてお金...なのか?

2022年12月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

幸せ

「殺さない彼と死なない彼女」「恋は光」の小林啓一監督、初の長編作品。本当はモノクロバージョンが良かったんだけどねぇ。U-NEXTがカラー版しかないもんですから、仕方なくこっちで。でも、流石小林監督。さすがの面白さでした。 やっぱりこの監督はキャラ付けが上手い。 全員個性的なんだけど、どこか抜けていて、どうしようもない。主人公含め、どの登場人物も人間臭い。しかも面白いのが、登場人物全員、映画が終わる頃には格段に成長を遂げているということ。ちょっとしたことで人は変わる、ちょっとした経験が影響を与える。この監督はいつだって、そのテーマを忘れない。だから好き。 ストーリー、キャラクター共にかなり変わっているんだけど、それが故にめちゃくちゃ笑えるし、シュールでたまらない。何度もみたいシーンなんて沢山ある。適当な感じに見えて、実はしっかり考え尽くされている本作。伏線回収もお見事で、ラストも最高にいい。 正直、小林監督作の2作品と比べると、ストーリーは弱いし、見応えも薄いんだけど、らしさ全開でかなり面白い。いやぁ、本当によくできてるこの映画。また新作、待ってます。ちなみに、恋は光は本年度(2022年)1位です。

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サプライズ

4.0所持したい映画

2021年8月14日
PCから投稿

日本映画をザ日本映画と称して貶すことがありますが、ときどきじぶんの見識が具体性に欠けていると思うことがあります。 (もちろん素人が勝手なことを言っているだけなので、どうでもよろしいことですが・・・。) 「ザ日本映画」にいくらかの具体性を付与するために、ザ日本映画の系譜ではないひと(監督や映画)を挙げます。現代に限ったチョイスです。いま思いついた限りなので網羅性はありません。(挙げられてない人がいるはずですが、そもそもすべてが偏見にみちた個人の見解に過ぎません。) 中村義洋、中島哲也、李相日、是枝裕和、原田眞人、鈴木雅之 ・・・。演出ができる監督は、ザ日本映画ではありません。また、テレビドラマを主軸にしていて、さほど映画監督としての知名度のない演出家──真夏の方程式・祈りの幕が下りる時・罪の声・グッドモーニングショー等々の監督も、ザ日本映画の系譜ではないと思います。(グッドモーニングショーの世評低いですが、個人的には高評価です) さいきんの傾向として、テレビ畑の演出家の映画が、さらりとザ日本映画を凌駕することが多い気がします。日本映画がアート側から輩出されず、西谷弘福澤克雄土井裕泰君塚良一のようにテレビや技術畑から出る人たちで構成されていたら、日本映画の混迷はなかったはずです。ひとつの結論として、映画をアートだと捉えている人はアウトだと思います。 北野武、庵野秀明、岩井俊二は別枠で、濱口竜介も日本映画にいなかった人です。 氷菓という映画があって、わたし(も)山崎賢人は好きじゃないのですが、世評に反して、わたしには氷菓の実写版がすごくいい映画でした。で、アニメ版も見ましたが氷菓の実写版は、やっぱりいい映画でした。ので安里麻里監督を個人的に買っています。 逆にどんな映画がザ日本映画かと言うと三島有紀子園子温河瀬直美瀬々敬久塩田明彦蜷川実花熊切和嘉高橋伴明荒井晴彦石井岳龍奥田瑛二行定勲石井隆大森立嗣廣木隆一SABU・・・などなど。(行定勲の円卓、熊斬切和嘉の海炭市はいずれもよかったです。ぜんぶ見ているわけではないので、なかにはいいのがあるかもしれません)21世紀の女の子系は言うに及ばす。山中瑶子はフルスロットルでザ日本映画です。深田晃司もふつうの不条理でザ日本映画です。黒沢清はザ日本映画ではありませんが(個人的に)力量がまったくわかりません。 ザ日本映画の見分け方は簡単で、日活ロマンポルノを思わせるとザ日本映画認定です。ふしぎなことですが日活ロマンポルノを知らない世代でも日活ロマンポルノをしてしまう──のがザ日本映画の系譜です(例:21世紀の女の子) (ザ日本映画にたいして昭和感(時代遅れの印象)と同時によくおぼえるのが「それは映画でやることじゃない」の気配──です。松本人志の映画を、わりと面白く見ました。だけど、なんていうか「それは映画でやることじゃない」わけです。奇抜なアイデアではあっても「それは映画でやることじゃない」の印象は、はやいスピードで陳腐化するものだと思います。 若い人が撮影のシステムを知らずに脚光を浴びた結果、強靱なザ日本映画の作家になっていく──そんな悪循環がザ日本映画界にはあるような気がしています。21世紀の女の子なんて、もてはやすのも罪深いと思います。) ところで、さいきん「あ、これザ日本映画じゃないぞ」の体験は濱口竜介監督でしたが、そのまえはももいろそらをの小林啓一監督でした。注視してきましたが、その後ももいろそらをの感動は得られませんでしたが、ザ日本映画の監督ではありません。 この(オリジナル白黒版の)DVDを持っていてなんども見ています。 カラー版が公開されたことを知りませんでした。ようするにわたしはこの映画を見ていません。が、カラー版告知動画の、極彩色の池田愛を見て衝撃を受け、その勢いでレビューを書いてしまいました。メディア化おねがいします。 わたしはかつて、ももいろそらをのオリジナル白黒版のレビューにこう書きました。 『いったい何度、池田愛をググったかわかりません。この女優の愛すべき下手さは、まるで街頭でニューヨークヘラルドトリビューン!を繰り返し叫ぶジーンセバーグのようにフレッシュな映画的魅力がありました。やっぱりサンダンスは信頼できます。』 かわいい映画です。かわいいとは容姿の形容としてのかわいいではなく、こじんまりとして、しっかり世界観があって、独自性がある──というような意味合いです。池田愛の下手が気にならないどころか、むしろ愛着がわきます。佐藤役高山翼のめんどくさそうな気配もいいです。映画に、映画的アイデアがあります。新聞記事を採点するJK→財布をひろう→佐藤につながる→新聞づくりをさせられる→ゲイがばれる→なんか死んじまう→カラースモークしこむ。すべて小さなできごとですが、オリジナリティがあります。じゃー自首してきますわとかあいかわらずばかかとかロバートパティンソンに噛まれたいわとか──セリフも楽しいです。 ザ日本映画の見分け方は簡単で、日活ロマンポルノを思わせる──と書きましたが、もうひとつ顕著なのは、承認欲求です。映画が「おれの描く世界すげえだろ」の印象を持っています。賞ほしさに身もだえしている気配やオレオレ感があります。(とりわけ園やSABU)そんな外国映画を見たことありますか?ザ日本映画だけがもっている特徴です。 かわいい映画は承認欲求が払拭されていることが前提条件です。ももいろそらをや、たとえばフランシスハに、だれかに褒められたがっている気配がありますか?かわいい映画は、何も望んでいないフォルムを備えています。カンヌどころかサンダンスも──いや、出品しなくてもいいですよ──の無欲が「かわいい」の根拠です。 この映画とフランシスハにはなんの関係もありませんが「かわいい小品」なのでわたしのなかでは似ています。フランシスハは単館からじわじわ拡がった映画なので、おそらくひっそり公開される──立ち位置も似ていると思います。が、個人的にこういった小品こそグランドシネマサンシャインとか最大級の箱で見たいものです。ノアバームバックがカラー化を承諾してももいろそらをとフランシスハのカラー版の二本立てをやったら、最高だと思います。 繰り返しますがわたしはこの映画を見ていません。が、カラー版の告知動画で色つきの池田愛を見て、衝撃を受け、レビューを書いてしましました。すいません。

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津次郎

3.0ハートキャッチいづみちゃん

2021年7月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

寝られる

2021年映画館鑑賞66作品目 7月18日(日)フォーラム仙台 モノクロ版未鑑賞 オリジナルは2011年の作品 だからスマホではなくガラケー 女子高生3人と男子高生1人を中心としたコメディー映画 出演者は『ぼんとリンちゃん』にも出ていた桃月庵白酒しか知らない 主演池田愛演じる川島いづみ 声が大きい 暴言癖 立憲の某国会議員のように新聞の記事を読んで採点をするのが趣味 発言内容は日刊ゲンダイやリテラ以上に猛烈に臭い 不機嫌な時の顔が面白い 30万入った財布を警察に届けず知人の印刷屋に20万貸してしまういけない女子高生いづみ なんやかんやで女友達2人と財布の持ち主と一緒にポジティブな新聞を作る羽目に その新聞のおかげで印刷屋は借金返済するというなかなかな展開 インディーズだろうか 石井裕也監督の初期の作品にちょっと似た感じがする だが石井作品と比べテンポが悪く眠くなる人がいてもおかしくない なぜ今どき(といっても今から10年前の作品だが)モノクロで製作したのか理解に苦しむ 初めからカラーで良かったのではないか 時代劇ならともかく現代劇でモノクロ撮影するなんて監督のマスターベーションとしか思えない ボーリング場で膝枕するシーン エッチなバイトで稼ごうとしたが経営側が門前払いで掌返し女友達に謝罪するシーン わりと好き

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野川新栄

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