「黒人音楽の深い理解者ではないし、USAにおける黒人差別問題を語れるような資格も無いが、このドキュメンタリー映画の音楽のパワーには圧倒される。」サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時) もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
黒人音楽の深い理解者ではないし、USAにおける黒人差別問題を語れるような資格も無いが、このドキュメンタリー映画の音楽のパワーには圧倒される。
①先ず、5th Dimensionのまだ若く美しいマリリン・マックがその美しい声で『Aquarius』の“When the moon is in the Seventh House…” と歌い出すところで感動してしまった。この映像、何度でも繰り返し観たい!②その後も黒人音楽のそうそうたるレジェンドたちが登場する。マヘリア・ジャクソンの映像は初めて観た。スライ&ファミリーズもニーナ・シモンも。70年代以降今日に至るcontemporary musicが全て大なり小なりここで披露されるあらゆる黒人音楽に影響されていることが良く分かる。それだけでも価値の高いドキュメンタリーだ。③然し、この「ブラック・ウッドストック」とも呼ぶべきこのドキュメンタリーが50年間も時の流れの中に埋もれ忘れられていたという事実が、USAにおける黒人差別問題の根深さを証明している。最近のBlack Lives Matters Movementを考えれば、このドキュメンタリーの中で語られる種々の問題が50年を経た今も解決されていないのが良く分かる。USAでの人種間差別問題や格差問題を日本人が本当に理解出来るかどうかはともかくとして(私自身も正しく理解出来ているかどうか疑問であることを自戒として★の数を半分減らしてある)。④ともかくUSAの歴史・社会・文化の一瞬間を音楽の力とともに捉えた優れたドキュメンタリーだと思う。
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