劇場公開日 2021年8月27日

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「終わりの始まり」ショック・ドゥ・フューチャー Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0終わりの始まり

2021年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

最近、映画館「シネマカリテ」で観る映画は、ハズレばかり。
でも、“とんがった”嗜好に振れているのは、映画館独自の特徴としては悪くない。

電子楽器の本当の“草創期”における試行錯誤の苦労話かと思ったら、違っていた。
一般人には手に入らないとはいえ、すでに市販の機器さえ登場している時期の話だ。
この時点で、すでに映画としてガッカリである。

そして、主人公アナの作る音楽のリズムは、定番の「4つ打ち」オンリー。
才能がなくてもある程度は作れてしまうし、量産できるタイプの音楽だと思う。
「ハウス」の誕生がこの頃らしいので、当時としては新しかったかもしれないが。

「悪貨が良貨を駆逐する」。
“デジタルミュージック”および“ミュージックビデオ”の登場が、ポピュラー音楽が貧しくなった原因と思っている自分としては、これが「終わりの始まりだったのだな」という感慨をもった。
未来(フューチャー)が、常に良くなるとは限らない。
映画の後半で、スタジオの生演奏を見学するシーンが出てくるが、そちらの音楽の方がスキだらけで、それが心地良かった。

劇映画としては、中身がなさすぎる。
ある種の青春映画だが、“ミニマル”という表現すら、おこがましいほど内容が無い。
「この狭い一室から、全世界を驚かせる音楽が生み出されたのだ!」となれば良かったのだが、音楽的にもストーリー的にも全くそうではない。

特に、映画のテーマが「男性優位の音楽業界」や「女性ミュージシャン」というのならば、主人公アナ役に“若い美人”を起用するのは、あくどいし、おかしいだろう。
(ホドロフスキー監督の孫と知って、驚いたけど。)
わざわざ外国から輸入して、映画館で上映するレベルの作品では無いと思う。

Imperator