MINAMATA ミナマタのレビュー・感想・評価
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何度でも凡ゆる角度から語られるべき水俣
水俣病を描く映画はこれが最初ではないかもしれない。私も以前、水俣病資料館を訪ね、映画にもできないくらいの辛い現実があることも多少は知っている。それでも、よく映画にしてくれたと思う。やはり新しい世代には新しい映画で伝えないといけない。今回は写真家の視点から描かれたわけだが、まだまだ色々な角度から語られるべきだ。今日でもチッソの後継企業は水俣にあるし、埋め立てなどで景観も変わったなか、当時の再現は難しかったと思う。このような社会派の映画に出演したジョニー・デップの心意気に敬意を評したい。水俣には残された問題がまだあり、エンドロールのキャプションで2013年に日本の首相がこの問題を克服したと語ったという発言を引いた字幕が流れるが、もちろんこれは安倍晋三のことである。
「MINAMATA」を見て感じたこと
1 水俣病を世に問うた写真家・ユ−ジンスミスの活動を描くとともに、ジャ−ナリストとしての矜持と信念を示す。
2 水俣に到着直後、スミスはカメラを手に外に出て、傍らの人にカメラを向けると、誰もが顔を隠す。スミスは著名な写真家であったが、地元民からすれば、しょせん「お客さん」にすぎなかった。そんな彼は、拠点を設け、患者・家族との交流や抗議集会への参加を続けた。企業は、影響力のあるスミスの本気度を感じとり、妨害工作や暴行を加えた。こうしたことで、患者家族は、スミスを「戦友」として受け入れ、患者と家族が慈しむ場面や壮絶な障害のある姿をカメラにさらけ出してくれることとなる。母と患者が沐浴する所を撮影している場面では静かな感動をもたらした。
3 スミスは、子の親としては失格、自分勝手、アル中、金欠と模範的な人間ではないが、弱者への温かな目を持ち、金に魂を売り渡さない矜持と信念の持ち主である。演じたジョニ-ディップは、その人物造形と演技ともに出色の出来であった。そしてアイリ−ンは、スミスの大事なパ−トナ-でありとても魅力的な人物であった。美波は好演。スミスとライフ社のボブとの長い付き合いは社会人としては羨ましい限り。
4 冒頭はカット割りがちょっとうるさかったが、次第に落ち着いてきた。画面の構図や赤や青の色合いが印象的でとても良かった。
5 水俣市は、原因企業の城下町故に住民に分断と対立があることも示していた。無くなったと思った写真のネガをスミスに届けたのは、恐らく社員でもある地元住民だったのであろうと思う。そして、水俣病での患者と家族の苦しみは今もなお続いていることを忘れてはいけないと思う。ただ、エンドロールで世界で発生した企業による公害が紹介されていたが、この映画との関わりを考えるとなくても良かったと思う。
俳優さんたちが魅力的
ユージン・スミスの、プライドと弱さ、その中でも何か結果を残したい、というプロ意識、そういったものが混ざった人物像をジョニーデップが本当にその人がそこにいるように演じていた。さすがだと思った。
美波、真田広之、加瀬亮、國村隼がそれぞれ魅力的。
國村さん、加瀬さんの英語が上手いのに驚いた(すみません)。
撮影場所が日本でなかったことが残念。
迷惑なんて知らないから自分よければ全てよし!"結局他人事"な世界で
日本人キャストは中心的な登場人物たちをハリウッド映画など世界的に活躍している安心安全の面子で固める。それ以外の人々には演技力のバラつきはあるものの、それによって本作の真実味が損なわれることはない。照明などと相まってそのまま写真になりそうな画もあって、実際それが写真になるという演出も。坂本龍一さんの音楽はじめ、監督が題材となった"日本"にこだわって製作したのが伝わってくる。
無論坂本龍一さんはそういうこと抜きに素晴らしい音楽家であり、他の本作に関わっている日本人たちもきっと本作のメッセージ、発信すべきことに共感したからこそ集ったはず。そうした実話として題材と丁寧に向き合いながら、最後には世界各地で今尚起こっている、そして被害の続く他の公害に目を向ける。1枚の写真が1000の言葉より伝えるもの。同日に見た『空白』と両作で、奇しくもメディアの危険性と可能性という表裏一体的なものを考えさせられた。
ファミリーマン的イメージで誰もが羨む夫婦だったヴァネッサ・パラディと離婚した辺りからか、天下無敵モードからキャリア低迷の著しかった印象(次の元妻アンバー・ハードに指切り落とされかけたり)のジョニー・デップが製作も務めた入魂作で久しぶりの好演か。
…なんて書いてみたものの、1席空いた隣のおじいさんクソ客すぎて内容頭に入ってこなかった!怒りに震えた話。
P.S. 映画館の民度低下ももう放っておけない、見過ごすわけにはいかないところまで来ている。ずっとビニールシャカシャカシャカシャカ鳴らして、まんじゅうかおにぎりか何か知らないけど、カバン一杯持ち込んだものペチャクチャ食べる。断固としてクチャクチャクチャクチャ食べ続ける。もはやピクニック気分かってくらいにガッツリ食事しに来ていた。クソジジイ!
見た目としてはおじいさんに多い感じのベスト着ていて、映画館に入り浸っては新作のフライヤー片っ端から全部取っていくタイプの雰囲気。注意されても頑として最後まで食べ切る挑戦でもしているのか。注意しないからって気付いていないわけじゃないから。他の人だってそう。特に日本人は元来、人との衝突を避けるはずだし、知らない人に注意するなんてすごくエネルギーを使うから誰だってしたくない。かと言って、それイコール、気にしていないわけじゃない(続く)。
本当に厄日だった。(日頃から割とクソ客引く率高いけど)今日はとことんツイていなくて、他の作品でも着信音だかバイブだか何度も何度も鳴らしている人がいたり、エンドロールに入るなり前のカップル2人ともスマホ触り始めたり…。一度お祓い行こうかな。前日深夜まで働いていたのにこの仕打ち、今日は本当に疲れた。頭に血上りすぎてかボーッとクラクラしている。
ジョニー・デップ ありがとう!
ユージン・スミス 水俣…
知ってはいたが、深くは知らなかった…
エンドロールで流れる、世界の環境被害…
先ずは知ることからだろう。
そして、今も水俣の被害は続いている。
坂本龍一の音楽も美しい。
ジョニー・デップの社会的な関心と情熱が、この作品を生んだ。
実際の妻、アイリーンは、今でも、人権問題と関わりあっている。
映画として、実際のユージンの写真や当時のフィルムなどは抑え目に挿入されて、全体的な構成のバランスが素晴らしい。
必見の拡散運動をしないと❗
水俣病は終わっていない
今作を通して、ジョニーデップ演じたユージンスミスや国や企業と戦い続けた人達がいなければ、公害問題は埋もれていたかもしれない、そして、まだ水俣病は終わっていない、世界でも公害はいまだに起き続けていることを改めて認識させてくれた。
水俣病の痛ましさ、経済発展の裏に潜む企業の横暴、私たちが目を背けてはいけない事実を突きつけた価値ある作品だと思った。
また、坂本龍一が手がけた音楽、特にメインテーマが非常に頭に残った。
そして、何より公害の歴史を忘れてはならないと自らも製作として本作に携わってくれたジョニーデップに感謝したい。
ジョニーデップではなく、ユージンスミスという写真家として水俣病と闘った男として本作を観ることができたし、それだけ役に入り込めていたのかなと思った。
また、役柄がかつては高名な写真家だったが、今は低迷している部分が今のジョニーデップと重なる部分もあり、今作のようにまた復活してくれるのかなと期待が持てた。
ジョニーデップ
彼の色んな作品を見てきましたが、一番好きかもしれないですね。新境地な感じでしょうか。彼が監督もしているので、本当に彼が今、やりたい役、ストーリーなのでしょうね。日本人が忘れつつある水俣病にフォーカスを当てて、今もまだその問題が続いている事を再認識させられました。
病ではなく“ひと”にスポットを当てた映画
まずはこの作品を作ってくださったことに感謝です。
題材がかなりセンシティブな内容なのでどうなることかと思っていましたが、蓋を開けてみれば『水俣病』自体より、そこに関わる人々との心の交流がメインのお話でした。
ただの被写体としてではなく自分と同じ人間として、ただし現地の人と自分自身の間はきっちり線を引いて“やるべきこと”に徹するジーンの姿が、非常に印象に残りました。
どちらかと言えば、水俣病というよりもユージン・スミスという人物に重きを置いた作品。
それでも、水俣病のことを知らない世代が過去を知る、貴重な動機付けのひとつとしては十二分に作用する作品と思います。
ところで、他のレビュアーさんの中でキャストの選出に違和感を覚えられた方がいらっしゃいましたが、この映画を観そうな海外の層(やや上の世代向け)でも知っていそうな日本人(補足:真田氏、浅野氏、加瀬氏、國村氏はすべて海外の監督の下での撮影経験があります)および英語のイントネーションが聞きやすい日本人俳優と考えると、実際のご本人と異なる背格好や年齢であったとしても、致し方ないかと思います。
若干、脚色してるかな?というところはありましたが、それでも。感謝と、敬意と。
そして日本人としては、もう二度と同じことを起こさないように。
忘れてはならない問題
死期を待つ写真家のユージンは日本の仕事を受けたことで、公害に苦しむ人々の存在を知り…。
水俣病を取り扱った実在の写真家を題材とした映画。公害を否定する企業からの度を越した妨害工作のヤバさを描写しつつも、企業の社員の板挟みの状況も匂わせており公平な作品と感じました。
今だからこそ見るべき!
日本の50年ぐらい前の話です。
外国人はあまり見ない作品かと思います。
でも絶対見てほしいと思う作品です!
水俣病の映画ですがとても美しく描かれています。
心にグサッと来たし私は色々考えさせられました!
ジョニー・デップさんが主役でなくても私は見たと思う作品でしたが出てるおかげもあると思います。
実話なので説得力あるので気になる方は是非見てこれからの環境問題に役立ててください。
私もそうしようと思います!
応援したくなりました。
失礼ながら予想よりとても丁寧に作られてた。丁寧というのは娯楽映画の文脈で丁寧に。本来これ題材であればもっと膨大な状況を描き込まなければならなかったろうにエンタメの文脈で納めている。
かつて名をなしたカメラマンの最晩年の異郷での出会いとそこに巻き込まれて撮りえた作品群。カメラがまさにフィルムレンズを通してのパーソナルにな風景にみえてよい。そしてオールスターの日本キャストも悪くない。
終わった、と思えたカメラマンのこの上ない一枚のシャッターを切るタイミングで息を呑む瞬間を共有できたのはよかった。
そしてチッソ側のやり口がびっくりするくらい今の日本企業や政府のやり口に似ているのでやけに共感を覚え、次第に許せぬ!という気持ちになり、最後の「日本政府は〜」のテロップで本当に拍手したくなった。そのくらい息苦しい日本の現状。ジョニーデップがプロデューサークレジット。やはり拍手ですよ。
「被害にあってるのは大した数ではない」ってまんま自民党発言だもんね。突っ返してくれてありがとう。
日本をしっかり描こうとしてくれたコトに感謝。
今、水俣で生活されている方々にとっては、こういう作品が話題になることで、いつまでも「水俣=公害の街」のイメージを払拭できないというご苦労があるだろうことは同情を禁じ得ない。
社会批判映画にありがちな「まだまだ戦いは終わらない」みたいなテロップのラストではなく、新しい一歩を踏み出した今の水俣を示すシーンがあってもいいはずだが、その辺りは我々が日本人だから特に強く感じるのかも知れない。
映画作品としてのデキは、もうひと息欲しかったかな。
俳優達も演技者としてすごく上手なのは分かるが、どの登場人物も印象的だけど、物語の中ではなんとなくボンヤリしている感じ。
ただ、ハリウッドが、比較的しっかりと日本人や日本の生活を描こうとしている感じは強く伝わってくる。
どうしてもジョニー・デップが庵野監督に見えてしまい、「また何か変なことをするのでは…」と思いながら観てしまったのは純粋にノイズだった。あくまで個人的な印象だけど。
【愚痴】
作品に直接関係ないけど、あの映画評論家は作品を紹介する中で、なんで物語の大事な部分をあんなに明かすんだろうか。(とある番組)
あの写真の具体的な話とか社長の話とか、これから観る人にはホントに不要な(というか、作品を堪能する意味で入れるべきではない)先入観だった。
マジでいい加減にしてほしい。
ホンモノの勇気
観始めてすぐ、さまざまな心情が湧き起こり、身の内が震えるような「魂」の群発地震に見舞われました。ジーンが再起して家族写真を撮る辺りからは、眼からも熱いものが染み出すのをどうにも止められなくなった。(朝イチ回で貸し切り状態で助かったワイ)
ホンモノの勇気とはいったい何か?ユージン・スミス夫妻だけでなく闘争する被害者達やLIFEの関係者などからも無言で教えられた。
この映画にも新たに「勇気の重荷を負うことを選んだ人々」がいるのだと私は思う。
日本を舞台にした社会派ドラマとなると、日本人に撮って欲しかったなどと能天気にほざく御仁が時たまおられるが、企業にとどまらず日本政府も明確に非難するなんて荒技まで考えた時、日本のメディアでは、スポンサー企業からの製作資金は全く集まらなくなると考えて間違いなく、そうした意味において表現の自由はなきに等しい。こうした白黒付けた作品を世に出したジョニーさんたちの勇気と行動力にリスペクトと感謝!
ホンモノの勇気を称えたい
心に訴えかけられる作品
私はまだ若く 水俣病という名前は知っているけど どんな被害にあって その被害の遭われた人達がどんな苦しい思いをしてるかなんて全く知らなかった、 この映画見て思ったのはまだまだ水俣病そして、ほかの公害が引き起こした病気と今現在も日本でもそして海外でも戦っている人たちがいる という現実でした。 身近にいないから知らない とかそういう他人事にはしてはならないこの現状を自分一人の力ではどうすることも出来ない だけどこの映画を通して理解 そして認知されていくといいなと思っています。
主人公を演じたジョニーデップの演技力が凄く
より心に響く作品になってると思います
忘れていた感覚がよみがえる
映画を見て震えが来たのは何年振りでしょう。
ここしばらく忘れていた感覚でした。
ジョニーデップの演技力、ビル•ナイのダンディズム、映像の美しさ、そして、後半クライマックスのお風呂場の撮影シーン。
最後まで震えが止まりませんでした。
P.S
ジョニーデップが民家を訪れたときに微かに聴こえていたバックミュージックは、ボブ•ディランの Forever Young だったような。
選曲がいいですね、ボブ•ディラン世代としては一瞬で日本と世界が繋がりました。
坂本龍一さんの選曲かなぁ、監督かなぁ。
タイトルなし
W Eugene Smith (1918 -1978)
アメリカの偉大な写真家 #ユージンスミス
写真集『MINAMATA』を
1975年にアイリーンと連名で出版
世界中に大きな反響をよんだ
沖縄戦撮影時に受けた傷、トラウマ、
気力を失っていたユージン•スミスが
日本の公害病“水俣病"を取材し
地域の人々、その暮らしに寄り添い
真実に触れカメラにおさめた
.
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公害問題
世界中で苦しんでいる方が沢山いることにも
触れられています
ユージン•スミスの写真や
この作品が語り部となり
もっと多くの方に広がり
もっと考えるきっかけになるといいな
.
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ジョニー
ユージン•スミス本人のようでした
(ユージンにしか見えない)
つまらない
題材は義務教育にもなっている高度成長期に起きた公害問題の一つ、水俣病。
これを日本が作らなきゃって言ってる人がいるけど、水俣病を題材にした映画は勿論、他の公害、環境問題も扱った邦画、小説、漫画等は沢山ある。まるで日本人は今まで扱ってこなかったみたいな書き方はやめていただきたい。
では、映画の感想だが。タイトルにあるようにつまらない。いわゆる批判的な社会派映画だが典型的な展開が続くばかり。日本人を対象にしてないからだとは思うが知ってる話ばかり。演技やセリフは素晴らしいものはあったが、琴線をこれほど触れようとしてくる映画に心動かされるほど私は腐ってないはずだ。
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