劇場公開日 2021年9月23日

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MINAMATA ミナマタのレビュー・感想・評価

全221件中、181~200件目を表示

5.0見終わった後の感じがとてもいい。

2021年9月25日
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いやーいい映画だった。読後感がいいという感じで、映画を見終わった後の感じがとてもよかった。伝えたいことを無駄なくはっきりと提示していて、それが過剰でも過小でもなく、気を衒うこともなく、誠実な感じで伝えられる。色々なことが起きた末に、水俣の人たちがユージンに心を開いて、自分たちの写真を撮らせていき、それが世界に伝わるというところで映画は終わりますが、その写真を映画の中で重ねるんですけど、泣きました。ストーリーで泣いたのではなく、取られた写真をポンポンと提示しているだけなのに、涙が溢れてきます。よくできてるなあと思います。

カリブの海賊野郎がこんな映画を作るとは…ジョニー・ディップはもともと写真が好きなんだそうです。ですからタイトルは水俣ですが、一人の写真家の映画です。レヴィタス監督は、ディップの熱意が映画制作全体を動かしたと言ってます。
日本とフランスのハーフの美波の存在感もとてもいいですね。しかしなんといっても、國村隼。チッソの社長でした。すごいです、相変わらず。

ユージン・スミスが騒動に巻き込まれて怪我をしたのは知っていたけれど、こんな背景があってのことだったのかと。しかも、水俣の問題が世界に普遍的な問題であり、福島第一原発事故で、あまりにそっくりな手口であったことは、私たちもよく知るところではありますが、映画のエンドクレジットで、次から次へと水俣同様の事件がこれでもかこれでもかと並べられる。チッソ社長の言葉はまるで東電の経営陣の言葉に聞こえるし、何も変わってない。何より水俣はまだ終わっていない。それも最後に静かに伝えられます。水俣闘争の中心に置かれた真田広之演じる山崎みつおが、映画の中で、子どもどころか孫世代が闘うためにと言っていたのは、そういうことかと。

ストーリーとしては、ライフ誌社長との関係が心棒として展開する。その話は、今のジャーナリストのあり方を貫くものになっています。資本主義社会が瑣末なこととして切り捨てる人々の生活を報道することの意味を抉り出します。命懸けでユージンとアイリーンはやったということです。

映画を見ていて、ずっとこれは水俣の風景ではないなあと感じながら見ていました。昨年実は念願かなって、初めて水俣に車で行って、水俣周辺をグルグルドライブしたのでわかりました。パンフレット見ると、水俣現地ではほとんどロケされていません。音声は取ったそうです。そういうことからしても、水俣は固有名詞というより、普通名詞化されている。現地ロケでは、当時の水俣は再現できないほど変わってしまっているため、セルビアとモンテネグロで大部分は撮られたそうです。ユージンとアイリーンの話も事実とは時系列的には違っているそうです。でも、その自由さで、記録映画とは違った形で水俣や、それに連なる問題をくっきりと見せることができたんだと思います。

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waiwai

5.0本来なら

2021年9月25日
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160本目。
小学校か?中学校か?授業で習うのは。
その辺で記憶が止まっている。
いや、たまにニュースになっていたかな?
言葉は悪いけれど、臭いモノには蓋をしろ的な部分はあったんだと思う、無意識に。
それにアメリカが撮る映画ではないと思う。
日本が撮らなきゃいけない映画。
そう言った所でも、蓋しちゃってるじゃないかと。

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ひで

3.5國村隼は英語も上手かった

2021年9月25日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

難しい

1971年、アメリカを代表する写真家だったユージン・スミスは、落ちぶれ酒に溺れる日々を送っていた。そんな時、アイリーンという女性から、水俣市のチッソ工場からの廃液により、苦しんでいる人々を撮影してほしいと依頼された。水俣に来たユージンはメチル水銀の影響で歩くことも話すこともできない人たちの姿や、被害者の抗議運動、それを金と暴力で押さえ込もうとする工場側という光景だった。カメラを向け続けるユージンだったが、社長から金で買収されかけたり、現像場に放火されたり、暴力をふるわれ目、手、などを負傷してしまった。それでも、アイリーンや協力者のお陰で、写真をライフマガジンに送る事ができ、雑誌に掲載されたおかげで、解決に向け多いに貢献したという話。
水俣病の事は学習してたつもりだけど、こんなカメラマンがいた事は知らなかった。
チッソってあんなに人命を軽く見ていたのかと唖然とした。
アイリーン役の美波とチッソ社長役の國村隼の英語は上手かった。
当時の社長の孫が雅子皇后ってのも「救済は終わった事」にしたい理由なのかな、って思った。

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りあの

3.5改めて水俣病の悲劇を知る

2021年9月25日
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泣ける

最近は忘れかけていた水俣病。被害者は今も苦しみ解決されてない公害病。
それをこの映画はリアルにも美しく描かれていた。素晴らしい。
これを機に、忘れず解決に再度向かって欲しいと願う。

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ノブ様

4.5ハリウッド日本人俳優大集合。

2021年9月25日
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泣ける

悲しい

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チッソ株式会社が垂れ流した水銀により引き起こされた水俣病を世界に大きく伝えた写真を撮ったユージン・スミスの話。
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実話を元にした作品で私が1番好きなのは1番最後に話のその後の現実の説明が出るところ(今回だったらユージン・スミスはアイリーンと結婚して..日本政府は水俣病の...みたいなやつ)。フィクションが現実と地続きになるかの瞬間のカタルシスが好き。
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今作は、エンドロールでは企業による公害が水俣病だけでなく世界各国でそれも現在進行形で起きていることが示される。日本人って「臭いものには蓋をしろ」精神でこういうセンシティブな事を触れないような風潮があると思うけれど、それは現在も苦しんでいる全ての人の事も見ない事になる。
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なので、水俣病だけじゃないんだよっていうエンドロールを見てこの作品を作った意義がよく分かるし、見たくないものに蓋をする日本人は絶対見なきゃ行けないと思った。
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この水俣病の問題って福島原発とほぼ同じようなことなんだよな。利益を優先してリスクを見ないふりした結果がこれ。そして汚染されたものを海に垂れ流すというのも結果として同じになってしまったねえ。
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ハリウッド映画ですが全編ジョニデ以外ほぼ日本人でハリウッド映画特有のアジア系の顔の人がカタコトの日本語を喋ることも無く、トンデモ日本描写もなく本当に日本で撮影してるかのようなセット、そこにもうこの映画の本気度は伝わってくる。
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最近韓国映画や中国に押されがちだけど、國村隼さん初めとする日本勢のキャストも素晴らしくて日本の良さを再発見できて良かった。

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せつこん

5.0キャスティングのセンス良すぎ

2021年9月25日
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ポスターを先に見て「誰だこのおっちゃん」と思っていたらジョニー・デップでびっくりでしたが、他のキャストは知らないまま行きました。
すると自分が海外でいちばんすきなおじいちゃん俳優のビル・ナイが出ているじゃないですか!
まあでもチョイ役かなあ、と思っていたら、結局自分はこの人の表情だけで泣かされてしまいました。
デップが日本に来たら来たで、「勘弁してください」を言わせたら日本一、いや世界一の浅野忠信、毎回一瞬誰か気づかないカメレオン俳優の加瀬亮、そしてハリウッドといえば浅野忠信とこの人、真田広之(モータルコンバットか!)。それだけでも満足なのに、日本で田中みんと並んで一番好きなおじいちゃん俳優の國村隼まで出て来て大満足です。水俣病に関わる人たちの想いや、それを信念を貫いて・・・というよりかなりブレッブレに揺れながら撮影したカメラマンの物語を追体験するという所でも十分でしたが、俳優陣の素晴らしい演技を堪能する点でも価値のある映画でした。國村隼も最後ビル・ナイに負けるかとばかり表情だけで様々な意味を伝えてくれました。

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ガゾーサ

4.0海外版熊本県水俣市、制作者の熱意を感じる❗️

2021年9月25日
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70年代の水俣市の風景が現在の水俣では撮れないので、東ヨーロッパのモンテネグロでセットを建てて撮影したそうだ。撮影当時、スコセッシの沈黙もそうだったが、日本で撮影されなかったのが残念でならなかった。
しかし、完成した映画を鑑賞してみると、素晴らしい美術だった。
坂本龍一の音楽も坂本印で良かった。
小学校の授業で習った公害問題が未だに解決していない事が解り複雑な心境です。
ユージンスミスを演じているジョニー・デップも良いが、國村準の芝居に私は感動しました。

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おさむ

3.5美波さん素敵でした。

2021年9月25日
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みたい映画ではあるが重いのでは?とやや気持ちのタイミングを考え本日いきました。いやいや水俣を知らない沢山の若者に観て知ってほしい。ジョニーデップが好きなだけのファンの若者も是非。

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きんた

4.0見応えあり。衝撃を受けました。これは本来は日本が作るべき映画かと。

2021年9月24日
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【MINAMATA】2020年 米

ジョニー・デップとてもいいです。
渾身の一作と言ってもいいのでは。
こんな役も難なくなりきり演じ切るジョニー・デップは、やっぱり素晴らしい俳優です。

写真家ユージーン・スミスが聖人君子などではなく人間臭いところも良かった。
水俣病を写真で世界に知らしめることで、企業を・国を動かす一助となったのは間違いない。

信念を持って生きることの尊さ。これもこの映画のメッセージの一つかな。

水俣病に今も苦しめられている熊本の方々に敬意を払います。

エンドロールには世界中の産業公害が。
少し衝撃です。

色んな人に観てほしいし、こういう映画がアメリカにより作られ、日本人によって作られないことに憤りを感じます。

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Mariko

3.5フォトジャーナリズムの信義を観る、水俣病を題材とした意義はそこまで感じられず

2021年9月24日
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悲しい

知的

水質汚染による水俣病を題材としたフォトジャーナリストの映画、という方がしっくり来る。彼の生き方がレンズを通して真実を映すとき、この現実に心を打たれる。

最初に感じたのは、これはジャーナリズムの映画だと言うことである。彼は過去の栄光の対価として深い傷を負ったカメラマン。導かれるように撮ることになったのが水俣病で苦しむ人たちだった…。そこに居る人たちは何を持って戦い、何をゴールとするのか…また、それに対して声を上げることに意味があるのか…その葛藤。しかし、それを抱えるには大きすぎるからこそ、世界に知ってもらわなければいけない。ppmで例えられた小さな声はメディアによって大きくなることで、当事者以外こそ考えなくてはいけない問題へと変わる。その視点を軸に進むこの作品は、実にジャーナリズムを問うている。また、エンドロール前の結びで、きちんと水俣病について、日本の解釈が間違っていると叩きつけている。そうした点からも感じることが大きい。

ジョニー・デップも素晴らしいのだが、そこまでして水俣病に拘る理由を感じにくかった。人との交流をしながらも、昔の悲劇がチラつき、弱音ばかり吐いてしまう。それでも立ち向かわせる何かを実は蔑ろにしている気がしてならない。とはいえ、被害者や会社、子どもたちの視点から問題の根源とあるべき姿を炙り出し、導く強さは静かに感じる。いい意味で静かな映画だと思った。しんみりとしたドラマはそこになく、寧ろ起きているリアルを焼き付けてほしいという熱を感じる。これは今もなお変わらず、忘れてはならない意志なのだから。

SDGsだと言っている今の世界から、公害や汚染に対しての反省が滲んでいるとは思えない。こうして苦しんだ人達の犠牲を孕んでいると思えないからだ。しかし、こうしてレンズを覗かないと我々は問題を見ることができない。在るべきジャーナリズムが今も続いていることを願うばかりだ。

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たいよーさん。

4.0意義のある作品だけど

2021年9月24日
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水俣病を世界に知らしめた
カメラマンの話

70年代に起こった
大規模な公害問題は
50年以上経っても終結しておらず
現在進行形の問題であることを
人気俳優ジョニー・デップを要して
改めて世界に発信できたことは
日本にとって
世界の弱き者にとって
大変意義深い作品となったが

本作の作りが、とてもお粗末で
見てられないレベルだった
日本で撮影していないせいで
リアリティがないというような
ありきたりな感想じゃなく

ロケの一つ一つがチープずぎて
低予算の極みみたいな撮影だった

主演のギャラが高すぎて
こんな作品になったなら
別にこんな大スターを起用しなくても良かったし

公害問題は終わっていないことを
伝えたくて
こんな貧相な映画にしたのか
それとも1人にカメラマンの勇姿を題材にしたかったのか
どっちがテーマでもいいけど
こんな作り方じゃ
全てが台無しですよ

ジョニーもギャラを貰えれば
作品の質はこれでいいのか!?
理解に苦しみます

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おっちょ

5.0人生はインプロビゼーション

2021年9月24日
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鑑賞方法:映画館

 借金を抱え、酒に溺れている写真家ユージン・スミスは、ある日アイリーンと名乗る女性から依頼を受けて熊本県へと旅立つ。そこで見た現実は想像を絶する水俣患者の姿であり、意欲をなくしていたユージンを奮い立たせた。

 一枚の写真は100の声に匹敵する。妥協を知らない暗室作業によって彼の作り出される作品にはまさしく魂が込められているもので、陰影が織りなす被写体には彼の心が映し出されるのです。「真っ暗闇のような黒とまっさらな白のメリハリ」という言葉がピタリと当てはまる。劇中ではアキコという胎児性水俣病の少女の写真がそれを物語っている。実際には「入浴する智子と母」公開の議論があったようだが・・・

 写真に写った人は魂を抜き取られる・・・実は写真家も魂を吸い取られているのだ。と語るユージン。また、言葉が通じないのに足の不自由な青年と心を通わせ、カメラ指導もする。ユージンが人生を掛けていることがひしひしと伝わってくる中、気に入ったのが「人生はJAZZ」であり、即興(improvization)なのだ!バーのシーンではアート・ブレイキーの「モーニン」が掛かってるあたりでもジャズ好きなんだと伝わってくるのです。坂本龍一の音楽ももちろん素晴らしい♪

 ユージン・スミスと後の妻となるアイリーン美緒子スミスの生き方についての伝記映画に水俣病についての物語。チッソに対する抗議運動意外にも、賠償金を受け取った人や認められない人との分断も描かれており、大企業の隠蔽体質をも告発している。エンドロールでは人為的な事件の数々も足早に紹介されていたり、現在もまだ続く訴訟問題が提起されている。2013年には日本の首相が「水俣病は克服した」と発言されたが、とんでもない。全く終わってないのだ!単に過去の公害問題ではなく、強者による弱者イジメという普遍的な問題提起をしている映画なのです。
※現時点で1500人が認定審査結果待ち、1800人が損害賠償を求めている。

 今も未認定患者は大勢いて、当時3歳や4歳だった方に対してまで「汚染された魚を食べた証拠を出せ」と国は言う。福島第一原発事故にしてもコロナワクチンにしても患者と関連付ける医学的根拠はないと逃げる政府。これからも多くの人が犠牲となるであろう公害や薬害や原発事故。真実を突きつける勇気を持とうと魂を揺さぶられた思いになった。2021年度暫定1位。

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kossy

4.5日本のわが事として

2021年9月24日
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泣ける

悲しい

怖い

1970年代の公務災害への人々の怒りや苦しみは、計り知れない。当時のアメリカ人報道カメラマンがいなかったら、もしかしたら、違う展開だったかもしれない。それだけ、外圧がなければ、日本では、救済を求める声を挙げづらいと言うこと。今の日本では、さらに難しいだろうと思うと、弱い人が救われない。

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mannna

4.5見えないものに光を当て、隠されたものを浮かび上がらせるという、写真家の使命が伝わる一作。

2021年9月24日
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写真家ユージン・スミスが遺した作品群は、間違いなく写真史上に刻まれる業績の一つですが、中でもとりわけ胸を打つのは、やはり水俣病患者とその家族を写した写真です。

本作はほぼ全編、ユージン・スミス(ジョニー・デップ)の視点から、後に写真集『MINAMATA』につながる取材の過程を描いています。フィルムを模したような独特の色調と風景の美しさが印象的ですが、圧巻は映画の一場面がまさに彼の作品へと変化していく瞬間です。

構図、表情、光の当たり方など、元の作品を再現した映像の完成度は非常に高く、この時は映画の観客ではなく写真作品に入り込んだようにも感じました。

もう一つの本作の白眉は、フィルムを現像し、印画紙に焼き付けていく暗室作業を捉えた場面です。本作は、むしろ現場で撮影している場面よりもこちらを重視しているのでは、と思うほどでした。

例えば冒頭でカメラはユージン・スミスが行う、露光時の焼き込み、覆い焼きの技法を写し撮ります。おそらくこの場面は、見えないもの、隠されたものを明瞭に浮かび上がらせるという、写真家としての彼の姿勢を象徴的に示しています。また現実の作業では独りで行うことの多い暗室作業を、本作では彼と、もう一人の別の誰かとの共同作業として行っています。本作は全体的に、ユージン・スミスの内面をあまり説明してはいませんが(電話での愚痴は除く)、その代わりこの暗室での共同作業の描写を通じて、酒浸りでそっけなく、憎まれ口も叩く彼が、実は人との繋がりを求めているという内面を豊かに描いていました。

本作は熊本県が支援したことを除いて撮影の許可や支援がなかなか得られず、いくつかの場面は日本国外で撮影したとのことです。時々石造りの建物が出てくるのはそれが理由のようです。だがそれを除いて漁村である水俣の風景描写には違和感がほとんど感じられないところは見事でした。

ジョニー・デップ演じるユージン・スミス像は、身近にいたらなかなか気苦労が絶えなさそうな人物として描かれていますが、実際の彼の言動と比較したら、これでもかなり抑えた描写となっているようです。どんなだったんだろう…。

日本でなかなか支援が得られなかった理由の一つとして、水俣病の実態が忠実に得られていない、という批判もあったようですが、エンドロールまで観ると、本作の制作陣は少なくともこの問題を軽々に扱っているわけではないことが理解できました。

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yui

3.0強者と弱者

2021年9月24日
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悲しい

単純

難しい

1971年アメリカLIFE誌に掲載されたに水俣病とチッソ㈱の取材の話。

引退を決め機材を売り払ったアメリカ人落ちぶれアル中カメラマンが翌週行われるチッソの株主総会の取材を依頼され巻き起こっていくストーリー。

家族の死や自分と家族の病気に苦しみ、不安を抱えると共に、取材にやった来たアメリカ人を受け入れてはいるけれど、自分や家族が撮られること、晒し者になることは敬遠する住民達。
人として親として写真家として接し近づく主人公。
輩を飼い脅しを掛けたり開き直ったり、外国から来た記者を懐柔させようとしたりする不誠実なチッソ。

小学校でも習ったしTVでも幾度となく特集されているのを見たし、水俣病に関する知識はいくらかはあったけれど、この様なカメラマンがいたことや、そのエピソードはまるで知らず、とても勉強になったし、非常に興味深かったし、ドラマとしても良かった。

そして、映画として彼をフィーチャーしているとはいえメチャクチャ抗議活動や訴訟に至る関係者の意識に影響を与えており驚いた。

ただ、あくまでも取材した主人公とその時の様子がメイン、というかほぼそれだけで、水俣病そのものの発生経緯やここまでの住民の苦しみ、それまでの国やチッソとの訴訟のことが殆ど描かれておらず、そこはもう少し欲しかった。

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Bacchus

5.0……………

2021年9月23日
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私が調べた資料では、1956年に熊本県水俣市保健所に、「脳症状を呈する原因不明の疾病が発生した」と報告があったのが、水俣病の初めての公式確認で、1965年には新潟でも有機水銀中毒と疑われる患者の発生が報告されたとのことです。
水俣市および新潟県の工場からの廃液に含まれたメチル水銀化合物が原因であるとする政府の統一見解が発表されたのは1968年で、この映画は1971年から描かれています。これまでの被認定者数は新潟の715名を含めて2,998名、2020年2月末の現存被認定者数は457人。

史実或いは起こった出来事に基づいていたとしても、作り手の捉え方や恣意性がゼロということはあり得ないし、人間が発信し人間が受け取ることの経緯について100%の真実なんてものはありません。真実というのはどこまで追求したとしても、〝その人にとっては真実〟なだけです。
ただ、起きた事象の経緯についての真実は人それぞれであったとしても、そこに苦しんでいる人がいるということは紛れもなく真実です。

自分ができることが何かあるのだろうか。

今苦しんでいる人がいることを忘れないこと、そのような立場の人と接する時には、少しでも寄り添える努力をすること、そしてどのような寄り添い方がその時その人にとって傷みが和らぐのかを考えること。

そもそも、このように考えること自体が何か勘違いしていることにはならないか。

そんなことしか今は思いつきません。

【追記】
気になっていたので、追加で調査。
多少なりとも当時の社会の雰囲気を窺い知る手掛かりにはなると思います。

1971年8月にニクソン・ショック(ドルと金の交換が停止)
それまで1ドル=360円だった固定相場制もこの年に廃止。

ということはチッソがユージーン・スミスを懐柔しようと用意した5万ドルは当時の日本円で1800万円。変動相場制移行で多少円高に振れていたとしても1500万円以上。
当時の大卒初任給は46,400円。年収100万円以上のサラリーマンなんて滅多にいなかった時代。

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グレシャムの法則

3.5写真家としての矜持の変化

2021年9月23日
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写真家ユージン・スミスは、最初は何の断りもなしに写真を撮っている。
アイリーンに「写真撮って良いか訊かないの?」と問われ、
「は? キスと同じで、いちいち訊いてからやるもんじゃないよ(笑)」的な返答。

そう言えば、ジュリエット・ビノシュが写真家を演じる映画(タイトル失念)でも、
アフリカの子供たち?を何の許可もなくバシャバシャ接写しているシーンがあった。
失礼すぎませんか?まるでモノ扱い。
ジャーナリストは何しても良いんだ、だってジャーナリストだもん!的傲慢さが感じられて、
そのワンシーンだけで大嫌いな映画になった。

そしてこの映画でも、勝手にバシャバシャ撮ってやがる…嫌がって顔を隠す人たち…。
この野郎めえ!…と井森美幸なみに拳をふりあげていたら、変化が訪れる。
現地の人たちと心を通わせるうち、「写真を撮らせてもらえないですか?」とちゃんと訊くようになるのだ!

そうやって被写体に対してのリスペクトが生まれた瞬間が、とても良かった。
モノではなく、人間を撮ってくれて、ありがとうと言いたい。

その後アイリーンと離婚したり、チッソ社員の暴行の後遺症で大変だったと調べたら書いてあったので、そこまで含めて見たかった気も…。

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ababi

5.0最初から最後まで、涙が止まりませんでした。水俣地方の方言も違和感あ...

2021年9月23日
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鑑賞方法:映画館

最初から最後まで、涙が止まりませんでした。水俣地方の方言も違和感ありませんでした。ジョニーデップが、写真家を好演してました。水俣病をよく知らない若い人にも見てもらいたいです。大衆受けする映画ではないと思うけど、映画だからこそ表現できうる世界と作品であったと思う。水俣尿問題は、今も終わっていない。

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Akira

5.0日本の公害は現在進行形だ‼️❓ばかやろー環境省‼️

2021年9月23日
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まず、驚いた、水俣病は半世紀以上経過しても、賠償は不完全らしい。
エンドロールで、福島原発事故が人災である、放射能公害だと紹介される。
なんと、環境アセスメントしてないから、汚染状況すら不明なのだ。
レジ袋有料してる場合かよポエム環境大臣のあほんだら。
水俣病の悲惨な姿は最近の福島原発被害者の未来の姿だ‼️
尚のこと、コロナ禍の捏造と隠蔽が、示唆されている。
他山の石では無い、いもそこにある危機なのだ。
公害にせよ、コロナ禍にせよ、虫けらのように殺されるな、権力に抵抗して生き抜け、そう、この映画は教えてくれる。
政府も、テレビも、新聞も疑え、戦え、生きるために、改めて生きるために、この映画を是非🎞🎟🎬!

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アサシン5