「ユージンとアイリーンの三年間の記録。」MINAMATA ミナマタ コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
ユージンとアイリーンの三年間の記録。
内容は、アメリカ🇺🇸の写真家ユージン・スミスと後に一時期彼と結婚する妻アイリーンとの出逢いから三年間の熊本県水俣市を舞台に繰り広げられるチッソ(株)の工場排水🏭(有機水銀)による生命被害を主題とした作品。好きな言葉は『写真は撮るものの魂を吸い取る』で写真という表現に対する呪われた何かを感じる一面が恐ろしくも魅力的な台詞でした。印象に残った場面は、抱えられた水俣病の子供の顔と血の色🩸かと思える真っ赤な暗室と軽快な音楽が違和感と爽快感を感じ、ハリウッド映画の作りらしいスタイリッシュさを感じました。映画も🎞綺麗な三幕構成で映像作品として纏まっていて、綺麗な脚本だったと感じます。これならドキュメンタリー映画で良かったのでは?!撮り直す必要があったのか?疑問でなりません。この物語は事実であると冒頭で唄うだけに内容については厳しく精査される必要はあると思いました。四大公害病の一つ新潟の痛い痛い病勝訴から50年。水俣病熊本地裁勝訴から49年と云う節目からこの映画を鑑賞しました。この映画を鑑賞後に伝えたかったテーマを考えましたが、脚色を踏まえた実録映画だと思うだけで深刻さによる笑顔は伝わって来なかった様に感じます。裁判所に押しかけるお遍路姿に『怨』の旗印には原告被告含む全ての人に降りかかる様に感じられ怖かったですし、今なお解決されない問題は山積みで、どんな事を言おうととも公の殺人である事に変わりはありません。歴史から学ことは大きいと感じました。結局は、人間はお金と土地と地位や名誉からは逃れられない正に怨嗟の渦中。正しい事が罷り通るなら世の中もう変わってるよなとつくづく感じます。いかに自分が共感しようとも出来無い浅はかさと自分の運の良さに安堵感を感じ、安心してしまう情け無い人間です。関係ないですが、主役のジョニーディップが庵野秀明に見えてしまったのは自分だけでしょうか。
コメントありがとうございます。色々な見識があって面白く感じております。俳優推しだったんですね。自分は俳優よりも裏方の作り手から観る事が好きで、映画として全体を作品として鑑賞してしまうので感想文としてこうなってしまいました。本当に、政府や国家の横暴に犠牲となられた方への共傷感は計り知れません。そして未来永劫解決策を模索し続け時間により風化させようとする目的意識の再認識には正当性を感じます。その事には激しく同意します。
私は浅はかな人間なので、ドキュメンタリー映画なら、
多分観る事はなかったと思うんですよ。
(ジョニー・デップが主役だから観たい・・・そんな気持ちが鑑賞の
動機でした。結果、私の中では終わった・・・そう思っていた水俣病の後遺症に今なお2万人も苦しんでると知り、申し訳ない・・・だけど何もしてない・・・多くの皆さん苦しんでいる。それを知れただけでも良かったです)