「ジョニー・デップが、水俣病を世界に発信した写真家を熱演」MINAMATA ミナマタ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
ジョニー・デップが、水俣病を世界に発信した写真家を熱演
2020年(アメリカ)。監督:アンドリュー・レヴィタス。
主役の写真家ユージン・スミス(1918年ー1978年)をジョニー・デップが
渾身の自然体で演じました。
水俣病とは、新日本窒素肥料(現・チッソ)という会社が、肥料を作る工程で使用した水銀の成分の
残量を工場廃液として熊本県の水俣湾に垂れ流していた。
水俣湾で獲れた魚介類を食べた人や猫に、激しい中枢神経疾患を引き起こした。
それが水俣病である。
1971年。有名だが落ちぶれてた写真家ユージン・スミスは、
日系の若い女性アイリーンから、
水俣病の取材と撮影を頼めないかとの依頼を受ける。
スミスは「ライフ誌」の編集長ロバート(ビル・ナイ)に掛け合い、
写真を掲載することを約束させる。
実際にスミスとアイリーンは来日して3年間の月日を水俣で過ごして、
住民とコミニュケーションをとり、
地域に溶け込んでいきます。
激しい麻痺症状の患者を撮影することは家族の同意が得られず難航します。
しかしユージン・スミスには水俣病患者への深い同情と共感があり、
家族を晒し者にしたがらない人々の、頑なな心を解きほぐして行きます。
彼は被写体の同意を得ずに撮影することは決してありませんでした。
思いやりと敬意を持って、シャターを押す人でした。
しかしながら、ユージン・スミスは欠点の多い人です。
アルコール依存症だし、妻子は捨てるし、借金まみれだし、どうしょうもないけれど、
「写真家は被写体を写すことで、自分の魂の一部を失う」
その魂の欠落が彼を苦しめていたのかも知れません。
「1000の言葉より、一枚の写真」
ユージンの「入浴する智子と母」の写真。
この一枚は水俣病の現実と恐怖そして摘発・抗議・・・
全てを網羅してあまりある一枚です。
ジョニー・デップがこの役を演じたことと、監督・日本人俳優・スタッフ一同に、
敬意と感謝を捧げます。
【過去鑑賞】2022/01/31
琥珀糖さん
ありがとうございます。
本当に1000の言葉
より一枚の写真。ですね
写真一枚で
酷い状況が一瞬で伝わるものです。
ジョニーデップは言われないと
分からないくらいの存在感でした。
いつも僕の拙いレビューを読んでいただきどうもありがとうございます。
この映画はメッセージの力を感じさせてくれる作品でしたね。
ジョニー・デップの演技は凄みさえ感じました。
今晩は。
ジョニー・デップが、ユージン・スミスを抑制した演技で演じた貴重な映画だったと思います。
確か、この作品決着が付いたジョニー・デップがアンバー・ハードに訴えられた件で、本国では公開されなかった記憶がありますが、勝訴となった時点で公開の話が進んでいるのかな・・、力作なのに。とも思いました。
アンバー・ハード敗訴の件は”勝てる見込みがないのに・・”と思いつつ、哀れな感も感じてしまいました。「ラム・ダイアリー」ラム・ダイアリーではあんなに仲が良かったのに・・。
男女の恋は、難しいですね‥。私も気を付けないと・・・。では。
本当は日本が作らなければならない作品ですが、忘却になりつつある水俣病の恐ろしさを改めて訴えてくれた作品ですよね。
ジョニー・デップや本作に携わったハリウッド映画人に頭が下がる思いです。
水俣病問題は終わってませんね。
琥珀糖さん
おはようございます。
コメントを頂き有難うございます。
ジョニー・デップ、オーラを消しての熱演でしたね。キャラ強めの印象が強く、作品を殆ど観ていなかったのですが、少し前の作品をTVで観て以来、推しの俳優さんの一人に。それ以来、映画館に足を運びたい俳優さんの一人となっています 😅
憂を含んだ瞳がいいですよね。ガンバレ、ジョニデ‼︎