「劇中ジョニー・デップはいない。ユージン・スミスがいるのみ…」MINAMATA ミナマタ 死亡遊戯さんの映画レビュー(感想・評価)
劇中ジョニー・デップはいない。ユージン・スミスがいるのみ…
観る前は今さら感のあったジョニー・デップの水俣病映画。
しかし実際に観てみると、日本人のくせして小学生時に社会科で習った薄っぺらい知識しか無かったことに愕然とする。
アメリカ人写真家が、チッソ(現JNC)社員による暴行でファインダーを覗くこともシャッターを切ることもままならなくなっても記録し続け、結果、我々日本人はアメリカの雑誌経由で水俣病の実態を知るまで国やチッソのウソや隠蔽を信じ続けた恥ずかしさ…
まだ本作鑑賞前の早朝観たドキュメンタリー番組で知ったが、国とチッソが水俣病と認めたのは、ほんの一握りの重症者のみ。
番組内、ジョニー・デップの「水俣病がまだ続いていることに更なる衝撃を受けた」という言葉で、またもや真実を知る情けない俺…
個人的には本年No.1作品。
「現在も旧チッソの水俣工場は操業を続けている。しかし、石井によれば、工場の正門にはチッソと書かれてはおらず、「JNC」と横文字が記されている。Japan New Chissoの略らしい。チッソは社名の変更を求め、被害者はそれに反対してきたが、2011年の分社化と共に国は変更を許可したという。」(佐高信氏の記事より)
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