劇場公開日 2021年9月23日

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「美しさと悲惨さを映した社会派映画」MINAMATA ミナマタ keytonさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0美しさと悲惨さを映した社会派映画

2021年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

 アメリカのカメラマン・ユージンは日本の企業から「水俣病」に苦しんでいる人たちを写真に収めてほしいと依頼された。最初は断ったユージンだったが、生活費が困窮していたことや、戦場カメラマンだった記憶が彼を奮起し、アメリカ雑誌「LIFE」に水俣に関する特集の写真を掲載させてほしいと依頼した。
「LIFE」側は難色を示したが、水銀中毒は世界的に問題のある公害で、読者や国連の注目を浴びると予想した。そしてユージンは水俣市へ赴き、水銀中毒の恐ろしさと、企業と住民の戦いを目撃する。
 感動する映画ではないですが、水俣のありのままの自然と生活を美しく描いている。同時にチッソ工場から垂れ流している水銀がいかに人と自然を破壊するのかを忠実に再現されていた。日米合作映画として高いクオリティでした。
 アメリカ側の対応も実に興味深い。最初は興味なかったのに、物語が進むにつれて関心が高まり、「LIFE」の存亡に関わる記事に発展したことで、アル中で気まぐれなユージンの性格に悩まされる編集長ボブに同情しました。
そして、ハリウッドで活躍している真田広之さんと浅野忠信さんが熱意をもって演技していたのが十分に伝わりました。
 エンドロールまで環境問題を取り上げている仕上げになっているので一見の価値は十分にあると思います。

keyton