劇場公開日 2021年9月23日

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「外国人の目を通して見た水俣」MINAMATA ミナマタ のむさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5外国人の目を通して見た水俣

2021年9月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2021年6月、水俣市が先行上映会の後援を拒否したというニュースを見て、なんとも言い難い出来になっているのだろうなと勘ぐっていましたが、水俣市が後援できなかったのも致し方ないのかなと思います。

ユージン・スミスさんは現在YouTubeにもあがっているANNのテレメンタリーでも紹介されていますが、ジョニーが演じた彼と少し異なっていて違和感を感じました。写真に写るユージンさんはもっと笑顔で、チャーミングであり、終始ニヒルで不機嫌なジョニーとの差が気になりました。

公害病によって意思表示すらできなくなった少女と、その少女の若さゆえの複雑な感情をカメラによって切り出そうとしたユージン。でもそれができず苦悩し涙ながらに語るユージンのテープがとても印象に残っていました。本作に出てくる「カメラは撮る者の魂を奪う」というセリフとまさにリンクして、彼の人物像をより深めることができたことが最大の収穫でした。

監督も含め、外国人から見た「MINAMATA」が描かれているという印象でした。個人的には、真田広之や浅野忠信が演じたキャラクターをもっと掘り下げて描いてほしかったですが、この映画を入口にして世界中の人々が公害について意識をむけることになってほしい、それができる映画であると感じました。エンドロールで出てきた様々な公害問題を、私も調べてみようと思います。

のむさん