「経済的な繁栄の裏で…」MINAMATA ミナマタ shantiさんの映画レビュー(感想・評価)
経済的な繁栄の裏で…
日本の高度経済成長期には国内の至る所で公害の問題が噴出していた。国策とも言える企業の大失態であるにもかかわらず隠蔽をし、何食わぬ顔で栄養栄華の成長を世間ではもてはやす。大多数の恩恵の陰で苦しむ一握りの少数は許容範囲で済まそうとする。誤差の扱いだ。その誤差で死に追いやられ、重い障害を抱えたまま過ごす人たちを不幸の一言で済ませられるか?誰にでも起こり得ることが、たまたまそこに居た人たちに起きたのであって、決して他人事では済ませられない。個人の人権を未だ蔑ろにするこの国と企業体がありありと存続している現代において、この水俣の事件は過去ではなく現在進行形の事象でもある。一人一人が関心を持つこと。決して無関心になってはいけない。ある人の死、痛みは遠からず自らの死、痛みに直結する。自分自身を映す鏡は絶えず目の前にある。
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