「写真家としての矜持の変化」MINAMATA ミナマタ ababiさんの映画レビュー(感想・評価)
写真家としての矜持の変化
写真家ユージン・スミスは、最初は何の断りもなしに写真を撮っている。
アイリーンに「写真撮って良いか訊かないの?」と問われ、
「は? キスと同じで、いちいち訊いてからやるもんじゃないよ(笑)」的な返答。
そう言えば、ジュリエット・ビノシュが写真家を演じる映画(タイトル失念)でも、
アフリカの子供たち?を何の許可もなくバシャバシャ接写しているシーンがあった。
失礼すぎませんか?まるでモノ扱い。
ジャーナリストは何しても良いんだ、だってジャーナリストだもん!的傲慢さが感じられて、
そのワンシーンだけで大嫌いな映画になった。
そしてこの映画でも、勝手にバシャバシャ撮ってやがる…嫌がって顔を隠す人たち…。
この野郎めえ!…と井森美幸なみに拳をふりあげていたら、変化が訪れる。
現地の人たちと心を通わせるうち、「写真を撮らせてもらえないですか?」とちゃんと訊くようになるのだ!
そうやって被写体に対してのリスペクトが生まれた瞬間が、とても良かった。
モノではなく、人間を撮ってくれて、ありがとうと言いたい。
その後アイリーンと離婚したり、チッソ社員の暴行の後遺症で大変だったと調べたら書いてあったので、そこまで含めて見たかった気も…。
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