「ごっこ遊び?」DAU. 退行 manzai2007さんの映画レビュー(感想・評価)
ごっこ遊び?
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観ないで評価はできないと思い、鑑賞。
自分としては、「映画」とはたとえ重くても暗くても、お金を払って観る娯楽。
そういった意味で、前作「ナターシャ」がギリギリだった。
「特別な作り方をしました」という前提条件(事前情報)があってこそ、鑑賞に堪えられたが、逆に何の事前情報も無ければ、ただの(だらだらとした)記録映像・実験記録。
それも、限りなく「作りものではない」という本プロジェクトの売り文句があったはずだが(ナターシャは、その一点でこその評価)、本作のラストは、壮大な「ごっこ遊び」。
確かに「悲劇的結末」は予想できたが、「殺人ごっこ」に「死体ごっこ」を見せつけられては、興醒め。
本プロジェクトの登場人物は、お芝居も演出も無く、カメラの存在を意識することなく、限りなく普通に生活していただけで、その記録映像の編集ではなかったのか?
(ナターシャの時はそういう説明で、それがウリだった筈だ)
最後になって「死体(役)」を見せるということは、出演者に芝居をさせている訳で、それならば脚本を作って役者に演技をつけて、もっとコンパクトな「作品」にもできたのではないか。
それとも、最後に本当に殺人(粛清)が行われた、とでもいうのだろうか?
本映画(プロジェクト?)の批評に、このことが一切触れられていない、気味悪さを感じる。
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LSさんのコメント
2021年9月5日
監督が演者の等身大シリコンフィギュアを作ったと(ナターシャの本サイトレビューで)読んだので、想像ですが死体は本人の演技ではないのかもしれません。
だとすると(豚を除いて)殺すシーンそのものを描かないのも制作意図に忠実だからなのかも。気づきを得ました。ありがとうございます。