「悪くはない、でも退屈。テレビアニメ向けだった」映画 五等分の花嫁 いるかさんの映画レビュー(感想・評価)
悪くはない、でも退屈。テレビアニメ向けだった
全体的に悪くはないです。
原作の11巻をカットし、12巻~14巻までを丁寧に描くことで、中途半端にならずに完結出来ています。
作画も綺麗です。
一部、キャラクターが走る場面なんかは少し崩れかけていましたが、基本的にはキュートな原作を再現出来ていると思います。
ただ、映画を観ていて思ったことは、「なんだか退屈」ということでした。
シナリオの都合上、同じような絵面が5回繰り返されるのですが、それが時間を長く感じさせる要因です。
文化祭のエピソードは、一人に焦点を当てた話が5人分描かれる、オムニバス形式です。
これが、映画との相性が良くなかったのだと思います。
週刊連載の漫画やテレビアニメならそれほど気にならなかったはずですが、オムニバス形式の文化祭エピソードは、2時間の通しで描かれる映画には合わなかったのかもしれません。
文化祭のエピソードは恋模様の決着が描かれるため、物語としてのクライマックスになるはずなのですが、なんだか退屈な状態が続くため、少し盛り上がりに欠けるように感じました。
また、文化祭でのエピソードで一旦物語のクライマックスに差し掛かりますが、その後、物語の完結まで結構話が続きます。
文化祭終了後、原作14巻部分の結婚式までと、物語の結びである結婚式が描かれるのですが、そこが結構長く、冗長に感じてしまいました。
これは、話として一旦クライマックスを迎えたのに、蛇足的に話が続くように見えることが原因だと思います。
原作漫画を読んでいても然程気にならなかったので、これも映画だから気になるポイントなのでしょう。
総評すると、アニメとして、原作のアニメ化としてのクオリティは良かったけれど、映画としては少し残念なものでした。
映画より、テレビアニメに向いていたと思います。
余談ですが、私の隣の席に、4歳ごろの子供が父親を連れて来ていたのですが、映画の後半から「まだ終わらないのー?」と騒いでしまっていました。
小さい子が対象観客になってる映画じゃないので、何故観に来させたのか、とは思いましたが、小さい子供には退屈な映画だったようです。