「原作マンガの作画クオリティーと比べると弱さを感じるも、内容が魅力的なので目が慣れれば問題なし?」映画 五等分の花嫁 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)
原作マンガの作画クオリティーと比べると弱さを感じるも、内容が魅力的なので目が慣れれば問題なし?
本作は「週刊少年マガジン」で連載された原作マンガの映画化ですが、その前に2クールのテレビアニメ版があります。
つまり映画では、その2クールのアニメの続きの「完結編」で、原作マンガの84話から122話(最終回)までを描いています。
私は時間の関係でアニメ版を見ず、原作マンガの「1話」だけを読み、作風をざっくりと押さえる程度で映画を見ました。それもあってか最初はそこまで満足度が高くありませんでした。
まず、感じたのは原作マンガの作画のクオリティーが非常に高い、ということで、アニメ化すると、やや作画クオリティーが落ちている気がしました。
そこが気になっていましたが改めて2回目を見た時に目が慣れてきたようで、ようやくキチンと判断できる状態になれました。
結論から言うと、「この作品は見れば見るほど発見もあり面白い」です。
そもそものコンセプトの「ヒロインがひとりだって誰が決めた?」という視点も良いですし、五つ子だから「それぞれの喜びや悲しみなども5人全員で五等分」というのも姉妹の絆を描ける上手い設定です。
5人のヒロインと1人の主人公、という構図だと男性向けの作品という印象になりますが、それぞれのヒロインの葛藤などもキチンと描いていたりと、女性も十分に楽しめると思います。
最後に誰と結ばれるのか、という作品ではありますが、その結果だけに意味があるわけでなく、本作の魅力は、5人姉妹と上杉風太郎の6人の関係性にあります。
そのため繰り返して見ても、常に「視点が変わる面白さ」があり、様々な発見や感情が出てきます。
原作マンガの84話から122話までを136分でまとめるのは無理があったという見方もあるのでしょうが、私は上手く再構築されていたと思います。
例えば原作マンガも「読み切り」から連載に変わった際に、1話の構成がより洗練されたのと同様な感じでした。
声優陣も豪華で設定が優れた良作です。