「愛にあふれた作品」映画 五等分の花嫁 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
愛にあふれた作品
以前から知人に勧められていた「五等分の花嫁」ですが、なかなか時間が取れず、原作もテレビアニメもこれまで一度も見たことがありません。しかし、本作の高評価を目にして、予備情報を一切入れぬまま鑑賞してきました。なるほど世間の評判通り様々な要素の詰まった素敵な作品で、劇場版で触れられて大満足です。
ストーリーは、幼い頃に父と生き別れ、母をも亡くした五つ子の美少女と、彼女たちの家庭教師でもある同級生の男子との間に芽生える恋心を描くラブストーリー。男子ならみんな大好きハーレム展開で、この設定だけ見ると安っぽいムフフアニメと思われがちですが、ここに様々な要素を詰め込み、人間ドラマとしての深みを足しているところが、本作が多くの人から支持される理由でしょう。
男女の恋愛はもちろん、親子愛、姉妹愛など、それぞれの人物が自分と繋がる人たちを大切に思う気持ちが、丁寧に繊細に描かれているような気がしました。なかなか面と向かっては言えない心に秘めた想いを、ためらいながら意を決して口にするシーンは、どれも熱かったです。おそらくテレビシリーズから持ち越されたであろう結末を、本作ではっきりさせたという点からも好印象です。
テレビアニメ版を観てないので比較はできなませんが、映像はある程度のクオリティを保っていると思います。欲を言えば、劇場版としてもう一段高いレベルで描いてほしかったし、そうなら大スクリーンでさらに映えたと思います。
キャストは、ハーレム大王といえばこの人、松岡禎丞さんを筆頭に、五つ子役に、花澤香菜さん、竹達彩奈さん、伊藤美来さん、佐倉綾音さん、水瀬いのりさんと、一流声優をずらりと並べた豪華な布陣でパーフェクト!やはり劇場版アニメはこうでなくてはいけません。
ただ、少々残念なのは、一見さんにはやや不親切だったことです。テレビシリーズ視聴が前提のような感じで、一切の説明なく始まるので、しばらくはキャラの名前も相関も全くわかりませんでした。それでも、しだいに理解できますし、周辺人物はあとから絡んでくるので、そこまで困ることはなかったです。それよりも、本作で描かれてないシーンが回想として何度も挿入されていたので、やはりテレビシリーズ視聴後のほうがより楽しめたのではないかと思います。これを機に、テレビシリーズも観てみようと思います。